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10-2


 作戦開始から五分が経過し、リクはネット回線を復旧させた。

 すぐに、ネネが回線から飛び出して来た。

「大変よ、リク! バボが消えてしまった! 」

 ネネは慌てている。

「なんだって?! 」

「バボとケルベロスが一緒に消えてしまったの! 」

「一緒に消えただって……? 」

 その時、ライアンが「ハネヤマ! 大変デス! 」と声を上げた。「サーバーのアクセスログを確認したら、回線遮断後3分19秒に接続された回線がありマス」

「接続?! まさか? 回線は全て切っていたはず……」

「いいえ、確かに接続されてイマス。これは……衛星通信デス! 」

「衛星通信?! そうか! それがあったか! 迂闊だった。ケルベロスとバボは既にこっちのどこかに戻って来ているに違いない――」

「どこかって……? リク、どこだか分からないの? 」

 ネネはリクに尋ねた。

「プログラムロイドのネット移動は、俺達から見たら『どこでもドア』だ。電波と端末さえあれば、一瞬で地上のどこへでも行ってしまうのだからな――。短時間で場所を特定するのは不可能に近い……」

「じゃあ、どうするのよ! 」

 ネネは焦りを隠せない。ケルベロスの頭の二つは確かに吹き飛ばした。こちらが優勢であったのは間違いない。普通に考えれば、バボの次の一撃で倒せているはずだ。しかし、気がかりなのは消える直前のケルベロスの変化だ。ネネの攻撃を難なくかわし、霧状の物を纏い、眼が怪しげに輝いていた。

「もし、バボがこちらに無事に戻って来ているのなら、必ず連絡があるはずだが――」リクはそう言った後、「ただ……」と付け加えた。

「ケルベロスも戻って来ているという事だな」

「ケルベロスは、きっとバボが倒しているわよ」

「そうだといいんだが……」

「バボ……」

 ネネは祈った。バボの無事を――。



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