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コレクション  作者: 天海 晴人
3/11

中古車

父の友人Kさんは若いとき中古車のバイヤーをしていた。

中古車を仕入れ、売り捌く。

「あんときはそりゃ、大声で言えないようなルートでも儲けりしたさ」


「まぁそんときの話しや…」

何度も巡り合う車があったのだという。

それは人気のあった車種というのもあってか、すぐに売れる。

「でもなすぐ戻ってくるんや」

初めは同じ車種、くらいにしか思っていなかった。

ただその車には「どうしても剥がれないシール跡」があったのだという。

「大概のもんは溶剤つかって取れるんやけどな…

やっかい過ぎる汚れやからよく覚えとったわ。まぁそんときも汚れの分安くしたからすぐ売れてんけど…」


一年もしないうちに戻ってきたという。

それも数度続き、どうしても気になったKさんは取引先にこの車の経緯を聞いたらしい。

「事故は起こしたことないみたいなんやが…

持ち主心臓の病気で全滅や」


「まぁ昔の話しやからとっくに廃車なっとるやろな」

Kさんは祈るように呟いた。



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