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コレクション  作者: 天海 晴人
8/11

怖い話大会

Wさんが高校生の時の話だ。

きっかけは覚えていないが、クラスでは怖い話が流行っていた。

そんな中、始まったのが夏休み。

クラスメイトの一人が休み中に"怖い話大会"をしようと提案したらしい。

それに乗っかったのはWさんを含め、8名。

提案者を合わせると9名の人間が集まったのだという。


日程や場所はさくさくと決まった。

場所は仕事で両親がしばらく家をあける、という子の家に決まった。


そしてその夜が来た。

9名はリビングでワイワイと騒いでいた。

「始めよーぜ」

誰かの一言で用意した蝋燭に火を灯し、明かりを落とした。

誰も怪談を始める気配がないのを察してか、提案者が口火をきった。


「これは俺の友達が体験した話なんだが…」

……聞いた事のある話だった。

「それ知ってるー」

「ネットでみた」

みんなが口々にそう囃し立てる。

しかし、それでみんな肩の荷が降りたのか怪談を話始めた。


七不思議的な話。

インターネットで投稿されていた話。

それをアレンジした話。

聞いたことがある話ばかりだったが、それなりに盛り上がった。


「もうみんな話終わったかな?って時に急に空気が重くなったように感じたわけね…」


一人2話ずつ話す、というルールだった。

睡魔に襲われていたWさんは話を聞きながらも、誰が何話話したかをカウントしていた。

最後の話が終わった…と思った。


そのときだった。

「これはね…」

誰かが話を始めた。

それはどこかも知らない土地の話だった。

詳細は覚えていないが、とてつもなく不気味な話だったという。

嫌な後味を残す話が終わり、誰かが電気をつけた。

その日はそれでお開きとなった。


Wさんは道が同じだったTさんと話ながら帰ることにした。

「最後の話ヤバかった!Wって怖い話うまいじゃん」

「えっ?わたしじゃないけど…あれ話したの男子じゃん?」

「はっ?女の声でしょ?」

なぜか背筋が冷たくなった。

お互い別の話を指しているのかと思い、確認しあったがあの不気味に感じた話で一致した。


翌日、参加したメンバーに聞いたところ

「男の声だったよ」「女子だろ?」

とみんなその声の印象がバラバラだった。


「っていうかあれ、誰が話たんだろ?

男、女の前にそれがわかんないのが一番こわい」

Wさんは皮肉な笑いを見せた。

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