第一話 転生アドバンテージ
第一章、開幕です。第一章は修行パートです。つまらなくなりがちだと個人的には思っている部分ですが、頑張って出来るだけ面白おかしく書こうと思っていますのでよろしくお願いします。
しばらくは週1で投稿したいと思います。
ストックが貯まって余裕ができたら間隔を縮めるかもしれません。
さて、僕が転生してきてから約一年の時が経った。この一年を体験して思ったこと、それは・・・
この世界、最高です!
いやまあ、寝たきりの人生から、普通に健康な子どもに生まれ変わったからっていう、別にこの世界がいい理由とは関係ないないような理由も大分あるだろうけど。
でも、それを除いてもこの世界は凄いと思うのだ。まさに転生前に妄想してた異世界そのものだ。
まず第一に魔法がある。今はまだ、一つの魔法を除いて、使えないし使い方もわからないけど、母さん(ほぼ確定)が使っているのを見るだけでもとても面白い。
母さんが何か言ったかと思うと、何もないところから炎が出たり、流れてる水が浮かび上がってきたりするのだ。僕が母さんの魔法を見て楽しんでいるのに気付いたのか、ある時から僕に見せるためにわざわざ派手な魔法を使ったりしてくれた。そのこともあってここ最近、ドキドキしっぱなしだ。多分今僕の目はキラキラ輝いていることだろう。僕もいつか使ってみたい。
次に成長がはっきりわかる。例えば、前の世界では筋トレをしていても筋力が上がったかはすぐにはわからないらしい(僕は筋トレもできなかったから知らない)し、勉強してもすぐに賢くなった実感はわかない(こっちは僕でもわかる)けど、この世界ではそれがなんとなくだが感じられるのだ。多分前の世界とは身体の構造が違うんじゃないかな?わかんないけど。
何故それを知っているのかというと、僕がこの一年間で筋トレして実際に感じたからだ。こっちの世界の赤ちゃんが強いのか、転生したからかは知らないけど、生後何ヵ月とかでも筋トレしたり動き回ることができた。
身体を動かす快感、汗を沢山かいた爽快感、筋トレした後の疲労感、全部が全部新鮮でとてもとても楽しかった。そんな経験を前世ではしたことがなかったから、嬉しくていっぱい筋トレしてしまった。
勿論、生後一年に満たない赤ちゃんが急に筋トレとかし出したら怖いから、ちゃんとこっそり誰にも見られてないときにやってるよ?
あと大事なのが、この世界にはステータス画面があることだ。ステータスオープン!とか、開けゴマ!とか色々念じてみたり、実際に日本語で口に出して言ってみたりしたけど、うんともすんとも言わない。だからまだ僕は自分のステータス画面をみたことはないんだけど、母さんが何か言った時に、何か薄紫色の薄い板みたいなのが出てきてたから、多分それがステータス画面のはずだ。だから実際にあるはずなのだ。早く見れるようになりたい。
転生してからずっと楽しいし、未来への希望もある、この世界素晴らしいですわぁ・・・あ、でも最初からこの世界で生きてたらこれが当たり前になってたわけで、この世界の素晴らしさに気づけなかっただろうから、本当に転生様々だなぁ・・・感謝感謝。これはちょっと神を見直したかも。
転生といえば、転生アドバンテージもすごくあるんだよね。さっきも言ったけど、生後一年でもう自由に動き回れるし、実はもう走れちゃったりもするんだよねぇ。
いやぁ、前世で本で知ったけど、普通の子どもって一歳になるくらいでやっと立てるらしいね。この世界でもそうかは知らないけど、まあ多分同じでしょ。
まだ物心もついてないだろうから考えるなんてできないだろうし。自分から歩こうなんて思わないだろうし。ましてや、筋トレなんてしないだろう。
僕は筋トレ してたからこそもう走れるのだ。前世では病弱だったのもあって、強い身体を手に入れようと思って、普通はできないだろう生まれてすぐから筋トレしたからこそ、できるようになったのだ。
おかげで今では、身長の六倍くらいあるタンスをロッククライミングの要領で頂上まで登れるようにまでなっちゃった。スーパー赤ちゃんだなぁあははははは。ちょっとやりすぎた感がしないでもない。
そんな筋トレをしまくって多分筋肉バリバリな僕だけど、何故か見た目はあんまり変わってない。別にムキムキになったりはしてないのだ。別に細くもないけど。いや、それは赤ちゃんだから当たり前か。
でも助かった。いくら筋トレしてる場面は見られていないといっても、赤ちゃんがムキムキになってたら・・・想像しただけでもそんな赤ちゃん怖すぎる。まあともかくそのおかげで筋トレは多分誰にもバレてない。これからも続けていこう。
でもあれは危なかったなぁ・・・いやね、実は生後二ヵ月くらいに、そろそろ僕の寝床であるベビーベッドから自分で出てみようって思って、出てみたんだよ。檻のようにも見える手摺をよじ登ってね。
そしたら、出るには出れたんだけど、手摺で全体重を支えてるその時に手が滑って、地面へと真っ逆さま。空中で体勢を立て直すことに成功して、頭から落ちることは何とか避けられたんだけど、代わりに手を打っちゃって。手を痛めちゃったんだよねぇ。あれは多分打撲かな?
