主人公終了のお知らせ
話が思うように進まん
無茶振りの恐怖に慄く主人公です。
このおっさん達の突撃癖をどうにかしないと自分が死ぬので
どうやって父上と一緒にこの艦から降りようか悩んでいたところでの
ゴースさんからの無茶振り。ま、マジか…
つうか一つの惑星の運命を担う戦略を8歳児に聴くのってどうなの?ねえ?
しかもなんで皆さんめっさ期待した顔でこっち見てくんの?
なんで科学技術はこんなに現実的なのに人の思考回路はファンタジーなわけ?
こ、ここは無難な感じに…
「何らかの方法で相手の目標地点をこの惑星と違う場所に向けて
後ろから急襲するのはどうですか?」
これを言った途端に後悔した。皆そんな汚物を見る目で見ないで!?
『艦長のご友人の息子だと聞いて期待した我々が馬鹿だった…』とか
『全く貴族の風下にも置けない…ファーレンハイト男爵も可哀そうに…』とか
ひそひそ声で言うなよ!
い、胃に穴が空く…8歳で胃潰瘍とか冗談じゃないぞ
流石にゴースさんでも庇いきれないのか完全に僕の
発言を無かった事にして会議を再開していた。
何がいけないんだろ。ここまで戦力差があるなら奇襲が一番じゃね?
当たり前だけれどこの世界の宇宙船は基本的に後方は推進器を設置するしかないから
同時に向けられる砲塔の数が少なく、さらに装甲は薄い。
エンジンが壊れただけでも戦闘不能になることを考えると一番効率がいいはずなんだけどな。
後ろからの奇襲に気付かれて艦を反転させようとしても
その間は袋叩きに出来る。正しくローリスクハイリターンな戦法だと思う。
いや、流石に貴族の誇りなんチャラで却下されたとは信じたくないんだが…
「父上、僕の作戦のどこがいけないのですか?僕が生き延びてこの星の危機を
乗り切るにはこれが一番だと思うのですが。」
お願いだ!僕の作戦に盲点があったと言ってくれ!!
「僕もそう思うんだけどね~やっぱり騎士道精神は重要だと思う人貴族に多いんだよね。
だから後ろから不意打ちなんて嫌なんじゃないか?」
「ま、まさかゴースさんにも突撃癖が…」
艦長までそうだったら退路マジでないんですけど…本当に家族だけ連れて逃げるか?
「いや、彼は平民出身だからそれはないよ。ただ幕僚に手を焼いているみたいだね。
良く見てごらん彼キレそうになっているでしょ。」
あ、確かに…さっきからクルーの意見にうなずいてはいるけど目が全然笑っていない
でもすごいポーカーフェイスだな…言われなければ気付かなかったぞ。
「良く気づきましたね…」
「まあ学校では長い付き合いだったからね」
その友情は凄いと思うがこのままでは確実に破滅なのは変わらない。
考えるんだ僕!灰色の脳細胞よ天啓を!!
あ、僕死んだわ
自分がこんな環境に放り込まれたと考えると…ぞっとしますね




