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二次元の力はこの手の中に!!!  作者: 神咲 勇気
第二章 二日目の激動
22/96

第21 楽しかったのに・・・・

「ん~~~買った!買った!いや~沖田颯太の声優さんサイン入りCDも無事買えたし、可愛い桜も見れたし満足!満足!これで・・・賭くんが一緒だったらよかったのに・・・・」


そういいながらスマホを眺める天照。

スマホには自分で作成したヒヨコがぴよぴよと鳴いていた。

ふぅ・・・とため息をつく

もしかしたら昨日あんなに傷を負わせたから来ないのかもしれない、それでも三人と連絡が取れるようにとこのヒヨコを作ったのだがやはり必要なかったのでは、そう思っていると

「コケッ」とスマホから声がした。

ん?と天照がスマホを覗きこむとヒヨコのままだ。

確かにニワトリになった時の声が聞こえたはずだが、と思いスマホを見るがヒヨコのまま周りにもそれといって異変もない。

やはり気のせいか?と考えていると


「天照さま~」と遠くから桜がやってきた。

少しドキッとするが、その名前に周りの人たちは誰も気にするような人は居なかった、きっとハンドルネームか何かだと思ってるに違いない。


「お~~桜~なんだ?もうコスプレの仕事は終わったのか??中々可愛かったのだがな」


にやにやしながら聞くと桜は恥ずかしそう胸元を隠すしぐさをした。


「変な想像していませんか?まったく天照様は・・・ってそれよりさっきからスマホのヒヨコがおかしいんですがこれって壊れてます?さっきからコケッて声がするんですが、ヒヨコのまんまなんですよ」


「ん??桜もか??私のもそうなんだよやはり早急に作ったからか?いや・・・だが、2人同時になるのはおかしい・・・まさか・・」


そういって慌てて自分のスマホを取り出しヒヨコを操作する。

するとヒヨコが羽を開きアンテナみたいなものを画面に出した。


「こんな機能もあるんですね!このヒヨコちゃん。これはなんの機能なんですか?」


「これはな、もしもの時に私たちが何かあった時の為につけた機能なんじゃ、互いの位置を把握するためにの!言わばGPSみたいなものなんじゃが、正確にしっかりとした場所がわかるんだよ、ここを押して」


