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両手の花2

次回も未定です。

明日~木曜日のどこかで投稿します。

なぜこんなことになっているのか。

カフェの丸いテーブルを囲に座る私とアリス…そしてヤバイヤバイ言いながらパンケーキをつついている三人の女性。

気がつけばなぜか相席にされており、知らない人だし見るからにヤバい人たちなので対人スキルの無い私は出来るだけ気配を消すことしかできなかった。

しかしそんな必死の努力も虚しく、アリスが私の肩に手を置きながらにこにこと笑っていた。

間違いなく今から私の事を紹介するつもりだ。


「にーねー様。この人はユキノくん…余の友達なんだ!」

「ほぉ~」


アリスの友達と言う響きに少しキュンとした…したけどもだ。

やはり謎の気まずさが勝っております。

にーねー様と呼ばれているのは二人の女性を侍らせている銀髪の女性で、その切れ長な目で私の事を上から下へとジロジロとなめまわされて怖い。

…というかこの人…正面から見るとなんとなくだけど誰かに似ているような気がするんだけど、それが誰なのか分からない。


「それでユキノくん。こっちの人はにーねー様…私の姉のような人だ!」

「は、はぁ…」

「お前人に人を紹介する時に変な呼び方そのままで紹介するやつがあるか。ごほん、俺様はネフィリミーネ…なんだが俺様にしてはなんとなく可愛いが過ぎる名前だと思うだろ?だからまぁあんまり好きな感じじゃないんだが好きに呼んでくれ。よろしくな可愛いねーちゃん」


右隣の露出の激しい女性が絡めている腕を解いてネフィリミーネさんが握手を求めてきたのでおずおずと握り返す。

その手は鍛えられているのか、しなやかと言うよりはがっしりとしていて力強さを感じさせた。


「よろしくおねがいします…」

「おう。あぁんでこのエロい見た目の女がイヴセーナで無駄に着込んでやがるほうがアルフィーユだ。どっちも俺様の女だから手を出すんじゃねえぞ?それか逆に俺様に手を出されてみるか?ねーちゃん」


上半身ほとんど裸の女性がイヴセーナさんで大人しそうな人がアルフィーユさんだそうだ。

俺様の女というのは…ちょっとよく意味が分からない。

そして手を出すとは…?


「ミーくん。その子たぶん未成年でしょ?さすがに子供に手を出すのはキモキモでマジヤバだよー」

「今さらネフィリミーネさんにモラルは求めてませんけど…人として最低限の尊厳だけは捨てないでくださいまし」

「あー?うっせえなな馬鹿どもが。愛に年齢は関係ないって知らねぇのかよ。な?ねーちゃん」

「はぁ…?」


ダメだまったく何の話をされているのか分からない。

なんで私は今左右の女性から変な視線を向けられ、ネフィリミーネさんからはウインクを貰ってしまっているのだろうか。

助けてアリス。


「まぁまぁにーねー様もそのあたりで許してあげてくれ。ユキノくんにはすでに大切な人がいるんだ」

「んだよ先に言えよー!人の女には興味ねぇのによー。なんていいつつ実はこの女どもは元は他の男の女だったんだけどな!ぎゃはははははは!」


ネフィリミーネさんが豪快に笑い、次の瞬間に両手を左右それぞれに伸ばして…なななななんとイヴセーナさんとアルフィーユさんの胸を揉みしだき始めた。


「やぁん。ミーくんこんなところでマジヤバんですけどー超エッチじゃん。マジうけるんですけど」


イヴセーナさんはパンケーキをつつきながらもまんざらでもなさそうに笑い、反対側のアルフィーユさんは…顔を真っ赤にしながら拳を握りしめネフィリミーネさんの顔を殴りつけた。


