知らぬ間に恋のキューピットの話。
本当に推敲も何もしていない。
ただの、暇つぶしのようである。
まあ、期待が高まってしまった場合は、第一話の冒頭を繰り返し読むことをお勧めするよ。はっはっは。
私の頭上には、ほのかに輝くわっかはないし、背中に翼も生えていない。しかし、まごうことなく恋のキューピットだった時分が存在した。
あれは私が無軌道台風として盛っていた時のことである。私は怠惰広報委員としても名を轟かせていたどうしようもない奴だったが、男友達とは仲が良かった。しかし、対象的に女子には望遠鏡を介さなければお互いの顔も見れないほどに距離を置かれていた。やはりどうしようもない奴だったのである。その理由は『怠惰広報委員の話』や『アンドレの逆襲の話』などを見てもらえれば理解してもらえるだろう。
私はバドミントンを小学校のころから習っていたが(この話はまた今度)、あるバドミントンの試合観戦中に、横に座っていたしおっちが急に以下のことを喋りだした。
いいか、誰にも言うなよ、言ったらぶっとばすからな。
……実はさ、この前のバレンタインなんだけど……いいか、ほかの奴に言ったら絶対にぶっとばすからな、いいな?
……んでさ、その、俺チョコもらったんだ。
私は驚愕となりながらも平然を装って、「ほうほう、それで?」と耳を傾けた。
それがさ、ロッカーに入れてあったんだけど、くれた奴がさ……言うなよ? ぶっとばすからな?
実は……アンドレなんだよ。
もはや、試合の内容など頭に入っていなかった。絡まった阿弥陀くじの線がほどかれて、すべてが繋がったかのような感覚があった。
なぜならば、馬鹿にされながらもアンドレは私に執拗に近づいてくる女だったからである。
自ら暴風圏内に身を投じるとは馬鹿な女め、と思っていたのだが、彼女が近づいてくる目的は私ではなく、いつも私のそばにいたしおっちであったのだ。
それからというもの、しおっちとアンドレは裏で親しい仲になったのではなかろうかという不安が発祥して、容易に暴言も吐くことができなくなってしまった。それから卒業までずっとしおっちはアンドレからチョコを貰い続けたという。
それに、この話がおさまったあとには『ダイ君の恋』が待っているのだ。もしかすると、無軌道台風としての勢いが衰退していったのは、この立て続けに起こった友人二人の恋がきっかけ何ではなかろうかと思われる。
いやあ、それにしても私の存在があったお陰でアンドレはしおっちと喋りあう機会があったというのだから、本当に知らぬ間に恋のキューピットであった。
まあ、悪い気はしない。
共感求ム。