そう言いながらヒヨコが出してきたアンテナを操作すると、画面にビッグサイトの地図らしきものと赤く点滅する点が出てきた。


「えっと・・この今二つ一緒に点滅しているのが私たちですか??」


桜が画面に出てきた地図を指さしながら聞くと天照が頷く。


「そうじゃ、これが私たちで・・・っとこの東ホールの止まっているのが光だな・・じゃあ賭くんはと・・・」


画面を指で動かしながら探すが赤い点滅が見当たらない。

西ホールを拡大しても、東ホールを拡大して見ても光以外の点滅が見当たらない。


「これは・・・やられた!!!!もしかしてあいつがきているのか!!!」


「えっどういうことですか!?あいつって誰ですか??」


「桜も見たことがあるやつだ!とにかく説明は移動しながらだ!!!桜とりあえず東ホールにいる光と合流するぞ!!!」


「はっはい!!」


慌てる天照を見て桜もただ事じゃないことを察した。

天照はヒヨコを操作し賭に連絡するが通じない・・・

歯をぎりっと鳴らしてしまうくらいにくいしばった。


「くそっ!忘れていた!!なんであいつの能力を忘れていたんだ!間に合ってくれ!賭くん!!!」








「これ美味しいですね!神酒しんしゅさん」


屋台で買った牛タン串を食べながら東ホールから道路を渡った所にある防災公園に移動し芝生に座る。

周りにはいろいろなコスプレをした人達が写真を撮ったりみんな楽しそうにしている。

お腹がすいていたので頬張って食べていると、それを見てクスクスと笑う神酒さん。


「なんか夢見間ゆめみまさんリスみたいですね」


と言われ少し恥ずかしくもあったが、笑ってくれているのでまぁいいのだろうが初対面の人に失礼だと思いなおし、すぐに頬張っているのを飲み込んだ。


「すみません、お腹が空いていたものでついお見苦しいところを」


そう言うと神酒さんは首を横に振った。


「いえいえ、謝る事は何もありませんよ。むしろ笑わせてもらって私は楽しいんですから!夢見間さんは結構子どもっぽいんですねなんだかかわいい」

と言いまたクスクスと笑う。


「かっかわいいなんてそんな!それに僕は子どもぽくないんですからね!!!」

むきになって言うとさらに神酒さんは笑って

「ほら!そうやってむきになるとこますます子どもっぽいじゃないですか!」

笑いながら言い返されて自分も笑ってしまった。


確かにこうやって言い返すのとかって子どもぽいなと内心思ってしまい心から笑ってしまったのだ。

それを見て神酒さんは嬉しそうにしている、その横顔を見てるとなんだか昔あった事があるようなどこか懐かしさを感じた。

ずっと昔自分はこの人と会った事があるのではないだろうか?そんな疑問さえよぎった。

そういえば、今に思えばだが神子さんに会った時もどこか懐かしい気持ちも少なからずあった気がするが、きっと夢とかそんな感じだろうと思った。


2人で牛タン串と焼きそばを食べながら漫画やアニメ、小説、コスプレの話を交わした。

すると話はアニメ新選組の話題で盛り上がった。


「へ~神酒さんは新選組の斎藤 さいとういちくんが好きなんですか~」


「夢見間くん、新選組のアニメ見てるの?あれリメイクとかされて今また放送してるらしいよね~」


「そうなんですよ!あれ?神酒さんはリメイクする前の新選組を見ていたんですか?」


そういうとこくんと頷く

「じゃあ見た方がいいですよ!!昔のキャストさんをそのままやってくれているんで!!」


「ほんとに!?見る見る!!!絶対見る!そっかぁ~またあの時の声優さんで聞けるのは嬉しいなぁ」


と空見て遠くを見ているその横顔はさっきと違いどこか寂しそうな顔をしている。

昔を懐かしんでいるのだろうが、それだけではないのを少し感じたので喋るのをやめると神酒さんがハッとなりこちらを見てきた。


「ごめん!!なんか1人感傷的になっちゃって」


恥ずかしそうに謝ってきたので首をふる。

「大丈夫ですよ。あの・・聞くのはダメかもしれないんですが、なんかあったんですか?昔・・」

少し不安げに問いかけると神酒さんはため息をついた。


「あ~うん・・・昔仲良かった友達とちょっとね・・・」

あははと苦笑いをしながら頬を指でかきながら話を続けてくれた。


「新選組のキャラクターが2人とも好きでね~お互い毎週リアルタイムで一緒に放送も見て、一緒にグッズも買って、絵も描いたりしていたよ・・それにこのコミケにも2人で同人誌も出していたくらいさ!当時は結構有名なサークルだったんだよ」


「そうなんですか・・・きっと凄いサークルだったんでしょうね」

そういうと嬉しそうに笑ってくれた。


「そりゃあ凄かったさ!なんせ3時間いや4時間くらいならぶ大行列ができた事もあったんだよ!最初は小さいサークルだったんだけどね、ほんとに凄い・・・サークルになって・・」


神酒さんは言葉が途切れてしまった。

すると神酒さんの頬に一筋の涙が流れた。

本人は気づいてないかもしれないが確かにそれは涙だった。

自分は気づかないふりをしてそのまま言葉をまった。

しばらくして、神酒さんが喋り始めた。


「だけど・・お互いの意見が合わなくなってね・・それでサークルは解散・・あんなに仲良かったのに喧嘩して互いの仕事の都合で会えなくなったんだがね・・・」


また遠い空を見上げた。

なんと言葉をかけていいかわからずうつむく自分を見て神酒さんは背中をポンポンと叩き笑顔を見せた。


「まっだけど偶然また会うことができたんだよ!!仕事のついでだったんだが、顔を見合わせて少し会話した程度だがね。」


嬉しそうに話してくれて少しホッとしたが、その途端彼女の雰囲気が少し変わった。

なぜか薄暗くそしてなんと表現していいかわからない異様なオーラを発していた。


「神酒さん???」


そう問いかけた瞬間、神子さんが入れてくれたヒヨコが高らかに鳴いた。

「コケエエエエエエエエエエエエ」


その声が響いた瞬間周りを警戒したが特に変わった様子はない。

だが、スマホを見ると確かにヒヨコからニワトリに変わっていた。

すると、神酒さんが立ち上がった。


「あはぁ・・あの女しょうもないもん作ったなぁ」


笑いながら口調も変わり、雰囲気も変わっていく。

更に喚くニワトリの異常さに驚いていると、神酒さんは一歩二歩と歩き神酒さんは振り返りニンマリと笑った。


「もう少し楽しくおしゃべりがしたかったんやけどなぁ~あの女に対する怒りでつい殺気を出してしまったせいでその神具しんぐにはバレてしもうたかぁ残念」


あの女???神具??バレた?何を言っているんだ??と戸惑いを隠せない、ついさっきまでアニメの話とか一緒に楽しくしていた女の人とは思えないくらいの威圧感を放つ神酒さん。


