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I don't know  作者: 河内音子
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きっかけ

きっかけ



高2の春

10クラスもあり、生徒数の割と多いうちの学校ではクラス替えのあとは知らないやつばかりになる。

一週間もすれば元のクラスと同様、違和感もなくなるだろうけど。

もともとここは普通の私立高校ではない。

別にそんな授業料が高い訳でもないけど金持ちが多いことで有名だ。

施設や設備が良いと評判だし、小学校から大学までの一環教育だからだろう。

俺は高校からだけど、付属の中学から上がってきたって言うやつがほとんどだ。

……だから真面目で世間知らずの坊ちゃん系の人口も多いし、親の金で遊んでるやつも多い。

たいがいどっちかに分かれるかな……俺んちはまぁ普通のサラリーマンだけど。


結構苦労して入ったこの学校だけど、気の合うやつは少ないしあんまり楽しいと言える生活を送っていた訳じゃなかった。

なんていうかフツー。

けど部活は泉乃って言ったらバスケの強豪だし、仲間も良いやつばっかで充実してる。

だからそれだけで十分だと思ってた。

友達の間で彼女の話とかされても特に興味なかったし、告られてもまたしかり。

そんな俺に転機がやってきた。

この高校に来たのは彼女に出会うためかもなんて思うよーなやばい出会いが。


たまたま移動教室で廊下を歩いてる時に告白されているのを見たのがきっかけ。

確かあれは二年にあがったばかりの頃だった。

付き合って欲しいと言ってきた男に彼女は言い放ったんだ。

『私はあなたのことをよく知らない。あなたも私のことなんて名前と容姿ぐらいしか知らないでしょ? 何で好きだなんていえるの?』

男の方は答えられないで気まずそうにすると、そのまま立ち去っていった。

怖い女だなーと思った。彼女の顔を見るまでは。

彼女はうつむいて悲しそうな顔をしていた。

なんていうのか……寂しそう?

あんな相手を突き放すようなこと言ってるけど、近くにホントはいてほしいんじゃないか。

なぜか彼女をみてそう思った。

それが始まり。


彼女の名前は小池絵美。

それまで気にかけたこともなかったクラスメイト。

だけどそのときから気になって気になって……気づけば目で追うようになっていた。

それと同時に見えてくる彼女の性格。

普通に男子とも話すから男嫌いって訳じゃなさそうだけど、「恋愛なんかしない」が彼女の口癖。

先日のことと合わせてみて、たぶんなんか事情があるんだと思う。

俺も、彼女にいわせると名前と容姿ぐらいしか知らないってことになるのかもしれないけど彼女のことを好きになっていた。

何で? そんなことはわからない。

だけど、彼女が寂しいときに隣にいてほしいと思う人物が自分だったらいいのにと思った。

でも告白したところでどうにかなることなんてひとつもないことは分かり切っている。

俺も振られて、それで終わり。

だから告白なんかできない、伝えることなんかできない。

……彼女には迷惑なだけだろうから。


そんな時、岡本さんに持ちかけられた計画。

……岡本さんには悪いけど、まさかうまくいくとは思ってなかった。

それに自分でも信じられないようなことを言った気がする……。

“俺のこと好きになる”とか。

あの時、絵美を説得することが出来たから言ったことは後悔してない。

全く自信なんてものはかけらも無かったけどね。

全部はったりだったんだけど、かっこわるいから絵美には一生内緒にしておこう。

付き合いだした俺たちだけど、うまくいくかはまだわからない。

もし絵美が俺のこと好きになってくれなくても、俺の気持ちが伝わればいい。

絵美がこの先恋をして幸せになれるように。


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