呪物の気配
2つの部隊が動いた1日目、まずは特殊部隊のリーダーに心霊現象が関係しているかをみてもらうことになった。もちろん探偵部隊も同行している。
「はじめまして、私は特殊部隊リーダーの中村紡。周りからはよく先生って呼ばれてる。これからよろしく。」
パッと見は20代くらいの女性だ。何とも言えない不思議なオーラがあって、彼女の言葉にはどれも重みがある。
「はじめまして。私は新人警戒官の小林康介と申します。好きに呼んで下さい。未熟者ですが、よろしくお願い致します。」
「今日は少年と一番関係がありそうなサーカス団に行って呪物等の確認をするから案内をお願い。」
その呪物というものはよく分からないが、なぜサーカス団なのだろうか。村の人だっていい迷惑とか言ってたし、むしろそっちの方が可能性が高い気がする。
「承知しました。サーカス団まで少々距離があるので車移動になりますが、よろしいでしょうか。また、指定の車がございましたらお申し付け下さい。」
「交通手段は森を通らなければ特に大丈夫。車はこっちで用意をしているから運転だけお願い。」
「森はこの辺にありませんのでご安心下さい。指定車の件、承知しました。」
「そう、ありがと。」
「ところで、そちらの探偵部隊の方もご乗車します?」
さっきからものすごく気になっていた。こちらも20代くらいの男性だろうか。
「あ、はじめまして康介君。僕は探偵部隊リーダーの渡辺彰っていうよ。渡辺って呼んでね。今日は一応同行する感じらしいから運転お願いね。」
穏やかな人という印象だ。しかし一切の隙がなく、頭が切れるという噂が絶えない人だ。
「承知しました。さっそくサーカス団に向かいますので、車酔い等がございましたら薬の服用を願います。」
「分かった。車はこれだから分からない操作とかがあったらいつでもいって。」
指定された車は真っ白だった。彼女いわく、白は太陽と同様に呪物をある程度は反射するらしい。
「承知しました。」
ものすごく緊張した。
自分は新人だし失礼な態度は絶対にとらないようにしないとと思って慣れない言葉ばっか使ってたら結構気づかれしたな。
このまま沈黙っていうのも気まずいしなんか言った方がいいかな。
「現在村の端にいます。後10分もすればサーカス団です。」
「分かった。――ッ!?止まって!!!!!!」
「え?あ、はい!」
「急に止めてごめん。」
彼女にしてはとても取り乱したような声だった。何か見つけたのだろうか。
「いえ、どうしたんですか?」
「この辺からとんでもなく強力な呪物の気配がする。ものすごく空気が重くてとても生身では入れそうにない。」
さっそく見つけたのか。言われてみればそんな気もする。
「僕は呪物とかよく分かんないけど、確かに空気がどんよりしてるよね。康介君、ここまで来たのに申し訳ないけど今日は引き返してもらってもいいかな?」
空気が重いのは同感だし先輩の言っていることだ。断る理由がない。
「はい、分かりました。明日までに用意するものがございましたらお申し付け下さい。」
塩でも使うのだろうか。少し気になるな。
「うん、ありがとう。今日は本当すまないね。」




