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コレクション  作者: 天海 晴人
4/11

背後の人影

Oさんの実家のトイレは和式。

屈むと目の前の壁は肌色のタイル張りだった。

「それに気がついたのは…幼すぎてもう忘れました」


用を足そうと思い屈む。

目の前のタイルには自分が反射する。

タイルのため、くっきり自分を写すわけではなく、よく見ると顔が認識できる程度だ。

さらにもう一つ。

──背後の人影──が見えるのだという。


「そいつ動くんですよ。背後でうろうろしたり、一番勘弁して欲しいのはぬーっと顔をわたしに近づけてくるんですよ…

性別はわかりません。ちゃんと写りませんし、じっと見てるのも気持ち悪いんで気づかないふりをしてます」


Oさんは実家のトイレにはなにかいる。

くらいに思いとどめていたようだ。

ただ、最近あることに気づいた。

その人影は職場のトイレでも見掛けるようになったのだ。

「いままで気づかなかったんです。ただこないだトイレが改装されて…洋式なんですけど、白い扉に光沢があって自分が写るんですよ」


それを気にするようになってからは外出先でも、同じ様な条件が揃うと背後の人影が目につくようになったのだという。


「まぁないでしょうけど…鏡張りのトイレとかはヤバそうですね。

あいつがなんなのかわかりたくもないです」

苦笑いでそう言うOさんの顔が印象的だった。

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