表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二次元の力はこの手の中に!!!  作者: 神咲 勇気
第二章 二日目の激動
17/96

第16 能力者

キィン!!カキン!!!キン!!!!キィンンン!!

池袋構内に響き渡る剣と剣がぶつかり合う金属音

「くっ!!!!」相手の剣を弾き返して距離を取る。

目の前には剣を持ち余裕のある顔をして仁王立ちしている子が居る。

昨日、能力が覚醒したばかりの自分よりはるかに熟練された技で、ことごとく剣を弾き返されて子ども扱いである。

その子は凄いニヤニヤしながら語ってきた。


「お兄さんさぁ~まだまだ甘いとこ沢山だけれど、切れはなかなかだねぇそして面白い力だよねぇ。どう?どう?俺の力!お兄さんのとは違うけれど俺のも面白い力でしょ?」


目の前に居る子は、口元から見える八重歯がわかるくらいに楽しそうに語りかけてくる、わかることはただ一つ・・・そう目の前に居る子も能力者つまりメーカー使いの1人なのである・・・・





話は遡り約一時間半ほど前・・・・


(ダダダーン!!♪ダダダーン!!!♪)

けたたましく鳴り響く音楽が鳴り続ける。


「ん・・・」


机に置いてるそれを取ろうと寝ながら机をバンバンする、ようやく手に取ることが出来音楽を止めて目を覚ます。

音楽を止めた携帯を見ると、画面にはAM3時30分と表示されていた。

3時・3時15分・3時30分とセットしていたので二回ほど止めたのだろう。

寝ぼけながら伸びをしてしっかり頭をしゃんとしようとするすると・・・・


「いたっ痛い!!!痛い!!!いたたたたた!!!何これ!?すげええ!!身体痛いんだけど!?」


身体中が筋肉痛で激痛が走ったのだ。

それは今までに体験したことないくらいに痛かったので目が自然と覚めた。

布団の中で軽く悶えながら昨日合った事を思い出す。

それを考えると筋肉痛しない方が不思議ではあるのだが、昨日別れ際に神子さんに言われたことがあった。


「あっ!!!賭くんその・・・今は私が近くにいるからいいんだけど・・家帰ったら寝て起きたら少し覚悟しておいてほしいの・・神カード使った副作用に・・・・」


って確か言っていたが・・まさかこれのことか・・

身体中に激痛が走りながらも軽くその場で柔軟をする、痛いけれどやらないよりはましだからである。

少し身体を伸ばしたことにより、身体が楽になったのを感じ起き上がりカーテンを開けると外はまだ暗かった。

それはそうだろう、まだお日様が顔を出すにはまだ少し早い時間だ。

少し時間はくったが時計を確認すると、時間はAM4時を指していた。


「いかん!!早く支度してでないとっていてててて・・・」


まだ正直痛いのだがそんな事も言っていられない、何故なら今日はコミケ二日目やはり朝から行動を起こさないと後々大変になるからだ。

まぁ・・・昨日みたいにジェノサイド達が襲ってくるかもしれないってのもあったりはするんだが・・・それよりはこれが一番強い思い。


[早い時間にいけばコミケを長い時間楽しめるから]


そう考えながら顔をパシッと両手で叩いて気合を入れた。


「よし!!!行動開始だ!!!」


そういって洗面台へ行き顔を洗い歯磨きをする。

ご飯を食べてもいないのに歯磨きをするのに疑問を持つ人も居るだろうが、実は朝起きた時の口内は菌が繁殖している為朝一番にやった方がいいのである。

そうすることによって、風邪予防や病気の予防になると本に書いていたのでそれを毎日実践している。

その効果なのか、昔より風邪を引かなくなってるのは事実だ。


手早く歯磨きを終え、前日買っておいた食パンにハチミツを塗り二枚食べる。

ハチミツも栄養素が結構いいので重宝している食材の一つである。

ココアも豆乳で作ったりと健康には結構気を使っているのだが、さすがに筋肉痛に効く対策などはしていなかった。

朝食を取り終え、着替えを始める黒いパンツに白いTシャツを着て上から赤い上着を着けて準備は完了。

荷物のチェックも終えて家の戸締りもしっかりした。


「よし!!!二日目!!今日も楽しんできます!!!」


誰も居ない部屋にそういってドアを閉めて鍵をかける。

寂しいやつだと思うかもしれないがこれにもしっかりとした理由がある。

一人暮らしだと空き巣などに部屋を狙われたりするらしいので、他にも誰かいるって事を勘違いさせる為に、こうやって誰も居ない部屋に声をかけて出ることは防犯対策になるという。

