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case3.鬼の一家の迷推理

「箱…だな…」

「箱じゃな」

「箱だね」


珍しい物を取り揃えていると巷で噂のブラン商会。

その商会と懇意にしている鬼の一家に荷物が届いた。

差出人はブラン商会会長。


一家は喜んで包みの箱を空けた。

…が、そこに入っていたのは長方形の木の箱。

箱in箱、一家は大いに悩んだ。


「中に何か入ってるのかな?」


鬼の父親が箱を振る。

しゃらしゃらと音は鳴るが何か入っている感じはしない。


「穴が開いておるの、どれ…」


鬼の母親が木箱の側面に丸い穴が開いていることに気づく。

手を入れてみるもざらざらした鉄の感触があるだけ。


造りはしっかりしているが何も入っていない木箱に一家は更に悩んだ。

父親と母親が唸っていると、鬼の娘が何か閃いたようだ。



「あーし分かった!」


ふむ、と母親が先を促す。


「かか様って背がちっちゃいでしょ? だからコレ『踏み台』だよ!!」


あー、と両親は納得する。

鬼の母親は背が低い。

それは娘と並ぶと母娘が逆転して間違われるほどだ。



「そっかぁ、棚の物取るとき大変そうだもんな!」


鬼の父親が笑う。

彼はいつも妻の手が届かないときに彼女を持ち上げている。



「なるほどのぅ、長四角なのは高さを変えられる為じゃな!」


母親も得心がいった様子で娘を賞賛する。

娘も『えへへ』と満更でもなさそうだ。



こうしてブラン商会から贈られた箱は鬼の母親の踏み台となった。


しかし、鬼の母親は忘れていた。

娘の幼馴染が楽器を嗜み始めた為、不器用な我が子でも演奏ができる楽器はないかとブラン商会の会長に相談をしていたことを…



一方その頃、ブラン会長は上機嫌に相棒の妖精に笑いかける。


「カホン、喜んでもらえたかなぁ?」


妖精も笑い返す。


「音の鳴る箱? あれ面白いわよねぇ~」


ブラン会長と妖精は気づいていない。

その”箱”をどう使うかの手紙を入れ忘れていたことに。

そして会長たちは知らない。

箱は全く別の用途で鬼の一家に重宝されていることに。


説明書の大切さを知るのは、もう少し先の話…

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