すると神酒さんは笑いながら


「あれぇまぁ、夢見間さんたらまだ気づかないんですか?しゃあないなぁ昔から鈍感なんやから・・・そう鈍感なのも大概にしないとすぐ殺されてしまうよ」


昔??何を言ってるんだと更に頭が混乱する。

そうしていると神酒さんの周りを風が回り始めた。


「まだ気づかないなんて・・ならこの姿になればわかるかしら」


神酒さんがそういうとたちまち神酒さんを巻き込み天高くまるでトルネードのように風が巻き上がった。

その異様な光景に周りの人が騒ぎ始め避難を始める。


「神酒さん!!!!」


そう叫ぶと中から違う声がした。


「神酒???誰かなそれは????ふふふっ」


その声がした途端風が一気にはじけ飛び中からは

先程とは違う白と黒の着物を着て腕にはお酒を持った女が現れた。


「この姿になればわかりますよね??」


そういわれ息をのんだ。

目の前に居たのは先程まで一緒に楽しそうに話していた神酒さんではなく


「お前は!!ネクタル!!!!」

答えるとネクタルは手を叩いて拍手した。


「そう!!!わたしの本当の名前はネクタル!!!あんさんの敵どす」


すぐさま身構えるが不思議な事にネクタルは攻撃の態勢もなにもとろうとしない、むしろさっきの殺気を少しも感じないのだ。

カードを一応手に持ちネクタルに問いかける。


「ネクタル!!お前は僕になんで近づいてきた!!!僕の正体を知っていたなら何故最初から攻撃を仕掛けてこなかった!隙ならいっぱいあったはずだ!!!」


そういうとネクタルは答えた。


「ん~~~なんや興味がありましてね・・・あんさんに」


「僕に興味???昨日まで普通の人間だった自分になんの興味があるって言うんだ!!!それにお前は昨日神子さんとの会話で二次元を嫌悪していたはずだ!!!なのにさっきの神酒さんだったお前は二次元が!アニメが好きそうだったどういうことだ!!!あれは嘘だったのか!!?」


怒鳴るように言うとネクタルは静かに


「神子??あぁ・・天照のこと・・・そうあの子あの名前大事にしてるんやね・・・・・嘘やあらへん、新選組やアニメは好きやよだけど昨日答えたよね??覚えてる??私はこう答えましたよね。人間共が作る物は確かに素晴らしい物ものある・・・でもいつかあたし達に悪い影響がくるかもしれへんなって」


確かに昨日神子さんと話してるときにそういっていた

二次元を壊すとも言っていた覚えている・・・だけど今日話した神酒さんだった時のネクタルは本当に二次元が大好きで笑顔を見せてくれていたとても二次元を壊すなんて言っていた人の顔じゃなかった。

なのにどうしてあちら側にいるんだ疑問しか浮かばない


考えているとネクタルが笑いながら喋り始めた。


「そう・・あの子を変にした・・悪影響を及ぼした二次元なんて無くなってしまえばいいんだ・・・そうすればあのころの様に戻れる・・・仲良く遊べるんだ・・・だから・・・だから」


一気にオーラを高めていくそのオーラはどこかで見たことがある


「このオーラは・・・心見!!!?」


「そう!!!よく気づきましたねぇ!!昨日見ただけやのに、心見は憑りついた者の負のエネルギーで増大する!!!だから操られなければこういう使い方もあるんですよ」


そういいながら力をあげていく

周りに人はもう誰もいないなので戦う事はできる・・・だが攻撃をしたくないという気持ちが強かった。

さっきまであんなに楽しく会話していたのにと思うと集中が出来ない。

その戸惑いに気づきネクタルは優しい声で語りかけてきた。


「ふふっやっぱり・・・あんさんは昔からほんとに変わらず優しい人やなぁ・・・敵になった私をも気にかけてくれるなんて・・・ほんと馬鹿やね・・・」


「昔って・・・何を言ってるんだ??僕は君と昨日初めて会ったんだぞ・・・」


そう答えると悲しそうな顔をしたのが一瞬見えたそしてネクタルが口を開いて喋ろうとした瞬間

空から声がした


「ネクタル~~~~~~~!!!!!!!!」


隕石の様に空から拳を振りかざした神子さんがネクタル目掛けて突っ込んできた

空から来た神子さんを見てネクタルは不気味に笑った。

先程までの雰囲気が一瞬で変わり臨戦態勢に入ったのがわかった。


「あああ!!!来たね!!!!天照~~~~~~~~~!!!!!!!!」


そうしてネクタルも拳を振りかざし互いの拳がぶつかり合い衝撃波が防災公園に響き渡る

地響きをあげながら互いの力がぶつかり合う

そして互いに叫んだ


「ネクタル!!!!あんたの間違った考えここで戻してあげる!!!!!!」


「こちらのセリフや!!!!天照!!!二次元を壊して!!!!本当のあんさんを取り戻す!!!」

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