究極の選択
今、俺は駅のホームにいる。そして、目の前にはバナナとイチゴとブドウが置かれている。
…とりあえず状況を整理しよう。
つい先程、俺の目の前でこけた老婆の手さげ袋の中身を拾うのを手伝うと、この三つの果物を差し出され、どれか一つを選べと言われたのだ。
えーっと、はい?
え、何?やっぱどれか一つお礼として貰えるとかそういうやつ?
つかなんでこんなにギャラリーいんだよ、群衆の中3つの果物の中から1つをを選ぶ…冷静になっても意味がわからんぞこれ。
とりあえず好物のイチゴをとろうとすると、老婆が言った
「そうそう、この3つの果物は特殊でな、食べたものにそれぞれ違った恩恵をさずけるんじゃ。イチゴは髭剃りが上手くなり、ブドウは爪切りが上手くなり、バナナは歯磨きが上手くなるといった具合にな。一つしかやらんからよーくえらべよ?」
「そういう事は早く言いましょうね!」
つーかなんだよその能力ぶっちゃけどれもいらねー。
ただ1つ選べって言われると…言われると…
くそ、何をこんなに真面目に悩んでるんだ俺は。
どれもどうせいらない能力なんだ。
さっさと選んじゃえよ。
でもどうせ貰えるなら少しでも役に立ちそうなのを…
まず爪切り。
なんだよ爪切り上手くなるって。
意味わかんないよ。
綺麗な形に切れるとかか?うわいらねぇ…
次に歯磨き。
これはまあ実用的といえば実用的か。でも歯磨き上手いってなんか気持ち悪いしなぁ
うーん
そんで髭剃り。
まだそこまで必要じゃないけど将来を考えるとやっぱりこれかな。
結果的に取るのはイチゴで良かったわけか。
イチゴに手を伸ばし、触れる直前で止めた。
待てよ…これ、髭あんま生えなかったらなんも意味無くね…?
あっぶねーイチゴとっちゃうとこだったわ!
なら歯磨きか?爪切りか?いや、やっぱり歯磨きか?
「う〜〜〜〜〜〜〜」
「なんじゃこりゃ!!!!!」
バッと伏せていた顔を上げ叫んだ。
あ、あれ?どこだここ。
教室?
さっきまで駅のホームで…
周りを見渡すと、クラスの全員がこっちを向き笑いをこらえていた。
そうだ。思い出した。
今は数学の授業中だったのだ。
教卓で、先生がニッコリと微笑みかけるのが見えた。
「後で2時間説教と3時間正座どちらがいい?」
「鬼か!」
人生は選択の連続である
byシェイクスピア
どうも、まさかこんな形で4作目を書くとは思ってませんでした。
深夜テンションってこわい。