本当に本の知識とかニュースの知識ばかりだが結構役に立っている。


外に出ると涼しい風が頬を撫でる。

夏の朝だけど何故か少し寒かった。

今日は、音楽プレイヤーにイヤフォンに指し音楽を聞きながら歩く。

聞く曲はもちろんアニメソング。

流れてくる曲のおかげで身体に力が戻ってきて、気のせいかもしれないけど筋肉痛も緩和されてる気がする。

やっぱり、音楽の力って凄いと感じる瞬間である。

そう思いながら、今日のコミケに心躍り歩いていると不思議なことに気づいた。


「あれ??なんか歩いている人いなくないか?」


確かにこの時間帯昨日なら一日目のコミケに向かって歩く人が数名はチラホラ見てとれたはずなのにそれが全くいないのである。

不思議に思ったりはしたが、まだ早朝だし二日目だからゆっくり行く人が多いのかな?と思いながら池袋駅に向かって歩を進めた。



池袋駅に着くと階段を下りて構内にはいる、すると異様さに気づいく。

人の気配がしないのだ。

昨日は確かにまばらではあったが確かに誰かしら歩いていた。

なのに、今入った池袋駅の中には誰もいないのだ。


おかしい・・そう感じ神子さん達に連絡を取ろうと携帯を見るすると・・・


「なっ!!なんで!?」


携帯のアンテナマークのところが圏外となっている。

ありえない、池袋でこんな圏外になるなんてありえるはずがないのだ。

朝はしっかり使うことが出来ていた、なら故障ではないことは確か。

するとどこからともなく声がした。


「おにいさん!!!」

といきなり人が現れたのである。


「うおおお!!!」


そう叫んで驚き背後から声をかけた人から離れた。

さっきまで確かにそこには誰もいなかった、それに人の気配なんてしなかったのにそこに居た。

でも、少し安心してしまった。なぜなら、人が居たって事はやっぱり何か自分の勘違いだったのだろうと思えたからだ、それに携帯を見るとアンテナも三本に戻っていた。

それから少し落ち着き声をかけてくれた少年に目を向ける。


少年は少し驚いた顔をしていた、いやむしろこっちが驚かされた立場なのだからお互い様かと思いながらも


「おっ驚かせてごめんね!いきなり声をかけられたもんでついね」


初めて会った子だから少し口調が変だったかもだが、まぁ大丈夫だろう。

そういうと少年はお辞儀をしてきた。


「いえ!!俺の方こそいきなりお声をかけてすみませんでした。まさかあんなに驚かれるとは思っていなかったので」丁寧な口調で返してくれた。


よくみると身長約150センチくらいの中学生くらいの男の子だった。

礼儀正しくされこちらこそとお辞儀をした。

なんか不思議な子だなと感じたが悪そうな雰囲気はしなかった。

やっぱさっき携帯が圏外になったのは偶然で、人が居なかったのも自分の勘違いだったのかなと頭を掻いていると


「ねぇ・・・賭さん今は1人なんですか??」


「あぁ僕は1人だけど・・・・」


ん?なんで名前知ってるんだ?

僕この子に名前教えたかなと疑問に思い尋ねることにした


「なぁ・・・僕君に自己紹介したっけ??」


「あはっつい口が滑っちゃった。」とニシシと笑った


その瞬間すぐに距離を取る。

あぁ・・これって、アニメで言う定番のあれだよね?急に話しかけた子はなにかあるってやつと思いカードが入ってるポケットを触りカード取り出す。


「あ~昨日使っていたカードですよねそれ!!!それを使ってアーサーの格好して変な人達と戦っていたんですよね?あれは中々かっこよかったですよ」と目をキラキラさせながら話す。


(そうか・・昨日の戦いを見ていたのかならもしかしたら、どこかで僕の名前を聞いて・・・ちょっと待て・・そもそもなんでこの子は昨日の事を覚えてるんだ?あそこに居た人達の記憶は桜さん達の技で消されているはずじゃ・・・)


カードに触れながら考えてると目の前にいる子は腕を組みながらにやりと笑い


「なんでって顔してますね、なんでこの子は昨日の事を覚えてるんだってね答えは簡単ですよ。昨日あの2人が放った技を俺は受けてないからですよ。」


「どういうことだい?あの技は完全にビッグサイトを覆ってあの場に居る僕とあの2人以外は受けたはずだ、なのに受けていないってのは?」


当然の疑問だ、もしかしたら単に2人のミスで技が失敗したって事もあり得るかもしれないだが、ニュースにもなってなかったしむしろ確認もした大丈夫なはずだった、だが目の前にいる子はしっかりと昨日の事を覚えている、これはゆゆしき事態だそう考えてるとおもむろに目の前にいる子は紙と筆を取り出した。


「どうやってってこうやって避けたんだよ」


問いに答えるように何やら紙にサラサラと何かを描いていく。

何を描いているんだ?と思いじーっと見ながら待っていると少年は1、2分もしないうちに何かを描き上げそれを見せた。

どうやら剣を描いたらしい、しかしこれが2人の技を受けなかったのと何が関係あるのだろうかまた不思議そうにしているとニヤッと笑い紙に手を当てた。


「開け!!!俺の力!!!絵に宿る力秘められし思いに答えたまえ!!!絵の魔術!!!(アートマジック)」


そう唱えると紙に描いていたはずの絵の剣を目の前に具現化させて出した。


「これでわかったかな?この技であの技をやぶったんだよ」とニッと笑った。


正直驚いた、そして同時にやばいと思いカードを額に当てた。

昨日より慣れたのかわからないが、イメージが早くできた。


「我、夢見間 賭が願う!!!夢の間!!夢見る間!!!ひとときの瞬間我に力を!!!世界を守る!二次元を守る力を貸したまえ!!!永遠の想像インフィニティイマジネーションダウンロード!!!」

