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毎日デレデレしてくる彼女に俺は勝てない

身長155cm、テストの平均65点

100m走のタイムは13秒に顔面偏差値も微妙と

全てが平均かそれ以下の普通マンの高校生である

佐々木海斗は一つだけ異常なことがあった。


朝早くから登校し、自分の教室にたどり着き

恐る恐る扉を開けるとさっきまで和気藹々と

した話で盛り上がっていたクラスの人間の大半が

俺に目を向け注目されている。


教室に入り数秒後、俺の登校に気づいたのか

一人の女の子が飛びついてきた。

「うおっ!」

「おはよう海斗、今日も会えて嬉しいぞ〜」

「おっ、おはよう美月………」

「えへへ〜ぎゅ〜」


地味で普通なだけの高校生の自分に唯一の異常。

艶のある黒髪のショートで天真爛漫な美人で

幼なじみの上野美月と恋人関係であった。

「なあ美月………」

「ん?な〜に?」

「………そろそろ離れないか?」


彼女の両手が俺の背中に回され

魅力的で豊満な胸が押し付けられながら

クラスの男子から殺意の目も向けられ

いろんな意味で精神的によくなかった。


「う〜ん、私はもっと抱き締めたいのにな〜」

「あははー早めに頼むわ………」

ゆっくりと抱きしめた両手を離してくれる美月

俺達のイチャイチャが終わると

近くの男子が俺の肩に手を置き話しかけてくる。


「おい佐々木、遺書に書きたいことあるか?」

「アッハイ、すみません……ほんと許してください」


人気者の美月の彼氏なのもあり

地味男でも俺は特にクラスの非モテ男子から注目され

よく妬まれて大変な毎日を過ごしている。




美月はとても強い子だった、周りに恋人関係を

隠したりせず堂々と俺と惚気た行動をしてくる。

特に昼休みの時間になると

彼女が俺のために作った弁当の

おかずを箸で摘まむと

「はい!あーん!」

「……………」

「ほら口開けて〜」

「………あーん」

「美味しい?」

「めっちゃうまい」


あーんという令和どころか平成でもあまり見ない

イチャイチャを教室の中でしてくる俺の彼女あまりに強い………そして弁当もうまいし

ついでに勉強もできたり胸も大きいし

俺には不相応だけど素敵な彼女とはいつも思う。


放課後の時間になるといつも通り美月と一緒に

下校する。

周囲の視線に恥じらうことなく彼女は笑顔で

自分と手を繋ぎ帰路を歩いていくが俺は照れて下を向いた状態になってしまう。


小さい頃の俺なら彼女と結婚してやると

友達の前で言える度胸はあったのになと

懐かしい記憶を思い返していた。


「なあ美月」

「な〜に?」


俺ばっか照れてるし

たまには彼女を照れさせたい。

少し幼なじみ相手に悪知恵が思いつき

俺は緊張して一呼吸置いてから口を開く。

「そっ、その……すっ好きだぜ〜」

「……うん!私も海斗のこと大好きだよ」

「ぐはっ!」

「早く大人になって結婚したいね」

「うおおっ!?」

なんて奴だ、たまには美月を顔真っ赤にさせようと

こっちが勇気だした告白に好きと即答して

きやがった………おまけに大がついて

婚約宣言とか破壊力が高すぎるぞ。



「ふふっ、海斗が改まって私に告白なんて珍しいね」

「あはは……そ、そうだ今日俺ん家来るか?」

「う、うん!それじゃあお邪魔するね」






自宅にたどり着き自分の部屋に彼女を案内する。

「今日は親帰るの遅いからゴロゴロしていいぞ」

「……………う、うん」


え?何その間、変なこと言ったか俺。

まあいいか、今日は恥じらいのない無敵の彼女を

驚かせて顔真っ赤にさせよう。

女性は壁ドンという物に弱くてすぐ堕ちる話を

効いたことがある、とっくの昔にブーム終わってる

気もするが俺にできる限界の行動だ。


うまく美月を壁際に誘おうと近づくと

床に置きっぱなしの漫画雑誌に躓いてしまい

体が傾き彼女をベッドに押し倒してしまう。


偶然にも壁ドン以上の行動をしてしまった。

「す、すまん!今はな……」

急いでその場を離れようとするが

彼女の両手が背中に回りベッド側に吸い込まれてしまう。


「う、嬉しい……」

「え?」

「ずっと恋人関係なのに全然手をだして貰えないから

私嫌われたのかなって不安だったから……安心したの」

「イヤ……あのデスネ」

「私準備できてるから……」


あっヤバい、これは大きな勘違いされてる。

今日俺の親がいないって話から躓いた事故が

合わさって俺の彼女はえっちな話と誤解してる。


そしてこんな純粋に俺のこと愛してる幼なじみに

家呼んだのはちょっとドッキリさせたかっただけ

です、とか説明するのも罪悪感で俺が死ぬ。


美月の抱く力は強く逃げられそうにない。

彼女を傷つけないでえっちな展開を

回避する最善の方法を俺はすぐに思い付く。

しかしその行動はヘタレの俺には厳しかったが

彼女の気持ちにも応えたかった。



俺から美月に顔を近づけると彼女も理解したのか

目を閉じてくれる。

そして俺と美月の唇は重なる。

彼女とのファーストキスだ。

柔らかい感触、甘い匂いが俺を刺激する。

長い静寂が過ぎて唇が離れる。

「その……これで我慢してくれるか……これより先は

大人になって結婚してからで………」

「うん………わかった………約束だよ」


いろいろ予定は変わったけど彼女の顔中は

茹で蛸の様に真っ赤になっていた。

キスしたせいか彼女がいつもより数倍色っぽく

見えて心臓の鼓動が落ち着かない。


これから毎日彼女とキスに

溺れてしまうのは別の話である。

読んで頂き本当にありがとうございます。

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