一文一答 あなたの悩みをバサッと解決大作戦<5>
『 一文一答 あなたの悩みをバサッと解決大作戦』第五弾です。
質問に、一文で答えを出してしまおう。
一問一答にもじって一文一答してみました。
短編なので、ちょっとした暇つぶし程度に読んでいただければ、幸いです。
私のラッキーナンバーは5である。
今回で記念すべき5件目の質問回答である。
私は、質問投稿ボックスを覗き込む。
今日も、1通のみ入っていた。
今回は、珍しくて先生からの質問であった。
私は、この学校の生徒であるから先生に質問する側であるので、この投稿に驚きを隠せない。
まさか先生からの質問とは・・・。
(でも、うれしいな)
さっそく本題へ
『あなたが誰なのか私はしらないけれど、質問というか相談してもいいかしら。教師である私が、生徒に相談するとは、おかしなことだけど、いいよね。私ね、教師やってて、間違えたこと教えてたらどうしようと、いつも不安なんだけど、そんなこと他の先生に相談するのは気まずいのよね。
あなたは、この質問投稿ボックスだっけ?これの回答をするときに躊躇とかはしないの?まちがったこと伝えたらどうしようとか、逆に傷つけたらどうしようとか。
回答は、職員室前の黒板によろしく。』
さっそく回答といこう。
『多少の躊躇はありますが、回答する側が躊躇してたら生半可なことしか伝えられないと思うので、私は自信を持って回答しています。』
黒板にそう書く。
そう書いた私であったが、本心は違っていた。
質問について、後々になって考えると「本当にそれでよかったのか」「こう答えた方が良かったのではないか」と思い、自分の回答に自信が持てなくなっていた。
翌日、黒板のコメントを見た女教師は微笑んだ。そしてこう付け加えた。
『あなたの回答はしっかり届いていますよ。お互いがんばりましょう』
放課後、それを見た私の心には、もう迷いはなかった。