自称・ドジッ子属性の大親友(笑)がウザ過ぎてしょうがないんだけど。~くるみのとある1日~
タイトル通りです。
先に『自称・ドジッ子属性の大親友(笑)がウザ過ぎてしょうがないんだけど。』を読んでからご覧ください。
※あとがきに残念あり
~とある日のくるみ~
「くるみー!おっはよ!」
「おはよー。チーは朝から元気だねぇ。」
「そりゃー朝練してるからね!目も覚めるって!ってかどーしたの?いつもより早くない?あたしに会いに来たの?」
「残念ながら違いますー。颯太がさぁ、弁当忘れてー。涼子さん(颯太のお母さん)に頼まれたんだよね。あいつ、これないと午前中死んでるから。」
「あぁ。そういえば朝練の後いつも食べてるもんね。くるみの手作り?」
「涼子さんに頼まれたって言ったでしょ。なんで私が作らなきゃなんないのさ。面倒くさい。そーいうのは彼女に作ってもらうべきだよ。」
「でも颯太くんってイケメンでモテッモテなのに、告白ぜーんぶ断ってるんでしょ?なんでかなー(ニヤニヤ)」
「さぁ?あいつまだまだお子さまだからねぇ。まだ恋とかしたことないんじゃない?図体ばっかりでかくなっちゃって、困ったもんだよねー。」
「…………(初恋もまだっていうくるみに言われたくないと思うよ!颯太くん、どこまで不憫なの。笑っちゃうんだけどw)くるみ?あたしのこと、好き?」
「大好きですけどナニカ?」
「や~んあたしも大好きーー!!」
「なに急に。やっぱり寝ぼけてんの?」
「くるみはそのまんまでいてね!(あたしらが面白いから!)」
「??うん。」
変なチー。部活のし過ぎでおかしくなった?
あ、そろそろ体育館行かなきゃ。朝練終わる。
「くるみ!」
見つけるの早くない?ちゃんと練習に集中してよ。
「どしたの?俺の練習見に来たの?」
「違うわアホ。これ。まーた忘れてったでしょ。いい加減にしないとどつくよ。」
「あ!悪い悪い!急いでるとつい忘れちゃって。ありがとな!」
「ほんとよ。帰りにアイスね。」
「一緒に帰れんの!?」
「買って家に持ってきてって意味。」
「なんだよ~期待しちゃったじゃん!」
「なんでわざわざ颯太の部活が終わるの待ってなくちゃならんのさ。私もー行くね。眠い。」
ちっ、颯太のせいで10分も早く起きちゃったから眠いわ。教室で寝よ。
「待って待って!せっかく来たんだから練習見てってよ!」
「やだ。つまんない」
「冷たい!今からミニゲームだから!そしたらつまんなくないっしょ?」
「…………まぁ、たまには見てあげてもいいよ。」
「やりぃ!じゃああっち座ってて!すぐ始めるから!」
こいつも朝から元気だなぁ。私だったら絶対やりたくないのに。
体育館の壁に寄りかかりながら3on3を見る。颯太はでかいわりに俊敏に動いて小回りがきくから、えーと、なんだっけ。なんとかフォアード?をやってるらしい。しかも次期キャプテンだとか。すごいなぁ。がんばれ。おー、勝ってる勝ってる。いや、こっち向かなくていいよ。手も振るな。集中して。
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「やったー!勝ったーー!あ、ありがとうございましたっ!くるみ!勝ったぞー…って、寝てる?」
うわー、本当に寝ちゃってるよ~。せっかく俺の勇姿見せたかったのに!……ま、いっか。今度の土曜日に見に来てもらうし。あとで確認しないとな。くるみのことだから忘れてるかも。バイトは休み取ってたみたいだけど、信用出来ない。
…………くるみの寝顔、久しぶりかも。無防備で、可愛い。中学の時はゲームの途中とかでも寝てたけど、最近はそんなことなかったしな。ってか賀来斗(くるみの弟)が妨害してくるからなぁ。昔はもうちょっと俺に懐いてくれてたのに、今じゃすっかり敵扱いだし。将来は俺の義弟になる予定なんだぞ?……ちょっと恥ずい。
あ、前髪伸びてる。切ってやんないと。しっかし、相変わらずサラサラだなぁ。いつまででも触りたくなっちゃうよな。触るのは、俺だけにしておいてよ?武田とか武田とか武田とか、ほんと勘弁だし。
くーるーみー?いつになったら気づいてくれんのかなー。いや、はっきり言わない俺も悪いんだけど。言ったら言ったで我慢きかなそうなんだよなぁ。その内押し倒しちゃうかも。
くるみ、
「好きだぞ。」
「…………んぅ?」
えっ!?このタイミングで目覚ます!?どどどどーしよっ!誤魔化す!?冗談にしとくっ!?
