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I don't know  作者: 河内音子
6/12

5.5

5.5   side;秀悟


もともと何かあるのかなとは思っていたけど、絵美は両親のことがトラウマになっているらしい。

すぐにとはいかなくても両親と仲直りできると良いと思う。

と、思うのもうちの家族は何の問題もなく、仲が良いせいかもしれないけど。

でもきっと絵美の両親だって気にしているはずだから……。



絵美とデートで水族館に行った時、確かに絵美のお父さんと目が合った。

絵美は姿を見つけて固まってしまったけど、かすかにつぶやいたのが聞こえた。

『パパ』って。

そのときは絵美の具合も悪そうで、とりあえず帰ることにして出口に向かったんだけど、視線を感じてペンギンの水槽の方を振り返った。

どういう関係かは知らなかったけど、何か関係があるのは分かり切ってたし。

そしたらさっき絵美が姿を見て固まったおじさんがこっちを見ていた。

少しびっくりしたように。

そして寂しそうに絵美を見て笑った気がした。

さっきのパパっていうつぶやきと合わせてみてどう考えたって親父さんだろう。

でも絵美の態度からしてもおかしかったし、とにかく帰ることにした。


その後に聞かされた独り暮らしだということと離婚家庭だということ。

前に廊下で見た絵美の顔が頭に浮かんだ。


そして今日聞いた話。

普通に両親は仲が良くて、弟がいて、とにかく普通の家庭で育った俺にとっては想像もできないけど今でも引きずるくらい辛かったんだろう。

でも絵美とおじさん、すれ違ってるんじゃないかなって思った。

所詮ただの俺の考えだけど、水族館でみた限り後悔してるんじゃないか……?

まぁ、俺が色々考えて気にしたところで何も変わらない。

絵美が電話でもして仲直りすることを祈るばかりだ。



それよりも、こういう話を俺に話してくれたことが嬉しい。

不謹慎かもしれないけど。


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