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カツアゲ

「はぁっ…はぁっ……」


 足が痛い。もう走れない。


「どこいった!早く捜せ!」「あっちに逃げたぞ!追え!」「クソッ!あいつ何処に隠れた!?」


 大人たちの怒鳴り声が聞こえる。


「あいつを捕まえれば1年は遊んで暮らせる金が手に入るんだ!どんな手を使ってでも見つけ出せ!」


 声が近い。


 咄嗟に近くの箱に隠れる。

 臭い。汚い。ゴミ箱だったみたいだけど今はそんなこと気にしていられない。捕まったら何をされるかわからないんだ。この程度我慢できる。


「チッ。ここら辺にはいねぇみてぇだ!次行くぞ、おめぇら!」


 声が離れてゆく。なんとか助かったみたいだ。


 そのとき、ゴミ箱の蓋が開けられた。

 捕まる!そう思ったけど、


「もう大丈夫だよ」


 それが、俺と彼女の出会いだった。










 目が覚めると、目の前には___


「おはよっ♪」


 ___何もいなかった。


「え、ちょっと!無視して2度寝しないでよっ!」


 聞こえない。うん。何も聞こえない。


「今日は入学式なんだから早く起きてよ〜!」


 そういえばそうだったな。

 俺は身体を起こして、1番の疑問を尋ねる。


「で、なんでおまえはここにいるんだ?」

「え?起こしに来たんだよ?」


 勝手に人の部屋入ってくるなよ。鍵掛けてたはずなんだが。


「まぁいい。支度するから外でまってろ」

「は〜い」


 そういって、部屋から追い出す。


 ちなみに、さっき不法侵入してきたヤツはリリア。フルネームはリリアン・イリス・クェーサー。本人的にリリアンという響きが嫌らしくリリアと呼ばれるようになった(させられた?)。12年前、俺の力を狙ってた奴らから救ってくれた女だ。それ以来俺はリリアの護衛として暮らしている。

 リリアはあれでもお嬢様で、立派な豪邸に住んでいる。豪邸というより城と言った方が正しいかもしれないが。兎に角部屋が多くて、サッカーの試合ができるんじゃないかって位広い部屋もある。


 支度が終わり、使用人(メイド&執事)に見送られながら学校へ向かう。


 俺たちが通っている学校は私立特異能力者専門学校。通称スキル校。その名の通りスキルホルダーを保護・育成する学校だ。もちろん俺もリリアもユニークスキルをもっている。


 スキルっていうのはごく稀に生まれたときからもってる特殊な能力で、炎を出したり、身体を変化させたり、物体を召喚したりと、様々な能力がある。

 普通は火なら皆フレアだったり、身体強化ならブーストといった簡単なスキルを持って生まれるんだが、時々それとは違うオリジナルなスキルが出てくる。それがユニークスキルだ。

 ユニークスキルにも種類があるんだが、1度に色々言われても大変だろうし、気にしなくていいだろう。


 ちなみに、うちの城から学校へは20Km程離れているが、俺のスキルを使っているので通学時間は30分程度だ。

 この学校には寮もあるのだが、リリアは自宅のが居心地がいいらしく此処の学生には珍しい自宅通学だ。毎日毎日リリアを運ぶ俺の事も考えてくれよ。いや、リリアが重いわけじゃないぞ?


「そろそろ着くぞ」

「は〜い♪」

「頑張れよ、生徒会長様」

「恥ずかしいからやめてよ〜」


 そう。リリアは今年生徒会長だ。生徒会選挙では支持率70%越えで史上初の2年生生徒会長になった。本人は恥ずかしいとか言っているが、内心浮かれてるに違いない。実際にやけてるしな。


 学校に到着すると、まず目に入るのは巨大な壁。その壁を過ぎると次は町に出る。

 町と言っても校舎の前に武器や防具、その他アイテムを売っている店やカフェ等が幾つか建っているだけなのだが、幅10mの太い道に沿って商店街のように並んでおり、1Km程続いているのだ。


 そこを過ぎればスキル校に着くのだが、アクセサリーショップの辺りが騒がしいな。喧嘩か?


