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桜と海と翼〜出会い〜

目の前に広がるのは、青い海。

そして、今、立っているのはどこかの島。

空は太陽が笑うほどの晴天。

…ここは、どこ?


chapter 1:桜と海と翼 〜出会い〜


とりあえず、歩いてみよう。

なにか見つかるかもしれない。

僕は、この島を探索することにした。

見た所、人の手が入った形跡はなく、森が続いていた。

「人は…いないか…。」

周りを見る限り、木ばかり。

リスや鳥は見えるものの、人の姿は見当たらない。

「…とりあえず、この森を出よう。」

出ればなにかあるかもしれない。

今の僕には、わからないことだらけだ。


…どれくらい歩いただろうか?

森は続くばかりで終わりが見えない。

…が、ふと、水の音が聞こえた。

「…池?」

森の中に、キラキラと輝く池があったのだ。

吸い込まれるように、池に近づく。

そして、池の水をすくい、口に運ぶ。

「…ぷはっ!生き返ったァ!」

…いつから、ものを口にしていなかっただろう。

お腹は空いていないが、かなり時が経つ。

「…何か食べ物探さないとなぁ。」

そう思った時だった。


ふと、視線を感じたのだ。


…僕は、僕を見ているであろう、

その生き物の方を見た。


「…男の子?」

目線の先にいたのは、

木にもたれかかった、少年だった。



声をかけようとしたその時!

「!?」

上から人が降ってきた。

気づいて避けたからまだ良かったものの、

地面のえぐり具合から見て、

かなりの威力だったことがわかる。

こんなの、当たったらひとたまりも無い。

「…お前、あいつらの仲間か?」

「えっ?」

あいつら?って誰?

「あっ、えっとぉ、僕は…。」

「答えられないんっつーことは…?」

その人…いや、人じゃないかもしれない。

よく見ると、その手には普通の人の手ではなく、

綺麗な翠色の翼が生えていた。

鳥人…というやつだろうか?

…なんてこと考えてる暇は無かった。

その鳥人は、ものすごい勢いで僕に近づく。

そして、その翼を振り上げた。

やばい、やられる。

そう思った時だった。


「フォカ!」

「!?」

鳥人…フォカと呼ばれたその少年の動きが止まる。

叫んだのは、

「…カロル?」

木にもたれかかっていたあの少年だった。

「その…子は…違い…ます…。」

「カロル!?」

急いで駆け寄るフォカという少年。

顔色から見て、おそらくカロルと呼ばれた少年は

高熱を出しているんだろう。

すごく苦しそうだった。

あの子は、この子を守ろうとしていたのか。

「あの…僕はただ視線を感じて、振り向いたらこの子がいただけで…何も危害は加えてないですよ?」

「フォカ、僕があの子を見かけて、人がいる。珍しいなって見てただけなんです。そしたら振り向いて…。」

「…だァー!もぉー!分かったからそんな目で見るな!俺が悪いみたいじゃないか!」

カロルさんのおかげでなんとか納得してくれたようです。



「…そういや、お前、名前は?」

あの後、病人であるカロルさんを看病し、寝かせた後、僕はフォカさんと話をしていました。

「僕は、ラティ。あなた達は?」

「俺はフォカ。んで、こっちがカロル。」

「…あなた達は、僕の家族ですか?」

「…はぁ?」

あっ、この反応は違いますねwww

「あっ、すみません。変なこと言いましたねwww」

「あっ…いや、その…。」

なにか言いたげにこちらを見るフォカさん。

「同じなのかな?って思って…。」

「えっ!?」

同じ?その人たちも家族と離れ離れに?

「俺らもさ、仲間とはぐれた…んだと思う。」

「…思う?」

「記憶がないんだ。ただ、仲間がいるっていうのと…。」

カロルさんの方をちらりと見る。

熱は大分下がったようで、すやすやと寝ていた。

「こいつ…カロルが俺の仲間ってことだけだ。」

眠っているカロルさんをなでながら、

静かな声で言うフォカさん。

その姿はまるで、弟を見守る兄のようだった。

「…おふたりは兄弟なんですか?」

気になって、聞いてみた。

「いや、ただ歳は一緒。俺の方が上だけどな!」

ドヤ顔で言うフォカさん。

なるほど、歳が近いと接しやすいもんね。

(ドヤ顔はスルーしていく方針でwww)

「…今のところ、唯一の仲間だ。

…ほかの人も早く見つけないと。」

不安なのはわかる。

自分が何者かもわからない。

わかるのは大切な「何か」がいたこと。

それが僕にとっては「家族」であり、

彼らにとっては「仲間」なのだろう。

「…ラティも…見つかるといいな。」

「…えっ?」

「家族。探してるんだろ?」

「う、うん。そうですけど…。」

何もわからない自分の、唯一の手がかり。

…ちょっと羨ましいな。

側に誰かいることが。

自分を知っている、誰かがいることが。



「…あのさ、もし良かったらさ。」

「…ん?」

「…一緒に来ねぇか?」

「…えっ!?」

まさか!?心読まれた!?

「記憶ないんだろ?何もわかんねーだろ?

それに、女ひとりにしとくわけにはいかねーし。」

それともなんだ?ひとりで行くつもりだったのか?

と笑いながら言うフォカさん。

確かに、今は真っ暗な夜。

ひとりで出歩くのは危険だ。

「…あーっと…何かの縁だ。せめて家族1人見つかるまでさ…一緒に来いよ!」

…最後命令形だしwww強制?


でも…

「…僕なんかでよければ。…何もできませんよw」

せっかく人に会えたんだ。

(まぁ、出会いが色々と衝撃的だったけどwww)

ここで別れてしまうのも、なんか寂しい。

「別にいいさ。守るもん1つ増えるだけだし…。」

「ふふwwwよろしくお願いします。フォカさん。」

「こっちこそ、よろしくな。ラティ。」

この出会いは偶然か必然か。

はたまた、何かが僕らをつなげたのだろうか?

「…とりあえず、寝るか。」

「…そうですね。」

…こうして、人肌に触れるのはいつぶりだろうか?

暗くて寒い夜、木の下で寄り添う3人。


…ぼくはもう、1人じゃない。


chapter 1 桜と海と翼 〜出会い〜 END

はじめまして、ぺぽぺぽと申します。

この度は、私の小説を見ていただきありがとうございます。いかがでしたでしょうか?

まだまだ序盤で、手探り状態ですが、楽しんでいただけるよう、これからも頑張っていきます。

考えてる限り、初投稿にしてかなりの長編になると思います。

なるべく早く投稿できるように頑張っていきます!

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