そんなことより芋だ
目の前の青年セイイチは白い花を差し出し微笑む
「良い香り。セイイチさんありがとう」
セイイチさん私の微笑みに照れて・・・うれしいけど・・・
「そこだ」
「行けチューだ」
「あわわ」
「これは」
「はぁはぁ僕」
「そんなことより芋だ」
「・・・・セイイチだと微妙」
ヘイさんのお孫さんたちがはやし立てる
セイイチさん恥ずかしさでお顔が真っ赤・・・可愛い・・
「セイイチさん大切にしますね」
もう少しとも思うがセイイチさんに悪いし
「さあ。みんなこれで見世物は終わり」
お孫さんたちは口々に不満を口に・・・
「悪い子は皆」
私は笑う少しうんほんの少しだけ怒気を込め
「「「すいませんでした」」」
皆一斉に綺麗に謝る私は微笑み
「やっぱり皆いい子」
私は先頭に立ち目的地に向かい歩みだす・・・
俺は見事にそして一糸乱れぬ行軍に感心と・・
「ユーナ孫たちすげぇ」
驚きと賛辞を贈る
「やですよ。あ・な・た聖騎士ケイ様が凄いのですよ♪」
俺の名はヘイ我が愛しの妻の名はユーナ
ユーナは今魔法のお鍋で生活魔法を使い芋をふかしている
「常識さ!おやじ遅れてるぅ~」
息子のガイエスが茶化す
「駄目ですよ。ガイエス!ヘイ様に敬いを」
その妻ミーシャお前さん固い固すぎ
「はーいお芋が出来上がりましたよ」
ユーナの声に誘われ人々が・・・・・
グリンはふむと目の前の光景に・・・
「凄いな」
人が人を呼び今では行列が出来ている
「何が。凄いかだと混乱なく行列を!これぞ必勝の要」
隣に来た白い礼服の男の疑問に答える
「なるほど。しかし美味そうな匂い。一緒に並ばないか?」
ふむ。ワシも頂いて良いのだろうか・・・
「俺は行く!」
うん。良く考えたら知らない男だな
「待て。お主名は。ワシはグリン」
男は朗らかに笑い後綺麗に一礼し
「グリン殿俺の名はガウス同じくミア様に仕えし者」
直立後右の白い手袋を外し手の甲見せる
「確かに」
その顔は氷であり能面表情は抜け落ち長い前髪を垂らし
身震いするほどの凄みがワシを頷かせた
「早く!行こう!グリン殿」
一転ガウスは子供のように屈託の無い朗らかな笑顔で
ワシは頷き
「あ!私も行く♪」
あ!ミア様もですね・・・・・・
「ね♪ガウス腕組みましょう!」
「其れは恥ずかしいのでお断り致します」
ふむ・・・・・・中の良いうむ良い光景だ・・・・
僕はまだ迷っている・・・
僕の牙は鋭く磨かれ・・・・
今か今かと獲物を求め疼いた・・・・
されど僕は抑えたソレが正しいと信じ・・・
そして僕は間違いと今は知る・・・・
確かに牙を使うべき時は既に過ぎ去ったはずだ・・・
でも疼く・・・使えと・・・・・
お読み頂き有難うございます