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的当て決勝!

バレンタインの番外編執筆中ですよ!

楽しくて文字数凄いことになりそうです(๑òᆺó๑)

(そんな暇あるなら本編進めろよ

 3-10。

 25km/hの23mだな。極端で典型的な遠距離型といった感じか。事実そうだしな。

 これもいつもの事だから、周りの生徒も特に何も言わずに見守ってる感じだ。先生も特に何も言わずに設定をしている。


「スピード3でいいのか?」

「ええ、1度目は誰かさんと違って確実にいきたいですからね」


 軽い皮肉のつもりなのだろうが、ここは軽くスルー。


「そうか、頑張れよ」

「勿論です」


 リリアもスルーされた事を気にすることなく集中し始める。



「では、行きますよ」


 魔法陣が起動する。

 光る魔法陣に長い金髪が照らされ、いかにも魔法を使うぞといった雰囲気になっている。綺麗というよりは格好いいといった感じか。


 的が飛び出す。

 それと同時に左手を前に出し魔力を溜めていく。

 飛び回る的は俺の時と比べると当然遅い。だが、距離がある分難易度は高そうに見える。見えるだけだろうが。

 リリアは的の軌道を少し観察した後、すぐ両手を前に突き出す。


「はぁっ!」


 その声と同時にスキルが発動し、20m近く離れていた的が砕け散った。

 所々からおぉーといった声や拍手が聞こえてくるが、その音は俺と比べるとかなり寂しく感じられる。これが普通なのだが。


「ふぅ。こんなものでしょうか」


 自慢することもなく、これ位は普通。といった面持ちで戻ってきた。リリアはいつもあんな感じでただ的が砕けるだけだから地味だ。周りも「いつも通りだなー」みたいな反応だし。初めはいきなり的が砕けて驚いていたのだが、人間慣れると興味が薄れていくのだろうな。

 だが、実戦となると無駄なエフェクトが発生しないリリアの様なスキルはかなり使い勝手が良い。第一、見世物でもないのだし派手である必要は無い。派手にしたい奴は結構いるみたいだがな。


「やっぱ会長は凄いなー」

「棒読みですか?」

「いや違うって!あんな遠くに直接スキルを発動出来るのはホントにスゲェよ!」


 若干慌ててるってことは棒読みの自覚はあるのか。まぁ毎回同じだから飽きてくるのだとは思うが、それを表に出すなよ。


「そうですか?ありがとうございます」

「おう!それに、次は俺だからな、ちゃんと見とけよ!」

「あぁ。頑張れよ」

「負けないですからね!」


 そう言うと準備運動などを始め出した。

 ……別に岩石砲とかあるんだから準備運動はいらないと思う気がするんだが、気持ちの問題なのだろう。


 そして、レニアスの番が来た。

 やる気満々な様で、緊張や不安を隠しきれていない。色々言っていたがやはり勝てるかどうか心配なのだろうな。

 俺やリリアに勝つ!とは言っていたが、最大の敵は自分。緊張や不安に負けず、如何に己の実力を発揮するかが重要、か。

 魔法陣に立ち深呼吸をする。そして宣告。


「5-5…いや、5-6で行きます!」


 ほう。意外と上げてきたな。


「少し厳しそうですが、何とかなりそうですね」

「あぁ。俺よりは安定してると思うぞ。スキル的にも、技量的にも」


 俺のスキルは近接がメインだからな。近、中距離のレニアスの方が簡単だろう。それに、最近はスキルの精度だけではなく攻撃範囲も鍛えているみたいだし、なかなか期待できそうだ。


「では、行きますよ」


 魔法陣が起動し、的が飛び出す。


「うおおぉぉぉぉっ!」


 そんな無駄な気合いと共にレニアスの前に岩石が生成されていく。

 無骨な岩の塊はレニアスの魔力を受け、徐々に鋭く、鋭利な円錐型の槍へと形を変えてゆく。

 密度も高そうな鋭い槍を前方へ向け、的へ打ち込む。


「ああっ!?」


 しかし、槍は的を外してしまった。


「まだまだぁ!」


 が、その程度で諦める人間では無い。槍を遠隔操作して的を追いかける。


「……あれでいいのか?」

「いいんじゃないでしょうか。本人も頑張っていますし。あんな面白い事をする方もいるんですね」


 リリア…楽しんでるよな。心配している様で全く心配していないよな!?


 的と鬼ごっこをする事30秒。意外と速かった槍は的に追いつき、見事中心を貫いた。


「おっしゃあぁぁぁ!」

『おぉー!』


 汗だくのままガッツポーズ。良くやった…でいいのだろうか。微妙だ。


 俺以上の汗を垂らしながら戻って来ると直ぐに四肢を投げ出し地面に倒れ込んだ。


「疲れたぁっ!」

「お疲れ様でした。面白かったですよ」

「普通に乱射していた方が早かったんじゃないのか?」

「クロ…それは言うな」

「分かっていたなら意地を張らずに切り替えれば良かったじゃないか」


 そう言うと、渋々といった感じでレニアスが答えた。


「折角作ったランス無駄にしたくなかったんだよ」

「子供だ。此処に子供がいる」

「ふふふっ。そんな可愛い1面もあったんですね」

煩い(うるさ)!だから言いたくなかったんだよぉ!」


 顔を赤くして反論する姿もまた子供っぽいな。全く面白い奴だ。


 その後3人共やり直しはせず、難易度合計で

 俺:12

 リリア:13

 レニアス:11

 と、的当てはリリアが勝利したのであった。



 _______あと2戦。



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