「ひ、ひひひひひ人前でなんてことをするのですか!?馬鹿じゃないんですか!?」

「いってえええ!!何すんだアホ!ぐおぉおおおおお…マジで痛ぇ…」

「ちょっとぉミーくん鼻血をケーキに飛ばさないでよ~?」


「え鼻血出てんの?マジで?アルてめぇどんだけ本気で殴ってんだよ!」

「あ、あなたがこんな公衆の面前で信じられないことするからでしょう!?言っておきますけど謝りませんからね!」


静かだったはずのカフェが再び騒がしくなる。

ここまでくればさすがに私にも状況が理解でき始めて来たぞ。

つまりこの三人は…。

私が目をぱちくりさせているとアリスが注文しておいた飲み物のお代わりを私に手渡しながら何やら耳打ちをしてきた。


「わははは。相変わらずだなぁにーねー様は。ユキノくん驚いただろう?見ての通りにーねー様は奔放な人でな!世界各地のいたるところに彼氏彼女がいるらしいぞ!」

「へ、へぇ…そうなんだ…」


恐ろしすぎて私にはよく分からない世界だ。


「ただまぁ基本は割り切った身体だけの関係なのだけど、あの二人だけは特別?みたいだね。それでも二人!みたまんまハーレムだ」

「ああうん…」


何が恐ろしいって、先ほどは意味が分かってなかったけれど…おそらく私は先ほどそのハーレムの王…王女?にナンパをされていたという事実だ。

私は何か恐ろしい事に巻き込まれかけたのかもしれない…助けてナナちゃん…。

…まって。

なんだかさっきからの様子を見るにアリスがすっごくネフィリミーネさんに懐いている気がするんだけどまさか…。

基本的に名前に「くん」付けなアリスが「にーねー様」なんて変な呼び方してるし…。

自分でもわかるほどにぎこちなく首を動かしてアリスに視線を向ける。


「ん?なんだいユキノくん…あぁ言っておくが余は断じてにーねー様と人様に言えないような関係ではないぞ?先も言ったが姉のような人なんだ」

「でもにーねー様って…」


「ああ実はにーねー様に出会った当初は余も幼くてだね。当時に女性を侍らせていた姿を見て男の人だと勘違いしてしまっていてね。それで「にーさま」と呼んでいたのだがしばらくして女性だと判明し「ねーさま」と呼び改めたのだが…本人曰く自分をどちらの性別とも思っていないらしいのでそういう人に対して「にーさま」「ねーさま」どちらで呼べばいいのかわからなくなった余は最終的に」

「にーねー様になったと」


「うむ!そんなわけで別に身体の関係があったりはしないから安心してくれ!本当に姉のような兄のような人、それが全てだ。まぁもっともにーねー様は余の記憶違いでなければ今年で57歳だったはずだだから向こうは孫の様に思っているのかもしれないがな」

「ん?」


なんか変な言葉が一瞬聞こえた気がしたけれど、おそらく気のせいだ。

だってどう見てもネフィリミーネさんは20代半ば…もしくは後半くらいにしか見えないのだから。


「おい小リス、記憶違いだぞ。人の年齢を間違えるな」


ほらね?アリスが勘違いしてたんだ。

もしくは冗談を言って…。


「俺様は早生まれだから今年で58だ」

「増えた…」


二人がかりで私を騙そうとしてるのでなければ…年齢的にはおばあちゃんだ。

ただアマリリスさんが100を越えているとかいう話なのでもしかすればネフィリミーネさんもそっちのタイプの人という事なのかも…。

なんだそっちのタイプって。


「言っておくがねーちゃん。俺様は一応は真人間だぜ?まぁ「中身」はちょこちょこいじってるがこの若々しい肌は自前よ。なんたって俺様には女って言う最高のアンチエイジングになってくれる奴らがいるからなぁ。いつだってつやつやよぉ!わかるかねーちゃん?ん?エロいって事は若いって事だ。いつまでたっても性欲だけは無くすんじゃねえぜ?おばちゃんとの約束だ」

「ミーくん凄いんだよ。いまだに10代の男の子並に性欲あるんだから~毎晩毎晩オジョウサマと一緒に相手するのも大変なんだよ。ねー?オジョウサマ」

「だから公衆の面前でそういう話をしないでと…!!」


「ぎゃはははははは!っと、そんな事よりアルてめぇさっき俺様殴ったろ」

「な、なんですか。謝らないと言ったはずです…」


スンとネフィリミーネさんが雰囲気を一変させてアルフィーユさんの腕を掴んだ。

なんだか突然険悪な雰囲気に…!?


「ちょっ、ちょっとアリス…止めたほうがいいのかな…?」

「いや?大丈夫だと思うよ。それよりもユキノくん、ご飯は食べたかい?余もパンケーキを頼もうと思っているのだけどよかったら分けないかい?一人で全部食べるのはきつそうだ」


何故か呑気なアリス。

いやパンケーキなんかより止めないと!私が二人の間に入ろうと席を立ちかけたのよりも早くネフィリミーネさんが軽くアルフィーユさんにデコピンをした。


「あいたっ!」

「口で言えばいいだろうがよぉ馬鹿が。ほら見ろお前手ぇ赤くなったんじゃねえか。加減しろアホがよぉ」


ネフィリミーネさんがグラスの水を使ってアルフィーユさんの手を冷やし、ハンカチで拭う。

その手つきは…言動とは裏腹にとても優しいものに見えた。


「…お礼なんて言いませんから」

「はいはい、つーかお前のためじゃねぇし。俺様の女なんだから常に綺麗でいてもらわねぇと…夜のお楽しみに差し支えるからな」


「んな!?こ、この…!」

「ねーねーミーくんミーくん。なーんかオジョウサマにだけ優しくなーい?うちには太れとか言っておいて~」

「いや、お前は少し太れよ。痩せすぎだっつってんだろタコが」


一瞬でも状況が理解できたとか思うんじゃなかったときゃいきゃい騒ぐ三人を見て感じた。

やっぱり何もわからない私なのだった。

ひっそりとTwitterのアカウント(@migitako_yamane)を作りました。

次回投稿日が未定という事が多々あるので、投稿できそうな日の前日に「明日投稿できそうです」と報告できる場所があればいいなと思い作りました。

活動報告のほうにでも書けばいいかとも考えましたが、忘れそうなのと、たぶんそっちは結局ページを見に来ないといけないしおそらく更新通知とかも登録しないといけないのかな?それなら誰でも見れるTwitterのほうがいいのかなとという事で専用のものを作りました。


フォローについてはしたからと言って何かがあるわけでもありませんのでしなくて大丈夫です!(してもらっても勿論大丈夫です。ただ本当に特に何もないと思います)

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― 新着の感想 ―
[一言] 性的にヤバい女かと思ったらアンチエイジング技術もヤバい女だったでござる 会話のどこを切り取ってもナナちゃんさんに何かしらの悪影響が出ちゃう!
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