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幻想世界のガンスリンガー  作者: 名無しの森
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第一話 目覚めと幼子

今回は、少しばかり頑張ったので文字数増えました。未だに、なろうのシステムと投稿に使っているタブレットに慣れないので執筆は遅いわ一回、話を書き上げたのにミスって消してしまい心が折れそうに…


ーーー暖かい。まるで、湯船に浸かっているかの様な心地好さだ。

身体が何か柔らかい物で包まれていて、身動ぎしても身体にフィットする。

嗚呼、これは俺が最近買った「人をヘニョらせるクッション(特大サイズ)」だ。

クッションと言いつつ実際は、ベッドと大差無い。


いつもの起床時間は、とっくに過ぎていて起きないとマズイ時間だとは思いつつもこのクッションのまだゆっくりしていけよと言う誘惑を中々断ち切れない。

そんな夢心地の頭で今日の予定を思い返す。


今日は、起きたら日課の馬の世話をしてそれから牧場主達のパーティーに参加−−−


「マズイっ、パーティーの事忘れてたっ!!」


殆ど悲鳴の様な叫びをあげながら俺は飛び起きた。


飛び起きた俺は、冷たい床の感触に顔をしかめる。

−−待て、冷たい床?俺の部屋は勿論の事、家は全部屋カーペットを敷いてあるからそんなことは有り得ない。


寝惚けた頭が覚めて来て現状に気付き愕然とした。

俺が居るのは、いつもの自室では無く全てが真っ白な空間だった。何故、部屋では無く空間と表現したかと言うと答えは簡単だ。

果てが見えないのである。天井も前後左右だだっ広い真っ白な空間が広がっているのだ。


意味が分からない。何でこんな所に居るのか皆目検討がつかない。

しかも、俺はと言うとTシャツにジーンズと言うラフな格好だ。ポケットを探るが財布もケータイも家の鍵すら入って無かった。


俺はその場に座り込むと必死にこの現状に対して答えを見つけようとした。考えられる事を一つ一つ潰していこう。

一つ目は、家族・知人による悪戯。

これは、無い。似た様な事は、以前あったがあの時は起きたら墓地でホッケーマスクを被って鉈を持った奴と赤い三角形の被り物をしてこちらも大きな刃物を持った奴に追いかけられると言う分かりやすい物だ。

あの時は、まだ幼かったので本気で怖かったがこの年で今更そんな物に吃驚するとは思わないだろう。


二つ目は、これは考えたくも無いが事件に巻き込まれた可能性。もっと端的に言えば誘拐だ。

これは、有り得る。貴重品が何一つ無くなってるのがこの可能性を高くする。

しかし、これにも疑問がでる。

普通、誘拐ならばこちらの自由を封じるのが定番だ。確かに、ケータイは無くなっているがそれだけだ。目隠し処か、手足も自由だ。

それに、この非現実的な白い空間が邪魔をする。こんな、場所に閉じ込めるのは非効率だし何よりこんな場所を用意出来るとは思えない。


三つ目は「ねえ、それまだ続きそう?」っ!?


思考の渦に沈み込んでいた俺は、予想だにしなかった背後からの声に変な声をあげながら飛び上がってしまった。


「ごめんごめん。そんなに驚くとは思ってはいたのだけどついね。一寸した出来心なんだ、許してくれるかい?」


そんな笑いを含みながらの謝罪に少しばかりいつもの調子を取り戻しつつ確信犯かよと返しながら声の主の方に振り向いた。


振り向いた俺は再度固まった。

声の調子から子供だとは思っていたがまだ10才を越えるか越えないか位の幼さだった。それに、雪の様な白い肌に同じく白い髪。そして、ルビーの様な紅い瞳。顔立ちも非常に整っていて幼さとソプラノボイスのせいで性別が分からない。

まるで、緻密な芸術品の様で人からかけ離れた何かを感じた。


「どうしたんだい?そんなにまじまじと見つめて。僕の顔に何か付いているかい?」


そう返されて漸く自分が子供に見とれていた事に気付き謝罪をしながら何でも無いと答えた。


「ふふっ、君は変わった人だね」


自分より遥かに年下に君扱いされながら笑われてしまった。

何だか、この子供に遊ばれている様な気がしつつもこの子が何か一つでも情報を持っていないか祈りながら優しく尋ねる。


「オニイサン、君に聞きたい事があるんだけどその前に自己紹介させてくれないかな?オニイサンの名前は「クラウス・乃愛(ノア)・ライゼンデヒ。日系アメリカ人とドイツ人とのクウォーター。両親は健在、三つ上の兄と二つ下の妹がいる三兄弟。現在、両親と妹と同居。職業は、妹と一緒に両親の牧場の手伝い。兄は、ベンチャー企業の若手社長。趣味はロッククライミング・ハンティング等々アウトドア系全般と古書収集。へぇ、只の体力自慢と言う訳では無さそうだ。ガールフレンドとは、三週間前に破局。あはっ、彼女が別の男を好きになったから別れを切り出されたと思っているみたいだけど原因は、夜のスキンシップが激しすぎて彼女が耐えられ無かったのが原因だよ。駄目じゃないか女の子はもっと優しくしてあげないと。享年26歳。そっか、君26歳なんだね。まだ若いのに残念だ。同情位はしてあげるよ」



自己紹介を遮られてしまったのだが、そんな事は問題では無い。

何故、初めて会った子供が自分の事に詳しいのか?家族構成から振られた事まで全て事実だ。

何だか、衝撃の事実まで聞いた様な気がするがそんな事は頭の片隅にすら残らない。


そして、何よりも放って置けないのは最後の言葉。

この子は−−−


「待て待て、待ってくれ。何でそんなに俺の事を詳しく知っているんだ?それに、享年って言うのは亡くなった人に使う言葉だぞ」


思わず普段の口調に戻ってしまう位、俺は動揺していた。

この子が、俺の事を知っていた事を考慮しなくても口から出任せを言う様なタイプでは無いことだけは分かる。

普通なら子供相手にと思うかもしれないが何か深い所から訴え掛ける何かがこの子の言葉は正しいと告げる。



「あれっ?、まだ記憶が混濁している様だね」


そう呟きながらその子は、俺の額に手を当てた。


「一体、何を−−−」

「気を強く持って置かないと大変だよ?」


その瞬間、額に電流を流されたかの様な衝撃が襲い忘れていた事実を思い出す。



そうだ、俺はあの時−−−

さて、謎の子供とエンカウントしましたがプロローグの回収は次話になります。

話を引っ張ってしまってすまない。本当にすまない。

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