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ずーっと以前に書いた創作怪談シリーズとショートショートシリーズ

怪談の解説

 パターンとしての怪談にはね、そのほとんど部分で「偶然」が重なるという状況があるよね。

「その日は、たまたま事件の起きた日だった」

とかね。

 こういう偶然というのは、2つまでは「単なる偶然」なんだよ。でも、3つとか4つとかね偶然が重なってしまうと、それは何かの意図が働いていたんじゃないか、と人間というのは考えてしまうものなんだ。

 だけどね、悪いけれど、そいつはやっぱり偶然なんだ。

 本当は何も意図があって起きているんじゃない。

 こういうのをね、意図的に話すとね、怖かったり不思議だったりするけれど、別に偶然以上のものは何もないんだ。ま、あれだね、怪しい信仰宗教なんかはね、教祖様の由来なんかを語るときに、こういう手口を真似したりするけれどね。

 単なる偶然。

 ただね、やっぱり人間って、偶然がいくつも重なると「怖かったり」するんだよ。

 だからね、わざと偶然を作り出すっていうのも、実は重要な要素ではあるんだよね、怪談を話す立ち場としては、ね。


 つまりね、この文章を書いている時にね、間違った変換をパソコンが出すじゃない?

 それがさ、「やっぱりそういうの怖い死ね」とかって誤変換されたとしてもね、偶然。続けざまにね「血か憑いてくる(近づいてくる)」と誤変換されてもね、それも偶然。

 でもね、怖い話を書いているときに意図しないでそうなるとね、何かの理屈をつけたくなっちゃう、というのが人間だってことなんだ。

 だいたい、このパソコン、古いマックだしね、怖い話って打つと「湖Yは無し」って出すぐらいだからね。


 それからね、金縛りってあるでしょう?

 あれもね、普通に考えると、単なる生理現象。

 平たく言うと「寝ぼけている」だけ。体が目覚めていないのに「脳だけ起きちゃった」というだけの生理現象。

 でも、怖かったりする。

 自分の体がね、自分の思っているように動かないというのは怖いんだ。

 怖いということ自体が暗示となって、幽霊を見てしまうということは充分に有り得ることだよ。

 それから、幽体離脱。

 これも、生理現象。人間というのは空間を自分の目線だけでは無くて、見取図でも見るかのように把握しているものだからね、空中に浮いた目線でもって「夢」を見てもね、不思議はないの。

 昼間に寝ていると、幽体離脱して、台所にいる母親を天井から見たりしたとしても、不思議はないの。人間の記憶の仕方がそうなっているんだから。それに、なんとなく音とかね、そういうので家の中くらいのことは把握しているしね。

 ま、世の中には「幽体離脱して火星まで行ってしまった人」なんかがいるけれどね。ま、いちおう生理現象として説明はつけられる人がいることは確かなんだ。心理学者なんかがね、そう説明してくれるはずだよ。


 幽霊というのはね、見えないんだ。

 それなのに、見える場合っていうのはね、それは目で見ているわけじゃないんだよね。

 じゃあ、どうやって見ているか。

 これはね、そもそも人間ってどうやって物が見えているかを考えるとわかるんだ。

 人間の目には光を関知するセンサーがあって、そこから視神経を伝わって脳の何処かで映像を組み立てているんだ。それから最終的に、その映像に意味を与える。

「あ、これはバラ、赤いバラ」ってね。

 だから、見えないはずのものが見えている時っていうのは、目で見てるわけじゃない。脳の何処かで映像を作ってしまっているんだ。

 言ってみれば「脳の誤作動」なんだよね。

 だから、なにも怖がる必要は無い。

 あえて怖がるなら「脳の病気かもしれない」って怖がるべきだよね。


 でもね、そういう話をするけどね、僕は、そういうの実は真実だと思ってはいないんだよね。

 科学的に説明のつかない怪談は「ほんとどない」と思っているけれど、それが物理現象だったのか心霊現象だったのか、じつはね「確認する方法はない」というのが現代の科学なんだよ。

 説明の仕方はある。

 だけれど、実証することは出来ない。

 再現性の無いことだからね、心霊現象というのは。

 幽霊を見たという「廃屋」に行ったとしても、以前と同じように幽霊が出るとは限らないんだよ。当たり前のように聞こえるだろうけれど、科学的にっていうとね、それは、ものすごく都合が悪いことでもあるんだよね。

 それに、幽霊が見えてます、っていう人をね、いくら器具を使って計測してもね、本当に見えているものがなんなのか確かめる方法は無いんだよね。せいぜい判るのは、脳のどの分野に信号が流れているか、ぐらいでね。

 「攻殻機動隊」みたいに「電脳」でも入ってれば出来るかもしれないけれど、他人の見ているものをモニターする技術は、無いんだ。


 結局ね、心霊現象というのは、「見た」という事実ではなくてね、そこにどういう「意味」を見い出すか、ということなんだ。

 なんらかの悲惨な事故が起きた場所で「偶然にも」血だらけの男を「見て」しまう。その夜に、ホテルの部屋で「金縛り」にあって、再び血だらけの男を「見て」しまった、とする。

 それは、一つ一つは、すべて説明がつけられる現象に過ぎない。

 だけれども、そこに、「悲惨な事故」と「血だらけの男」と「憑いて来た幽霊」という事実を重ねて行くと「成仏できない地縛霊」が出来上がるっていうわけなんだ。


 心霊現象は、人が作り出す、ってわけなんだよね。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 再現性の意味合いが、程度なのか頻度なのかは不明ですが、心霊現象に再現性がないという部分は面白い考え方だったと思います。 [気になる点] 解説というよりは、一般論に自身の考えを織り交ぜた意見…
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