転落事故
「毎日真っ赤なパイプの上で浮いてたよ。」
「そのパイプ、2階建ての屋根くらいまであったんだよ。」
「他の村からは幽霊が浮いてて気味が悪いとか言われてるよ。いい迷惑だ。」
「あのサーカス団の子でしょ?やらされてたのかもね。可哀想。」
「そういえばあのサーカス団って元犯罪者いるらしいよ。」
「あの子の名前?知らないなぁ。」
「そういえば誰も知らないね。」
「おい新人、有力な情報はあったか?」
「いえ、特に。調べた内容と同じようなことしかありませんでしたよ。でも強いて言うなら、誰も"あの子"の名前を知らないのが引っかかりますよね。」
「そうか?家出してバイト生活みたいなのはよくあることだと思うが。」
「うーん。それならいいんですけど。」
今我々警察が調査しているのは、身元不明の少年がパイプの上で浮遊マジックの練習をしていたら、パイプが折れて転落死してしまったということだ。
パイプの上で浮いていたという情報はそのマジックのことらしい。
少年は村の近くのサーカス団に入っていて、毎日そのマジックの練習をしていたという。
パイプが弱っていたこともあって今は事故として取り扱っているが、正直自殺と他殺の線もぬぐえない。
そして身元不明というのが地味に厄介で、親御さんに連絡することができないし、言ってしまえばそもそも親御さんが生きているのかさえ分からない。
この事故は不明なものが多いのだ。
そこで、"探偵部隊"と"特殊部隊"に協力してもらうことになった。
探偵部隊とは、不自然な死や機密事件等をすべて科学的根拠を持って解決してきた部隊のことで、特殊部隊とは、呪いや幽霊などオカルト的な事件を霊能力者によって解決してきた部隊のことだ。
どちらの対処すべき事件なのかが分からないため、この2つの部隊は必ず一緒に調査をしなければならなかったが、意外にも仲は良かった。




