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二次元の力はこの手の中に!!!  作者: 神咲 勇気
第一章 世界はコミックマーケットから
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第1 戦場前夜

「はあぁ・・・・・ついに明日かぁ・・・・」



そう考えるとにやにやと笑顔を浮かべながらベランダから少年は空を見上げていた

まるで好きだった恋人に会えるかのごとく空に浮かぶ星座を数えていた

それはそうである夢に見ていた場所に住み

そしてようやく夢だった場所に行けるからである。





_______________________________________________________________________________________________

2040年日本、日本中の人達が認めざる負えなくなった文化「アニメ・漫画・ゲーム」

総称して二次元と呼ばれる創作物



今この日本の経済を支えるほどのものに成長しているものである。

文化というと堅苦しいのかもしれない。

でも否定していた人達が否定ができないほどに日本経済には無くてはならない存在になるまで成長した。



それによりオタクというものが当たり前になってきた世界

「オタク」意味としてはこうである。


「自分の好きな事柄や興味のある分野に、極端に傾倒する人を指す呼称。

つまりはアニメ、漫画、玩具、映画、コスプレ、ゲーム、声優。

特定の趣味の対象および分野の愛好者、ファンを指す語として使われる。」


つまり何年か前の昔のように・・・


「オタク??気持ち悪いから近づかないで」


「コスプレとか何??オタクが騒ぎたいからやるものでしょ?」


「アニメやゲームにお金かけるとかそんなのにお金をかけるとか無駄だよね」


「社会のなんも役に立たないのにある意味があるの??」


「オタクが居るから日本が悪くなるんだよ」


など他にもあったと聞く

はっきりいうともっとさげすまれていた世界だった

それを好きだった人々は肩身が狭かった時代もあった・・・・





だが今のこの世界はそれを馬鹿にしない人が居ないわけではないが限りなく少なくなった時代になった。

逆に何かに夢中になってないのが恥ずかしいくらいの世界だ

むしろ義務教育の授業でアニメ学習という部門もできているくらいなのだから



_______________________________________________________________________________________________







こんないい時代に生まれたこの少年、夢見間ゆめみま かける18歳

沖縄県出身、アニメ大好き!漫画大好き!!二次元・コスプレ大好きな琉球男子だ!

彼女いない歴は・・恥ずかしながら年齢と同じである。

そんな僕もついにあのビックイベントに参加できる年になった。

というか一人暮らしの為ようやく夢だった東京に住む事ができたのだ。



沖縄は自然が豊かでいい場所ではあったのだがどうしても島国ということもありアニメ情報も遅れてしまう。

なにせ東京から直線距離で1500kmも離れた場所なのだから

だからこそようやくこの東京に住みあのビックイベントに参加できるのは夢だったのである。


そう!!オタク達のいや!!今や世界が注目する

あのコミックマーケットである!!!




「明日なんだ・・・・・ついに明日なんだぁ・・・・」


そう考えると更に最初よりにやにやと笑顔を浮かべながら星座をなぞっていた


(遥かな世界を渡り歩き~世界と世界をつなぐ星~♪)

突如として部屋内を鳴り響く着信音

アニメ「世界をかける者」のオープニング曲である


ピッとアラームを止める


「げっもう寝る時間なのかよ・・・」


スマホの時間を見ると午後20時を指していた




大学の友達から体験したことがあるものからと聞いたがコミケの時間は朝から早いという

だからコミケを生き抜くためには睡眠はしっかりとらないと地獄だそうだ。

友達曰く


「いいか!!!賭!!コミックマーケットは戦場だ!!疑似戦争だと思え!!何万人という敵が周りを歩き回り物資の争奪戦なんだ!!!自分の欲しいものをとれた者が勝者!!わかったか!!」


などと熱弁されたくらいなのだからきっと命の取り合いになるくらい大変な場所なんだろうと想像している。




他にも


「賭よ・・・この戦争はいつからが開戦の合図だと思う・・・・」


その問いに自分は


「よくわかんないけれど会場したときからじゃないのか--」


と自分が答え終わる前に・・・


「甘い!!甘い!!甘い!!!!!お前は甘すぎるぞ!!いいか賭よ戦争はその日朝起きた時からはじまってるのだ!!!朝起きる時間によっては戦争に負けるのだ!!!」


だと力説のだ。





なにせ一番早い最寄駅の池袋始発である午前5時の電車に乗ってもすでに凄い列ができてるというのだから驚きである。

実際に前回のコミケの始発映像を見せてもらったが地獄絵図で通勤ラッシュ以上であった。

あれを見せられてからは気を引き締めていく気になったのを忘れない。




「しかたないか。あんな映像見せられてしかも戦場なんて言われたらさすがにな・・・あいつにも睡眠大事って言われてるし、もう寝ないと初めてのコミケで失敗いちゃうしな」


チラッと隣にあるキャリーバックを見た

中にはコミケの雑誌をコピーした地図・タオル・コスプレ道具・携帯食料・飲料水など入っている。


すべて大学の友達に教えられたものだ


さらにその横の机には朝やる事のスケジュールが書かれた紙が置いてあった

朝忘れたらいけないことがびっしり書いてあるがまあいいだろう


「アラームも10個もセット完了!準備もOKよし!!じゃあ寝るか」


ベット横に貼ってあるポスターに一礼をし


「おやすみ・・・」




というと部屋の電気を消した

ついに明日コミケにいける・・・少年は夢を膨らませ眠りについた。

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