いやぁ、焦った焦った。ベビーベッドは僕の身長の三倍くらいあったし、下手したら死んじゃうところだったからね。
その後、痛みを我慢してベッドに戻ったはいいものの、じんじん痛むし、時間が経つと腫れていくんだろうなぁなんて思ってたんだ。突然赤ちゃんの手が腫れてたら何かあっ たと思うし、僕の一挙手一投足に注意して、言い方は悪いだろうけど、監視するようになるだろう。そうなったら筋トレする隙がなくなってしまう。これはマズイ。
というわけで、なんとか治らないかなー、治れ~治れ~なんて思いながら痛む手を見てたんだよ。すると驚くことに、身体から何かが抜けていくような感覚がしたと思うと、どんどん痛みが引いていったんだ。そして、走り続けて体力がなくなり、ついに走れなくなって倒れてしまった時みたいに、物凄い疲労感に襲われて息が荒くなったんだ。
その時には何て言ったらいいかわからない感じだったんだけど、その時からしばらく経って走れるようになった時に、身体の限界まで走ってみようと思ってやってみたら正にそんな感じだった。で、それで僕は思ったんだ。あの感じって魔力枯渇ってやつじゃないかって。前世で読んだ異世界転生もので魔力枯渇を起こした主人公が言ってた感じだったから。
ということは魔法を使ったってことになって、それはつまり、あの痛みが消えたのはヒールとかの回復魔法を使ったってことを意味してるんだ。これが一つの例外を除いて魔法が使えないって言ってたその例外。
いやぁ、ワクワクしたね。前世では有り得ない現象、魔法。それを僕が使えるってなったんだから。
でも、痛みが消えた時の感覚を思い出してもう一回やろうと思ってやってみてもできなかった。そこで僕は、わざと壁を思いっきり殴って手を痛めてみた。どこか怪我をしてないと使えないんじゃないかって思って。それでもう一回やってみたら、今度は上手くできたんだよ。
それ以来いつもの筋トレに加えて、わざと怪我をして治すっていう訓練もやりだしたんだ。今ではもう慣れたし、今まで色々試してみたことから色んなことがわかった。そのおかげで怪我がなくても使えるようになったし、怪我を治す時に身体から抜けていく、体内にあるよくわからないエネルギーを感じとったり、動かしたりすることができるようになったんだ。
多分この謎のエネルギーが魔力だと思うんだよね。仮にこれが魔力で、前世で読んだ本と同じような仕組みなら、この総エネルギー量は使えば使うほど、自然回復するときに増えるはずだ。これからも怪我なくてもバンバン回復して、どんどん使っていこう。
多分、こんな魔法が当たり前の世界でも生後一年から魔法使える子どもなんていないでしょ。まさに転生アドバンテージだ。有難や~。
さて、なんで今、わざわざこの転生したからの一年間を振り返ったのか。それは・・・
ついに、ステータス画面が見れるからだ!イェーーーー!
そう!ついに僕はこの世界の言語をマスターしてしまったのだ!・・・いや、マスターは言い過ぎか。まだまだ知らない単語とかあるしね。でも、ステータスオープンはわかるようになった。母さんが薄紫色よ板を出していた時に言ってた言葉がステータスオープンなのだ。
ステータス画面の見方がステータスオープンってこの世界の言語(メソポル語っていうらしい)で唱えるだけならもう見れるはず!いやぁこれはテンション上がっちゃうよ!
すーはー。よし行くよ?早速ステータス画面を確認しちゃうよ?大丈夫?アーユーレディ?オーケー、アイムレディ!
「ステータスオープン!」
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