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二次元の力はこの手の中に!!!  作者: 神咲 勇気
第二章 二日目の激動
18/96

第17 正体

・・・・・・しばしの沈黙が流れた

動揺しすぎていつの間にか変身していた姿も元に戻っていた

とりあえず近づいて確認しなきゃ・・な・・・

恐る恐るゆっくりと相手を見る


「まっまさかな・・・そんなわけ・・・ないよな」


ぶっ飛ばして倒れた相手・・・・破れた服からは女性特有のふくらみがわかる


うん・・・つまり何が言いたいかと言うと

胸があるのだ・・

拳をグッと握って確認する

殴った時の感触がまだ拳に残っていて赤面した

顔が熱いとても熱い!!

女性慣れしてないのもある、だけれどそれ以上に相手が女の子だったとなればなおさらだ。

チラッと倒れてる彼女に上着をかぶせた。

とりあえず、冷静になって状況を整理しよう・・


時間を見ると始発の時間はとうに過ぎていたがやはり人がくる気配がない

人が来ないのとこの子は別の問題らしい。

つまりは、気絶しているこの子の能力ではないことは確か。

アニメでも結構あることだが、大抵の場合能力者が気絶などした場合その効力が消える物だ。

チラッと先程彼女が出した武器を見ると、紙の中に戻っていた。


やはり推測はこれで間違いないだろう

彼女も天照の血を体内に入れた者

そして先程見せたあの能力で何かしらして2人の技を避けて記憶が残ってる

彼女の能力は絵を描いてそれを実体化させる能力

まぁ言うなれば「絵を実現させるアートリアリゼーションメーカー」と言うところであろう。


とりあえずここまではいい・・・いやよくもないんだけどね

きっと昨日のバトルを見て腕試ししたくなったのはなんとなく予想できる、いきなりだったけど僕も外見が男っぽいからと男として戦ったらまさかの女の子だったということが問題だ!!