……いや、チャンスかも。これを機にくるみに俺の気持ちを知っておいてもらおう。うん。知ってるのと知らないのとじゃぁ違うもんな。断られるのは、まじ泣いちゃうだろうけど。
「……くるみ、俺ほんき」
「無理だよ。」
やっぱりーーーー!!!ぁ、涙が…
「流石にこの時期はねぇ。もっと涼しくなってからの方が美味しいと思うんだけど。」
……ん?なんの話だ?くるみは何時だってオイシソウだけど、
「ってかなんで急にすき焼き?颯太、そんなに好きだったっけ?」
なにこのベタな展開ぃーーーー!!
え、『好きだぞ』が『すき焼き』に聞こえんの!?普通聞こえなくない!?わざとなの!?
「……そんなにガッカリしなくても。ん~、わかった。今日は私が当番だからすき焼きにしてあげるよ。食べにおいで。」
うん。くるみは本気で俺がすき焼き食べたいと思ってんだよな。わかってる。こんなの、昔からだもんな……。
「…………すき焼きはいい。ハンバーグが食べたい。」
「(うちで食べることは決定なんだ。別にいいけど。)わかった。玉ねぎゴロゴロハンバーグね。」
「うん。あ、くるみ、今週の土曜日、来てくれるでしょ?」
「今週の土曜日?…………なんかあったっけ?」
「やっぱり忘れてるーー!バスケの試合があるって言ったじゃん!」
「そうだったっけ?」
「そうだった!ちゃんと手帳にも書いてあるじゃん!」
「えー?……っと、ほんとだ。でも颯太の字じゃん。何勝手に書いてんのさ。」
「くるみがいいよって言ったんじゃん!だから書いておいたのに~」
「あー…ごめん、覚えてない。専らシフトしか見ないから。そこに予定も書いちゃうし。」
「手帳の意味なし!」
「うるさいなぁ~行けばいいんでしょ、行けば。」
「なんか投げやり!」
「ハイハイスミマセンデシター……あれ?今週の土曜日って、武田くんと出掛ける日だったはず。ごめん、行けないや。」
「なんで武田っ!?」
「アクション映画のチケットがあるって言うから。」
「俺も行く!」
「あんた試合って自分で言ったじゃん。」
「あーーうーー、どーしよ……試合には出なくちゃダメだし、でもくるみと武田を二人っきりにさせたくないし……」
「なにブツブツ言ってんの。んーー、武田くんに日曜にずらせないか聞いてみるよ。颯太の試合の方が先だったみたいだし。」
「えっ!?ほんと!?」
「うん。だからちゃんと勝ってよね。じゃないと……」
「じゃないと、なに?」
「何でもない。ほら、着替えてきなよ。お弁当食べる時間なくなるよ。」
「やべ!じゃあ着替えてくるけど、くるみは待って」
「ないよ。」
「だよな。うん、知ってた。」
「じゃ、先に行くね。」
「うん。」
くるみが待っててくれないのは寂しいけど、俺は上機嫌だ!武田と二人っきりのお出掛けも阻止したし(俺も一緒に観に行こうっと!)、試合には来てもらえるし!嬉しいこと続きだなぁ。
……あれ?さっきまで落ち込んでなかったっけ?ま、いっか。夕飯は玉ねぎゴロゴロハンバーグだしな!
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颯太には勝ってもらわないと。私が観に行った試合で颯太が勝つと、涼子さんからお小遣い(という名の図書カード)がもらえるんだ!がんばって応援してくれたご褒美だとか。結構いい収入になるんだよね。マンガとかなかなか買えないし。よし!今回もがんばって応援しよ!
