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共感求ム。  作者: imaginary
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無軌道台風の話。


 私は小学生の頃、近所の住人から分け隔てなく『無軌道台風』と蔑まされていた。理由を述べるなら、それは名の通りアトランダムに各地へ赴いては唖然必須な事件を立て続けに起こす、自分自身でさえ理解しかねない少年だったからである。逆に言えば少年期の私を理解してくれる人がいるなら私はその人が理解できない。


 どんな所業を働かせたかというと、たとえば意味もなく高所から飛び降りて保護者一同を一驚させたり、フェンスの手すりに跳び乗って平均台感覚で遊んだり、華やかなガーデニングが施された人様の庭の花を残酷に摘み取って川に流したりである。


 その悪しき所業の数々のほとんどに意味などなかった。良く言えば好奇心旺盛な少年であるが、悪く言えば馬鹿で阿呆で他人の迷惑をかえりみず、陰湿を極め将来が危ぶまれ、下種で悪趣味で面白みのない少年であった。せめてその好奇心を幼少のころから勉学やスポーツなどに向けていれば、また違った人生を歩んでいたのだろうが、背に腹はかえられない。私は私の過去を負ぶって人生をひた歩くほかないのである。


 そのせいか、私は酷く非難された。祝いの席に置いても邪悪なオーラをまとっている私には誰一人として声を掛けるものはいなかった。


 しかし、そんな大人達から煙たがれていた私でも友達はいた。しかし、健全な生活をおくる彼らにとって私が煙草のヤニのごとく悪影響を及ぼし、愛すべき友人を私色に染めてしまったことは否めない。


 たとえば、私は『冒険』というものが大好きであったので、ある日私はこう言ったことがある。


「冒険するには勇気が必要。みんなでその修行をしよう!」


 その修行は、近所の川辺や自宅付近の給水等などで行われることになった。みんな同学年であるが、仕切る人間が必要だと結論が出たため、言い出しっぺの私が「師匠」として名を残すこととなった。


 修行は勇気を付けるという意向で行われたが、実際は川べりの崖を登ったり、橋の手すりを渡ったりと、レスキュー隊を目指してない限り使用用途のつかめない無謀なことばかりしていた。そこから色々な事件や問題が発生したのだが、それはまた別の機会に執筆することにする。


 そうして、私は小学校時代を見事に易々と棒に振ったのだが、現在でもその不毛な努力を耐え忍ぶ精神力を持ち合わせているのは「無軌道台風」の異名を持ち合わせていた当時の私がいたからだと推測する。


 不毛な努力を耐え忍ぶ精神力など要らないのでは? という質問は受けつけない。私の自尊心への冒涜である。


 辛酸を舐めて舐めて舐めまくり、もはやがぶ飲みまでした私の幼少時代に同感できる人物はいないものかと切に思っている。


 共感求ム。

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