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まずは土台から

「まずはどういう形にするか決めましょうか」

「クラスごとやる、とか生徒会で何かやるとか?」

「そうそう。そういう事です」


 改めて内容を確認しながらプリントに書き込んでいく。忘れている人もいるだろうが、フィリムの役職は書記。

 勿論字は綺麗だし、内容を解りやすくまとめて書いてくれるので助かる。なぜパソコンではなくわざわざ紙なのかは、何か書いて(記録して)いる気がしないから。だそうだ。性格はあーだが、生徒会長…つまり、リリアが指名して生徒会に入ってもらったのだ。優秀じゃない方がおかしい。


「案としては、各クラス自分たちの教室で何かやってもらう。生徒会や部活動で何かやってもらう。生徒会で企画したイベントを行う。くらいでしょうか」

「ざっくり考えるとそうだな」

「ですが、クラスごとと部活動ごとでやるとすると、両立するのが大変ではないでしょうか」

「もともと部活入ってる人少ないし大丈夫じゃないかな?」

「部活の数も少ないしな。それと、言い方はアレだが、クラスでやるものに不満があった場合部活の方で楽しめる事を出来る」

「確かにそうですね、クラス展は必ずやってもらうとして、部活はやりたいところは。という感じで進めていきましょうか」

「そだね、やりたいとこはやる。って位がちょうどいいんじやないかな〜。……これでどこもやらなかったら笑えるね」


 最後の部分はニヤリ。という音が聞こえそうな表情で言う。


「その点は大丈夫だと思いますよ。クラスではなく、個人レベルで好きな事をやってみたい方も居るでしょうから。それに、部活は部活で別に予算を組んでもらうつもりなので、部費から使うのは嫌だなー。という事も無いと思います」

「ホントに仕事が早いねぇ…はぁ」


 悪戯│《いたずら》(?)に失敗した。という様子で溜め息をつくフィリム。見たところそれだけではないような気もするが。


「話し合い。もとい仕事がスムーズ過ぎてつまらないなー。とでも思っているのか?」

「はっ!?クロくんは読心術でももってるの!?」

「何となくだ。しかし…あのフィリムが働きたいとは」


 含みを持たせてそう言うと、言いたい事に気付いたのか、しまった!という表情になる。

 俺の意図に気付いたのか、アルさんも話に乗ってきた。


「そうですね。では、これからはもう少し仕事を回してあげましょうか」


 微笑みながら追い討ちを掛けていく。

 流石リリアの選んだメンバーだ。能力だけではなく性格が面白い、と思う。


「えぇ。では早速全校集会用のパワーポイント制作をお願いしますか」


 勿論、笑顔でリリアも参戦。


「まって!そういう意味じゃないから!」

「では、どう言う意味なのでしょう?」


 このままでは本当にやらされる!と思ったのか(本当にやらせる気だっただろう)慌てて否定するも、リリアに追い討ちを掛けられる。


「え、えっと、さっきみたいに淡々と進めないでもっとあーだこーだ言いながらやろうってこと!」

「そうは言っても、ここにいる皆さん頭がいいですから。意見が食い違ってもすぐにお互いの妥協点を見つけちゃうんですよね」

「ゔ……」

「それに、こうやって楽しく話してるのではダメなんですか?」

「ぐはぁっ」


 フィリム、撃沈。


「リリアの勝ちだな」

「勝負とかではないでしょう。では、フィリムさんはパワーポイントお願いしますね」

「結局やるの!?」

「ええ、もちろん♪」


 リリアの完勝、だな。

 …というか、仕事が早くてもこうやって騒いでいるから結果としてそこまで早くないというな……だが、こういう雰囲気だからこそ早く終わるのだと思う。


「さて、次は予算ですかね」

「ちゃちゃっと決めてしまいますか」

「よーし、がんばろー」

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