「何をしているの?」


 大きな声ではないが、リリアの声はよく通る。その声に気付いた女子生徒が反応してくれた。


「あ、生徒会長さん!実は魔力増強の指輪を買った新入生が2年生に絡まれてるみたいなんです!なんで新入生の癖にそんな物を買うお金もってるんだって」


 スキルを使うには魔力がいる。その魔力を増強する指輪は素材が少し貴重で新入生が手を出せる金額ではなかったはずだ。それなら少し稼ぎ始めた2年が絡むのも納得だな。


「なるほど…クロ。止めてきなさい」

「了解」


 そう答えたときには既に俺は跳んでいた。人混みを飛び越え騒ぎの元である2年の前に着地。そして左手を向ける。


「カツアゲか?手を出す前にやめておけよ?」


 いきなり出てきた俺に驚いている2年生2人に向かって警告する。


「お、俺らは入学初日に豪勢な買い物してっから注意してるだけだぜ?まだ力が弱いときに良いもん持ってっと危ねえぞって」

「例えば、お前らみたいなのに絡まれる。とかか?」


 こういったチンピラは少し挑発するだけで


「んだとテメェ!俺らは注意してただけだっつってんだろぉが!」

「アニキに何ありもしねぇこと言ってんだよ!」


 ほら、すぐ沸騰する。にしてもアニキとか呼ぶヤツまだいたのか。笑えるな。


「なぁ!俺らは何もしてねぇよな!?」


 アニキ(笑)が周囲を威圧するように叫ぶ。周りの野次馬たちは全員首を横に振った。人間集まると怖いよな。


「な……」

「言いたいことはそれだけか?終わったならさっさと教室行きな。始業式始まるぞ」


 トドメの挑発。するとアニキ(笑)は激昂した。


「ざけんなぁっ!なんで俺らが買えねぇモンを1年が買ってんだよ!おかしいだろぉがよぉぉ!」


 そう八つ当たりぎみに叫んで殴りかかってきた。スキルでブーストされたパンチだ。

拍子抜けだな。自分から絡んで行ったらしいからもう少しマシなスキルかと思ったんだが、魔力増強の指輪買えない訳だしこれ位か。


 俺はそれを受け流し、空いている右手で顔面にストレートを叩き込む。よろけたアニキ(笑)に追加の左アッパーも入れ、叩きつけるように右ストレートも加える。


「ふざけんなぁぁっ!」


 片手をついて耐えたアニキ(笑)だが、スキル無しでカウンターをされたことで更に怒ってまた殴りかかってくる。

 今度は左足を下げ躱し、その勢いを利用して手刀を食らわせる。ちゃっかり足を掛けて転ばせるおまけ付きだ。

 野次馬たちの前でコケるという恥を晒したアニキ(笑)に代わって子分が拳大の火の玉を放つ。それを拳で弾き、隙だらけの鳩尾を殴る。


「期待外れだな」


 チンピラ2人を無力化し、そうつぶやく。俺のその言葉をきっかけに野次馬も校舎へと歩き始めた。


「大丈夫だったか?」


 腰を抜かしている新入生に一応声をかけておく。


「だ、大丈夫です!1人で立てますっ!」


 やや見当違いな返事をした1年に近付いてきたリリアが優しく話しかける。


「ごめんなさいね。入学前にこんなことが起きちゃって、怪我とかしてないかしら?」

「あ、はい!全然大丈夫です!ありがとうございました!」


 新入生はそう言って少し頬を紅く染めながら走っていった。確かにリリアは美人だか、そこまで照れる物なのか?


「さて、この2人をどうしましょうか」

「そうだな……もしもし、2年B組のクロです。校則違反者2名確保しました……はい………では、あとはよろしくお願いします。…これでいいだろ」


 今のは生徒会役員に渡されている通信用のピアスだ。リリアが生徒会長になったとき、真っ先に副会長に指名したのが俺で、反対したのだが結局生徒会に入れられてしまったのだ。


「先生方に事情を話して早く会場に行きましょうか」

「今はキャラ作らなくていいんじゃないのか?」

「壁に耳あり障子に目ありよ、クロもそういうこと言わないようにしてくれないかしら?」

「了解」


 その後、先生に事情をざっくりと説明したあと、第1体育館へ向かった。

_______________________

 初めての小説ですので、色々変だと思いますけど、見つけたり、気になったらコメント下さい♪

 それと、飽き性なので不定期投稿ですし、いきなり辞めちゃうかもなのでご了承下さいm(_ _)m

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