「たーぁーちゃんっ♪」
あ~音符ウザい。朝から抱きつかないで、鬱陶しい。
「おはよ。」
「おはよん♪なんで校門からじゃなくて体育館からなのぉ?」
「あー……颯太が朝のお弁当忘れていったから、届けに行ったの。」
逐一報告しなくちゃいけないの?
「そぉなんだ!颯太くんもドジだね~わたしと一緒だ!ふふっ」
なんなんだそのお揃いアピール。勘弁して。
「ソーダネ。」
「うん!後で颯太くんにも教えてあげよっ!」
え、なにを?
「ねぇねぇたーちゃん、今日のシュシュね、新しいのなんだ!かわいい?」
「あー、うん。カワイイカワイイ。」
「ふふ~!ここにね、チャームがついて……あれ?付いてない。……あー!持ってくるの忘れちゃった!大変!」
全然大変じゃないよ?
「これ昨日のだー……ショック、今日のやる気全部なくなっちゃったよぉー!たーちゃん~~」
泣きつかないで、ほんとに鬱陶しい。こっちはマンガを買うのにも躊躇うのに。(ゲームは躊躇わない)なんで毎日毎日髪飾りが違うのを自慢されなきゃならんのだ。いい加減にして。
「高田。」
「あ、おはよ、武田くん。」
「おはよ。今週のことなんだけど、」
「あ~ごめん、日曜にずらせないかな?先に予定が入ってたみたいで。」
「それは別にいいけど。予定って?」
「颯太のさ、試合をね。大分前に約束してたみたいなんだよね。ほんとごめん。」
「颯太な……俺も見に行こうかな。」
「じゃあ一緒に行く?颯太のお母さんも一緒だと思うけど。」
「別に構わない。」
「んもぅ!またわたしを除け者にしてぇー!なんの話?わたしも一緒に行く!」
分かってないのに付いてくるのか……。
この時の私は本当に迂闊だった。しっかり付いてきた小田ちゃんの所業で、ものすごい後悔するはめになるとも知らずに……
~颯太のとある妄想~
「くーるみっ!待った?」
バスケの練習試合が終わったあと、ようやっと想いが繋がった彼女!俺の彼女となったくるみと帰るために待ち合わせしてたんだけど……あれ?反応なし?後ろから抱きついたから!?
「く、くるみ?どしたの?」
「颯太……」
「うん、なに?」
振り返ったくるみの顔が見えなくて怖い!
「…………して。」
「え?ごめん、聞こえなかっ」
「だから!……チューして。」
「はっ!?」
え!?なになにどーしたのくるみ!くるみがそんなこと言ってくるなんて、
「イヤなの?」
「イヤじゃない!むしろいっぱいしたい!」
「いっぱいはいい……それより、今するの?しないの!?」
「する!します!!させてください!!!」
チュッ
「……(いきなりすぎて軽くなっちゃった)もっかいしていい?」
今度は深いやつ!
「……もぉいい。」
ギュム
なに!?くるみが急に抱き付いてくるなんて、俺死んじゃう!(悶えすぎて)
「くるみ?なんか、あった?」
「…………だって、かっこいいから。」
「へ?」
「試合中の颯太、すごいかっこよくて。女の子にキャーキャー言われてて。……不安になった。」
…………死んでもいいですか?
いや死ねない!こんな可愛いくるみを置いて死んだり出来ない!!
「くるみ。俺にはくるみだけだよ。ずーーっと前から。なんなら母さんに聞いてみなよ。俺が何歳からくるみのことが好きだったか。」
「……いい。もう聞いたから。」
さすが母さん。遣り手だね!
「じゃあ不安になることないだろ?」
「うん、でももうちょっとこのままで……」
あーーもーーー可愛すぎるーー!
ほんとに、ほんとに!彼氏になってよかった!こんっな可愛いくるみ、俺だけしか知らないんだもんな!ずーーっと俺だけだもんな!
「くるみ可愛い!」
「……苦しい」
へへへ~♪
・・・・・・・・・・・・・・
「お母さん~、お兄ちゃんがまた寝ながらニヘニヘしてる~。」
「ほっときなさい。どうせまたくるみちゃんの夢でも見てるんでしょ。はぁ~、さっさと告白してお嫁に来てもらえばこっちも万々歳なのに。」
「その前に何回フラれるかなぁw」
「くるみぃ~もっかいしよ~」