第11 仲間
目の前で起きたことが信じられなかった。
それはそうである、ジェノサイドによって圧縮されたエネルギーが当たりそうな寸前、自分を守って救ってくれたのは人物は逃がしたはずの桜さんだったのだから。
さらに、その圧縮されたエネルギーを防御するのではなく、ぶん殴ってジェノサイドに打ち返したのだから驚かない方が無理である。
「いや~~ごめんね賭くん、少し遅くなっちゃった。」
笑いながら話しかけてきた
口を金魚のようにパクパクしていると上空から大きな声が聞こえた。
「桜!!!!遅いじゃない!!!あんた一体結界張るのに何分かかってるのよ!!!しかも!!!防御の力使って攻撃するなって言ってるじゃない!!!」
と上空から天照が凄い怒っていた。
「え~いいじゃないですか~遅れたおかげで賭くん助けることが出来たんですから感謝してほしいくらいですよ。」
桜さんが答えると、天照は少し悔しそうな顔をしていた。
置いてきぼりの自分を見て桜さんが笑いながら話しかけてきた。
「賭くん驚いていると思うけれど、私も天照様に覚醒させてもらった1人なの、能力は結界と防御の力よ改めてよろしくね。」と言う。
自分は少し戸惑いながらも頷いた。
まず自分以外にも天照に覚醒?させてもらった人が居ることも驚きではあるがそれがまさか今日偶然出会った桜さんって事にも戸惑いを隠せなかった。
だけど、わかったことが二つあるのは自分が助けられたことと、仲間が他にもいたという事だ。
少し混乱しているが、自分の顔を手のひらでぺしぺし叩いて気を持ち直した。
「ありがとう桜さん、もうダメかと思ったけど助かりました。いきなりの事でいろいろまだわかりませんがでも仲間だって事はわかるんで十分です。」
自分が言うと桜さんもうんうんと笑顔で頷いてくれた。
「でも遅くなってごめんね。本当は、私がすぐに出て戦うべきだったんだろうけど賭くん子どもを守ろうとしたり、私を逃がそうとしてくれたからタイミング逃しちゃって、それに天照様が出て来たから大丈夫だろうと思ってたから結界を張るのに専念していたのよ。」
結界を指さして遅くなった理由を軽く説明してくれた。
なるほど、このビッグサイトを覆っている結界は桜さんがやってくれていたもので天照の物ではなかったのかと納得した。
同時に上空の天照をジト目で見ると何もやってなかったのがばれたと目線をそらした。
はぁ・・と少しため息をついたが息を吸い込んで立ち上がった。
同時にジェノサイドがしゃべりだした。
「あの圧縮エネルギーを・・・どうやった・・あれは防御不能なレベルにまで達していたのだぞそれをどうやって打ち返した。それに結界に当たらず消滅した答えろ人間」
確かにそうだ、先程桜さんが少し話してくれたが桜さんの能力は「結界と防御」どうやっても攻撃などには向かないものである。
すると桜さんはジェノサイドにむかって腕を突きだした。
「なら!くらってみる?」
そう言い放った一瞬で自分の前に居た桜さんが消えジェノサイドの上に現れて拳を振り下ろしていた。
ジェノサイドが攻撃をくらい上空から落ち地面に突き刺さり瓦礫に潰された。
あまりにも一瞬だった為、自分、アヌビス、ネクタルは驚いていたが天照はやれやれと呆れ顔で髪をくしゃくしゃとしていた。
何が起こったかわからなかったがジェノサイドをぶん殴ったのは確かである。
ふぅと息をひとはきする桜さんをよく見ると、手に赤い手袋をしその周りには透明な光が見えた。
「なるほどな・・・手に防御結界を張りそれで攻撃したということか。一瞬だけならあの圧縮エネルギーに振れてもダメージはないからな。」
ジェノサイドが瓦礫の中から出てきながら言った。
なるほど、防御するのはできないが確かにそれなら打ち返すことはできる、防御の力の応用編と言ったところであろう。
しかし、それをやってのけるとは桜さんはいったいどんな感覚してるんだろう。
あんな優しそうな人がこんな力技するなんてと少し驚いた。
瓦礫から出て来たジェノサイドは無傷で鎧についた汚れを手で払っていた。
それを見て、「ありゃ、無傷なのねあの人」と桜さんが驚いていると天照が桜さんの頭を平手撃ちをした。
「当たり前でしょ!!私と互角それ以上の相手に不意打ちの攻撃が通じるわけないでしょ!それに何度言ってるの!防御の力を攻撃に使うなって!」
「なにするんですか!痛いじゃないですか!自分の能力をどう使おうと私の勝手じゃないですか!それに!!攻撃は最大の防御ともいいますから間違いじゃないんですよ!!」
「あなたそれは屁理屈と言うんです!!」
「屁理屈でもなんでも!戦えてるんですからいいじゃないですか!!」
と上空で喧嘩をはじめた。
この凄い状況なのに喧嘩してる余裕あるんだと少し呆れながら見ていると、ジェノサイドがゆっくりと上空に飛びあがっていく。
それに気づき二人はジェノサイドを見ながら戦闘姿勢をとる。
パチパチパチとジェノサイドは手をたたいた。