女性に本気でしかも至近距離で胸に・・・いや拳を決めるなんて男としてダメだろと頭をかかえる

どうしたもんかな・・昨日のバトルの事は知っているみたいだし、同じ能力者だしやっぱり桜さんや神子さんに相談するべきかと悩んでると携帯の着信音が鳴り響く


画面を見ると桜さんからだ

多分予定の時間になっても僕がビッグサイトにこないから心配になってかけてきたんだろう

とりあえず状況を報告しなきゃ電話に出ることにする


「もしもし!桜さんすみません!!遅れてるのに連絡しなくて本当にごめんなさい!!!」


相手も目の前にいないのにお辞儀をするもうこれは人間の反射行動だよね

わかる人にはわかる行動だ

電話に出てすぐ謝るすると


「あっ賭くん大丈夫だよ~むしろ安心したよ~電話に出れたって事は無事に彼女に勝てたって事だよね!よかったよかった」


「はい!無事に勝つことが出来てでもどうしようかと・・・・」


ん・・・今そのまま答えちゃったけど、聞き捨てならない言葉を聞いたぞ

確かめなくてはならないよな・・・


「いや~~~ほんとに大変でもう身体ボロボロなんですよほぼ致命傷になりかねないですよ」


「えっ彼女そんなに本気で攻撃したの!?」


あっこれはやっぱりだ・・・今の言葉で確信した。


「冗談ですよ桜さん」


「冗談なの!?もう心配しちゃったじゃない!!」


かまをかけるためとは言え少し心配させたのは心痛いが本題に入るか


「それで桜さん」


「どうしたの?賭くん」


「なんで僕が戦ったって知っているんですかね?今どこにいるんですか??」


その言葉を聞き察したのか電話越しに焦りだす桜さん

そして誰かと相談しているようだ


「えっ・・いや・・あっ何急に!ビッビグサイト前に決まっているじゃない!それに遅いから敵に襲われたのかなと・・・」


明らかに動揺しているのがわかる・・・

もうこの際はっきりぶつけようそう思い率直に聞いた


「敵に襲われてるかも・・・そうですかでは、百歩譲って勘だとしてもなぜ!!!女の子と戦っていたとなんでしってるんですか!!?さあ!!答えてもらいましょうか!!!」


口調強めに威圧感たっぷりの声で電話越しに言う


「その・・・その・・・すみませんでしたあああああ!!!!」


やっぱり・・・なんか知っているんだなと呆れた


「で!今どこにいるんですか?」


「池袋駅の外で人飛ばしの結界張ってます・・・・天照様の命令で・・・」


人飛ばしって・・・もう何でもありかよ・・・

はぁ・・・とため息をついた

人飛ばしというものが何なのかはわからないが、つまりこの人が一切来ない状況を作り出したのはあの2人だったのだ。

なんでこんなことをしたか知らないが、とりあえずこの状況をどうにかしてもらわないと困る


「じゃあ神子さんこっちに来させてください・・・あとで2人にはどういうことか説明してもらいますからね」


「はい・・・・」


電話越しに落ち込んでるのがなぜだかわかる、少し口調つよすぎたかな?と思ったりもした。

その1、2分後桜さんと神子さんの姿で天照様が来た。

最初現れた時は、少しビクビクしていたが目の前の光景をみて桜さんと神子さんは唖然としていた・・・多分予想してなかったんだろうな気絶させてしまうくらいに倒してしまうなんて

慌てて神子さんは倒れた彼女の治療に入った。


「はぁ・・まさか気絶させちゃうとは思わなかったよ・・・彼女には途中で正体明かす様に言っておいたのに・・気絶させちゃね・・」


おい!なんか僕が悪いみたいになってるけど、ほぼあんた達がなんも言わなかったからだよな?僕にも非があるかもしれないが棚に上げんなよと言う目で見ると汗をすごい流してる


「とっとりあえず訳はビッグサイトに着いてから話そうか・・・・桜ももう結界外していいから・・・じゃあ・・瞬間移動するから離れないでね」


そういうと周りが光だし一瞬で池袋駅からビッグサイトの中にある一室に移動した。

一瞬驚いたが、神様ならこれくらい出来ても不思議ではないかとなり、二人を見る。


「どっどう説明するべきだろうか・・・桜」


「えっと・・ここは正直に話した方が逆鱗にふれないのでは?」


「しかし!もしそれでも逆鱗にふれたら?」


「じゃあ天照様何かいい言い訳あるんですか?」


などとひそひそ話をしているつもりなのだろうが、普通に内容ダダ漏れである。

自分が倒した相手が何者なのかとりあえず早く知りたいので足で地面をバン!と鳴らすと2人してビクンと跳ねて振り返る。

恐る恐る桜さんが喋りだす。


「えっと賭くん・・・今回の事はそのえっと・・・賭くんの為にも必要だったことで・・・」

と言い訳をし始めた、僕に必要だったこと?と少し首をかしげたがそのまま話を聞くことにした。


「そうだとも!!!ほら!昨日言った通り、いつ敵がくるかわからないから朝からすぐ戦うための訓練になるかもとですねはい・・・」


神子さんが話を繋いでいく、2人して正座しているのはきっと自分が鬼のような笑顔を見せているからなんだろうなとわかっていたが直すつもりはない!

確かにすぐ戦えるようにするのは大事である、しかしいきなり昨日の今日でやることではないだろうと思いながら聞く。


「えっと・・・彼女についてだが・・私の血を体内に入れた同じメーカー使いで君や桜より前に覚醒した子らしくてな・・・昨日君たちと別れた後バトルを挑まれたんだ、まぁ返り討ちにしたけれど・・・」


そりゃあそうだ・・オリジナルの神様が血を偶然分けた人間に負けたんじゃ話にならないよな、むしろそうなったら恥ずかしいどころじゃないよな。


「それで???どうしたんです???」と僕が喋ると更に背筋をぴしっと立てた。


「はい!!事情を聞いたら昨日の事もしっかり覚えてるようだったのでえっとそれで腕試しがしっかりしたいとのことで・・・その・・君の為にもと早朝バトル計画をすぐ立案しまして・・・・はい・・」


そういってすぐに委縮した。


「なるほど・・つまり!!何も知らなかったのは僕だけと!!!まあ特訓だから知らされないのは当然でしょうがにしてもいきなりは酷すぎませんか?こちらは昨日の疲れ反動が残っているというのに・・まぁおかしいとは少し感じましたがね・・身体が痛いのが駅近くに来たら急に緩和されたので」


