第1話 出会い系隔絶
目が覚めるとそこは、いつもの見慣れた景色。
俺はソファで眠っていた。
目の前には、低く、大きな長方形のテーブルがあり、
その横にも一つずつソファがある。
三つのソファがテーブルをコの字のように囲っているいつもの光景。
しかし、ここには俺一人しかいない。
アイツら、一体どこにいるのか。
待っていれば、そのうち帰ってくるのか。
黒髪の青年ーーレベラは困惑していた。
自分の状況が全く分からないからだ。
レベラ自身の変化は無く、整った顔立ち、赤い瞳、
白いシャツ、黒いズボン。
体調は良いくらいで、腹も減っていない。
「まずは、外に出るか」
情報を得なければならない。
そのために、この誰もいない部屋から出ようとする。
その時、レベラはようやく違和感に気づく。
この部屋は元々、魔法によって作られ、魔法によって外の世界から隔絶された部屋だった。
レベラが感じた違和感とは、魔法によって作られたこの部屋は、別の『空間魔法』によって外の世界へと繋げてられている。
その空間魔法のみが消されたかのように、無くなっている。
要するに…
「閉じ込められた……!」
いや、問題ない。もう一度、空間魔法を張れば良い。
「空間魔法は得意なんだ。」
そう言って扉に触れ、魔力を込める。
瞬間、後ろから何かの気配を感じ、咄嗟に右へ飛び退く。
衝撃波が、先程いた場所に向かって放たれ、破裂音と共に扉にぶつかる。
扉は魔法によって作られたため、破壊されることは無い。
しかし、安心すべきではない。
破壊されないとはいえ、衝撃波に伴う音から、その異常な威力が分かる。
「いきなり、戦闘かよ…!」
突然の出来事に困惑しながらレベラは、衝撃波の正体を知り、更に困惑する。
そこには男がいた。
男は何かを振り下ろしたようだが、その何かは見えない。
剣か刀か、何か透明なものを握っている。
いや、驚くべきはそこではない。
男は裸のように見えた。しかし、髪や衣服が握っているものと同じくして透明で見えない。
前髪の形に顔が欠けているように見える事から髪は自分と同じくらいの長さと推測できる。
上半身、そして下半身は膝下あたりまでもが、同じくして透明。左足の内腿が少し見えている。
きっと、着流しを着ている。
そう推測できたのは、存在感の大きさから自然とそう理解させられたようだ。
ならば、握っているものは刀だろうか。
どちらも、東洋にあった国の文化だ。
しかし、驚くべきはそこですらないであろう。
肌のみが浮くように存在している異質なそれは、
何故か、自分と同じ顔をしていた。
「気持ち悪ぃ…俺は早く、外に出てぇんだよ」
レベラは、戦闘体制に入った。
第1話、読んで頂きありがとうございます。
意味分かんないですね。
2話以降は、シリアスじゃなくなると、思うので
気楽に読んで頂きたいです。