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名付け

第一話 名付け


家には猫がいる。

比喩的表現ではなく、本物の猫だ。


5月のある日、家の畑の納屋で野良猫が産み落とし、そのまま放置されていた子猫を母が拾ってきた。

そこには子猫が3匹いたが、2匹はすでに死んでいたらしい。その2匹は後で僕が畑の隅に埋めた。

生まれたての猫というのはすごく小さいもので、

僕の手のひらに乗っかるくらい。

目も開いてないし、顔もよくわからないけれど、可愛いものだとは思った。


母は家にある牛乳を温めて与えようとしたが、僕が何かの知識で、猫には人間用の牛乳を与えてはいけないことを知っていたので、それを母に伝えた。(多分、マンガか何かだと思うが…)

それを聞いた母は急いで近くのホームセンターに行き、猫用ミルクと猫用ほ乳瓶を買ってきた。

あんなに素早い行動をとった母を見たのは初めてだった。


僕の知識の中には、産まれたばかりの子猫を育てるには二時間おきにミルクを与えなければならないので、人が育てようとするとえらく大変だということも含まれていた。

ほ乳瓶でミルクをあげている母にそのことを話したが、僕の記憶も曖昧だったので、話半分と思われた。

それに自分は子供を何人も育てがことがあるから楽勝だとも。

それを持ち出されると、子育ての経験などない僕は意見のしようがないので、その話はそこまでだった。


けれど、母はネットで子猫の育て方を調べると、僕が言ったことが正しいと分かり、二時間おきに起きるのか~、と嘆いいていた。ちなみに、子猫を生まれたてから育てる人はあまりいないらしく、大半は親猫がある程度育ててかららしい。

そして当然僕もその子猫の面倒を見させてくれることになった。別に僕は頼みはしなかったが…。

その報酬は子猫の命名権だった。


別に名前を付ける権利など欲しくはなかったが、家内実力者の母親に逆らえることは出来ず、僕も子猫の面倒を見はじめた。

ちなみに名前は、家の双子の妹の頭文字をつなげてみた。一応メスだったので。

けど、その名前は字面はいいのだが発音しにくかった。名前を付けた直後はみんなその名前で呼んでいたが、

じょじょになまっていき、いつのまにか元の名前からよびやすい名前になってしまった…。

別に悔しくはなかったが、結局そっちが正式名称となった。


命名「むー」


家の猫はオカルト雑誌かよ!

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