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三人の若い女性達に遭遇して、私は開口一番に尋ねた。
「助けてくれてありがとうございます。ところでここはどこですか?」
この言葉を聞いた三人は、明らかに戸惑いの反応を見せた。私から見て、左から茶色いショートヘアの目が大きくて小さめな体格の可愛い女の子、黒髪で大人しそうだが鋭い目付きで威厳を放っている女の子、背は三人の中でも高くておっとりした優しげな顔の女の子の三人が、互いの顔を見合わせている。みんな学生なのだろうか。三人ともいかにも魔法使いというような恰好をしている。
「ここがどこだか分からない?」
鋭い目付きの女の子が怪訝そうに言った。
「ええ、急に迷い込んだものですから」
私は状況把握に努めようとして言った。
「それより体に怪我はありませんでしたか?」
おっとりした顔の女の子が心配してくれた。見た目の通り優しそうだ。
「特に何も」
「それは良かったです」
おっとり顔の女の子は、心の底から安心したかのように微笑んだ。
そして、茶色いショートヘアの女の子も発言する。
「ここは、天界におけるサウスイースト・デザートですよ」
その言葉に、私は目を丸くする。何、イースト菌のデザートって?
それはさておき、天界ということだから私、亡くなったのかな。
「デザートって砂漠の意味で言ってるんですけど」
私の心中を読んだのか、鋭い目付きの女の子が呆れた顔で言った。初対面なのに早くも手厳しい対応をされてしまった。
「もしかして何らかの拍子に、ここに転移してきたんですか?」
おっとり顔の女の子が核心に迫ってきた。確かにその通りなので、私は頷いた。
「火災報知機のボタンを押したら、急に光が私を取り囲んで、それで」
そう付け加えた。すると、三人は再び互いの顔を見合わせ始めた。
「要は馬鹿なことをしたってことね」
鋭い目付きの女の子が、溜息を吐いた。いや、そんな言い方しなくても。私は避難訓練でやっただけなんだから。
「それでは、私の魔法であなたを下界に帰します」
おっとり顔の女の子が宣言し、杖らしきものを片手に持って上げた。
「いや、そんなことできるんですか? ロゼッタ先輩」
私より先に訊いたのは、メアリーだった。
「何らかの誤作動で偶然にも迷い込んでしまった人に対してのみ使える魔法よ。これで、あなたは下界に帰れる」
そう言って、ロゼッタ先輩とやらは杖を高く上げて魔力(?)を杖に集中させ始めた。そして、
「リターン・ユア・ホーム」
そう唱えられると私の体に再び青白い光が取り囲んだ。そして、それに吸収されるかのように、私の体はその場から消えた。