唱えるとカードが昨日の様に虹色に光を放ち賭を包む。

アーサーに変身すると目の前をキリッと見る。


「あはっアーサーだ!!俺の他にもこんな能力使う人が居たんだ!!!それじゃあ!!!いっくよ~!!」と突進してきたのだった。



そして冒頭に戻る。




彼は楽しんでいる、初めて自分のような能力を持った相手が目の前に居るという事に自分がやりたかったであろう戦いができていることに、それは表情から伺えた。

必死に相手の攻撃を受け流す。

明らかにこの力の使い方は覚醒して間もないものではない、熟練されたものであることがわかるだからこそ避けることしかできない受けることしかできない。

それもあるが、むしろ攻撃をさせてくれる隙もないし、それに攻撃したら怪我をさせてしまうと思うと中々手が出せないでいる。

たぶんだが、あの絵の魔術!!!(アートマジック)って技は他にも描けば沢山現実に取り出せるのだろうが、彼は剣一本のみ取り出して防具をつけていないのだ。

そんな相手に攻撃して打ち所が悪かったら死を招くそれをなんとしても避けないといけない。

そう考えながら受けていると彼はしゃべり始めた。


「どうしたの?どうしたの!?打ち込んできなよ!!ほらほら!!」


まるで死を望んでいるようなやり方だ、まるで切ってくれと言っているような戦い方だ。

もしかしたら、死にたいのか?あるいは余程の自信があるかである。

このままじゃらちが明かない・・・そう思いカードを見る。


「一か八かであのキャラを・・・ダウンロードしてみるか・・・」


そう考え距離を取る。

相手も何かを感じその場に止まる。

表情はとてもわくわくしている感じだ。


今その表情を変えてやる!


そう思いながらも変身を解きカードを取り出し目の前にかざす。


「覚悟しろ!!君を戦闘不能にする!」


そう宣言すると相手も構え「いいぜ!!!こい!!」と挑発してきた。

スーッと息を吸い込み唱える


「我、夢見間 賭が願う!!!夢の間!!夢見る間!!!ひとときの瞬間我に力を!!!世界を守る!二次元を守る力を貸したまえ!!!永遠の想像インフィニティイマジネーションダウンロード!!!」


BGMが自分の中に流れ込んでくるのを感じる。アーサーの時とは違うBGM

今はこの力に賭ける!


変身が終わり賭を包んでいた光が消え目の前に変身した賭が現れた。

その姿は、短髪の赤い髪、腕には金に光るグローブ、首には白いマフラーを着け洋服は動きやすそうな鎧を着けていた、そして足には金に光る靴。


「その姿は!?まさか!!!ガンアーツブレッドの!?」


「そう!ガンアーツブレッドの太陽 たいようけんだ!!わかっているなら話は早いいくぞ!!」


一瞬で少年との距離を詰めた。

そして顔面にパンチをくりだすが、相手もそれに対応して避ける。

そう、ガンアーツブレッドの太陽 拳は名前の通り拳で戦うキャラクターで神速で動き放つ拳は太陽のごとく輝きを放つ主人公キャラで剣を持つ敵には真正面から戦いにいくのだ。


このキャラの事を相手は知っていたようで、すぐに対応して距離を取ろうとするがすぐに追いつかれる。

何故かと言うとそう、下に履いている靴せいである。

実はこの靴にはブースト機能が付いており足にかける力を数倍にあげることが出来るという設定なので少しの力で動くことが出来る。

だから、こちら側の負担が少なくて済むのだ。


「おらああ!!!さっきの楽しそうな表情はどうしたああああ!!!!」


豪快にラッシュをかけていく。

今度は相手が防戦一方だった。

「くっ」と声が漏れるのが聞こえる、予想した通りだった彼は接近戦が得意ではないのだ。

同じ土俵で戦おうとするから苦戦したが違うものならと考え拳のカードに変えたのは正解だったようだ。


拳のラッシュを剣で受けていたが徐々にさばききれなくなっていく。

ここだ!!!そう思い相手が剣で防御しようとした瞬間剣をはじくそして、懐に入った。


「これで!!!終わりだあああああああ!!!ハートバースト!!!」


と心臓に手を振れた瞬間違和感を感じた。

むにっという感触だ・・・・


ん・・この感触ってまさか・・・・

そう思いながらも綺麗に拳が決まり吹っ飛ばしてしまった・・・・


「きゃっ!!!!」


という声とともに地面に倒れる

嫌な予感がまたした・・・このパターンていや・・まさかなと倒れた相手をみると

服が少し破れちょっと胸が見えた。

そう彼いや彼女は・・・




「おんなああああああああああああああああああ!?」




そう・・女だったのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