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廻って、バランス  作者: 沙羅ラライ
第一章
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第4話 ドロップの話

自分とこの世界に一年もの差がある。

驚きはしたがそれより呆れた。そんな事、目覚めてすぐ確認すべき事だった。いや、よく考えれば目覚めてから、俺の身に起きた事は意味の分からないものが多かった。考える暇など無かった…


「あの!話の続き、いいですか?」

「お、おう。そうだな、頼む」


ドロップが話を再開する。


「それで、シルギアとの戦いは互いに多くの犠牲を出し、終了しました。特にアリス国の被害は大きく、国内に攻め込まれたことにより、今も復興作業が続いています。

そして、アリスとシルギアはもう一度停戦状態になりました」


ドロップの話の最中、常にフィリムは俯いていた。それもそのはず、自国の戦争の話。

きっと辛い事が多かっただろう…


その後の話を要約すると、こうだ。

停戦とはいえ、またいつか同じ戦いが繰り返されるのならば、戦争を終わらせてしまえばいい。

だが、アリス国の王はそうはいかず、娘であるフィリムが説得しても戦うことをやめようとしない。

ならばとフィリムは、敵国に説得しせめて、話し合いの場を用意しようという訳だ。


「無理だな」


それが率直な俺の感想。


「ならば、どうすれば良いのですか!?」


フィリムは必死になって聞いてくる。


「それより、そこからどうして俺を頼ることにしたのか、説明してもらいたい」


「それは、シルギアに影の護衛役がいると聞いて、調べたところそれが貴方!レベラ・シェムハザだった訳です!」


「そんな情報、どこで手に入れたんだよ」


「それはこちらも生きるため必死ですから、

死に物狂いで探しました!一応、お金はありますから!」


「敵国の人間だぞ、殺されるこもしれない…」「それについては!貴方はこの国よりも自分の利益を優先する方だと聞いたからです!」


またも食い気味で話すドロップにレベラは呆れていた。

しかし、なんとなく分かってきた。


「お前らが追われていたのは、自分の国から逃げ出してきたっていう事だな?」


「えぇ、そうです!いやー大変でした!それがですねー…」

「それより、協力していただけますか?」


なにやら、話し始めたドロップを無視して

フィリムが問いかけてくる。

今更だが綺麗な瞳だ、青く輝かせ必死に訴えている。


「自分の利益のために俺は行動するらしいからな、報酬次第じゃ協力してやる」


そんな風に頼まれると断れるわけがない。


フィリムはとても安堵した表情をしている。

それと同時に誰も聞いていなかったドロップの話が終了した。

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