確かに朝まで筋肉痛で痛かったのが池袋駅に入ったあたりから少なからず治ったような気がしていたが気のせいではなく天照が近くにいることで回復力が少しあがっていたのだ。

その事がわかったのは2人が近くにいると聞いてからだがね


まぁ自分の事を考えてくれた為とはいえ頭が痛い・・・と髪をくしゃっとすると

「いてててて」と倒れていた子が目を覚ました。


「あっ起きた起きた!大丈夫??ごめんね~賭くんが本気出しちゃったみたいで~」


この神様今全力で自分の責任を僕に押しつけやがった・・・・

こんな人が日本の最高神の1人なんて何か間違ってるよな、そう思いながら神子さんを見るとこちらの視線に気づいたらしくすぐに目をそらし目を見ないように話を続けた。


「あっえっと・・・とりあえずまだ賭くんには自己紹介してないよね?こちら・・・」


「あっ大丈夫です自分でいいますので」

そういって神子さんが言おうとしたのを止めた


「あらそう??じゃあよろしくね」


「はい!賭さん先程はいきなり勝負をしかけてすみませんでした!自己紹介させてもらいますね。俺の名前は「絵心光えごころひかる」16歳です。能力は先程見せたように絵を描くものを実体化させる能力です。天照様が言うには能力名は、「絵を実現させるアートリアリゼーションメーカー」だそうです。」


なんと高校生だったか・・小さいからてっきり・・・能力名はまぁなんとなく当たっていたので驚きはしないが女の子が「俺」って言葉づかいしてることにも少し驚きを隠せないがまぁ気にしないであげた方がいいかな?と思っていると


「すみません・・あんないきなり勝負しかけて、でも本気で向かってきてくれてありがとうございました。というか、賭さん俺を倒すまで男と戦っていると思ってましたよね?」


「あっえっと・・・はい・・・男と思ってぶっ飛ばしてしまい・・・本当にすみませんでした!!!」

図星を突かれて深々と頭を下げる


「いえ!!謝っていただかなくていいんですよ!!俺って・・・あの・・そろそろ口調直してもいいですか??」


「あぁっそうだったねすまないわざわざ男みたいに喋ってもらってありがとう」


ん?口調を変える?何のことだ?不思議そうに首をかしげた


「えっとほんとは俺じゃなくて私っていつもは言うんですが、その私って言ったらすぐ女の子とばれて賭さんが戦わなくなるんじゃないかっていう事で天照様に変えるようにお願いされていたんです。私自身もそれが嫌だったんで・・昔から剣道とかやっていたんですけど、いつも女だからってなめられてかっかて来られるんで嫌だったんです。だから、髪も短くしてるんで言葉づかい変えていたんです。」


と嬉しそうに笑って答えてくれた。


ああ・・なるほど道理であんなに剣さばきが綺麗で熟練された剣戟だったわけかと納得した。

確かに、戦うんだったら本気で戦ってほしいもんなとも思ったが少し反省してほしい人もいたので


「ふ~~~~~んそうなんだ~~~~神子いや!天照様がね~~~~~~~」


じ~~~~っと見る視線に神子さんはすごい震えていた。


「そのおかげで賭さんの本気も見せてもらえましたし!何より新しい力も見せてもらえたんで私はまんぞくしました。」


「あっそういう事・・ならいいか」

とあっさり返事を光に返す


「はい!それでいいんです!天照様から事情もこの能力の経緯も聞いてます!なので賭さんこれからどうかよろしくお願いしますね!!」

笑顔で手を前に出してきたので

「あぁ!!これからよろしく頼むな!!」

と握手を交わした。


それを見て先程まで震えていた神子さんはホッと胸をなでおろしていた。



さて・・とようやく落ち着いたんで辺りを見回すと見覚えがある部屋だった。

窓際に行くと下にはもう何千人の人がもうビッグサイト前に並んでいた。

どうやら見覚えがあった理由は、ここがコスプレ更衣室の何個かある部屋の一つで昨日チラッと見たような気がしたからだ。

まだ人が居ないから大丈夫だがもし瞬間移動した場所が人が居るとこだったら大騒ぎだったことは間違いないだろう。

チラッと後ろを見ると自分を置いて3人は楽しそうに会話し始めていた。


2日目は朝から頭痛い事が連続しているせいで、もう結構消耗してしまってる

朝からこんな調子で大丈夫だろうかと思いつつ今から始まるコミケ2日目に不安しかなかったのだった。




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