「称賛しよう。君の能力は素晴らしいものだな、応用力もたいしたものだ、それに傷は与えられなかったが私に一撃加えるとはなかなかだ。」
「それはどうも、お褒め頂きありがとうございます。傷を与えられないことはこちらとしてはショックなんですがね!!」
そう言いながら桜さんは拳を降り出したがジェノサイドは一瞬で桜さん達の後ろに立っていた。
「攻撃の筋もいいだが、気を抜かなければどうということもない。」
ジェノサイドが言うとまたみなに寒気が走った。
つまり桜さんの攻撃をくらったのはワザとだったという事だ。
レベルが違う自分も桜さんも一瞬でわかった。
だが、目の前にいるこいつを倒さないといけないというのも事実。
自分達の絶望を感じたのかジェノサイドはクハハハハと笑い出した。
「よくわかったか、人間お前らでは我は止められん!!大人しくやられて二次元が無くなるのを見るがよい!!!」
桜さんに攻撃しようとした瞬間、天照が桜さんを一瞬で抱え地上に降りた。
「ふむ、距離を取ったか賢明な判断だな天照大御神、だが代償に貴様自身がが攻撃をくらったか」
ジェノサイドがニヤリと笑う見ると天照はひどい傷を負っていた。
「天照様!!!」
「天照さん!!!」
2人は同時に叫んだ。
「慌てるな!!これくらい何とでもない!!と言いたいところなんだけど、少しやばいかしら・・」
立ち上がりながら片腕を押さえている。
血が止まらずに流れてきている、これは危険な状況だとわかったがどうすることもできない、桜さんと2人で絶望していると天照が言う。
「あまり無理させたくなかったんだけど・・・私もこんな状況だし、賭くん私が渡したカードの中に神のカードあったわよね?あれ出して」
こんな状況で何言ってるんだろうと思いながらもカードを取り出した。
「賭くん・・少し無茶することになるけどいいかしら?このカードを使って私と合体してほしいの、大丈夫戦いが終わったら元に戻るから心配しないで傷も回復するわ」
いきなりの提案に少し戸惑ったが、アニメや漫画ではこういう状況は逆転できる展開だと思って頷いた。
天照はニコッと微笑み今度は桜さんを見た。
「桜、この状況を打開できるのはあなたの力が必要です。私と賭くんが合体するまでの時間稼ぎをしてほしいの・・・大丈夫かしら?」
天照が問うと桜さんが答えた。
「わかりました。こうなったのは私のせいでもあります。だから!今度は絶対守ります!」
そう言って涙をぬぐってジェノサイドの方をキリッと見た。
「ほう・・まだ戦う気か?何をする気かわからんが止めさせてもらうぞ」
上空から降りて来ようとすると桜さんが突っ込んでいった。
「させるかあああああああ!!!!」
とジェノサイドに殴りかかるが防がれる。
ジェノサイドも反撃するが桜さんはすぐに防御の力でそれを防いだ。
お互い先の先を読んで攻防を繰り返す。
先程は気づかなかったが、桜さんは結界の力を使って足も強化してるようで飛んだりスピードが速くなっていたようだ。
感心して見ていると天照が言う。
「しっかりこっちに集中しなさい・・・まずやることはアーサーに変身したやり方と一緒よただ違うのは・・・」
「違うのは??」
と問うと天照は恥ずかしそうに顔を赤面させながら言う。
「わたしと・・・・その・・・・」
「早く言ってください!!!じゃないと桜さんが・・・」
せかすと天照は恥ずかしがりながら
「わたしとキスをするの!!!!」と言った。
????なんて言いましたか?
言っている意味がわかりませんがキス?
天照さんと?と天照を見ると凄く恥ずかしそうにしている。
いやいや待て待て!確かにアニメではよくある話だけど?だがこれはアニメではない!現実なんだぞしかも、相手は美人な神様って・・と戸惑っていると「きゃあ」と言う声が聞こえ振り向くと桜さんがピンチに陥っていた。
恥ずかしがってる場合じゃない、やるしかないんだと天照を見ると天照も頷いてくれた。
カードを取り額に当てた。
イメージするのは、天照と合体した時の服装など武器や攻撃方法などを考えた、自分の想像がこの戦いを左右するかもしれない心臓が高鳴るすると天照の身体が光りだした。
「何が起きているかわからんがさせん!!!」
それを見たジェノサイドが攻撃を仕掛けるが桜さんが、力を振り絞り防いだ。
「いっけ~~~~~」
大きな声で桜さんが叫ぶ。
「我、夢見間 賭が願う!!!夢の間!!夢見る間!!!ひとときの瞬間我に力を!!!世界を守る!二次元を守る力、神と一体になる力を貸したまえ!!!神の想像ダウンロード!!!」
詠唱を唱え終わり天照とキスをすると同時に光が周りを包んだ。
先程アーサーに変身した時とは違うBGMが聞こえる、それに天照の温かいぬくもりに抱かれるような感覚。
とても心地よく、とても穏やかな気持ちになるのを感じる。
身体の傷が癒えていき体力も回復していく。
そして、光がやむとそこには燃え盛る片手剣、白と黒が綺麗に混ざった鎧、綺麗な純白の羽、目の色は黒で髪はロングの賭が立っていた。




