キミと一緒ならっ!!
1「禁断の仲・・・?」2「気持ちの変化」3「言えない事情」4「彼氏と幼なじみ」5「HAPPY BIRTHDAY!」6「キミと一緒ならっ!!」の順番で読んでください。
「ねえ、明日から学園祭準備だね・・・」
「ここは喫茶店か・・・地味ー」
そうそう。英城&藤野君の誕生日の後は学園祭!9月10日。
夏休みをまたいじゃうけど。
うちのクラスは喫茶店。ウェイトレスは執事服&メイド服を着るらしい・・・
「どっかのクラスで、カップルコンテストあるんだって。」
れんの言った言葉に、私はピクッとした。
「優花、行きたいの?」
後ろからの声。いつもいいタイミングで話しかけてくる、英城と藤野君。
「別に、そんなことないよ?」
いやいや、何嘘ついてるんだ。バカ!
「顔が行きたいって言ってるよ。」
「・・・英城に嘘はつけないね。」
「行きたいなら一緒に行こうよ。」
え・・・嬉しい!私は、人目を気にせず英城に抱きついた。
「ゆ、優花・・・ここ、教室・・・」
「あ、ごめん・・・」
私は、とっさに手を放した。
「ねえ、れん。僕達も行く?そのコンテスト。」
「いいよ!」
「ねえ。今日、ウェイトレス決めるんだよね?」
できるだけやりたくないな・・・
「「ウェイトレスは絶対にパス!」」
「へー・・・でも、メイド服着てほしいな・・・」
「だったら、執事服着てよ!」
結局、みんなウェイトレスをやりたくないみたい。普通だよね・・・
「今からウェイトレスを決めます。立候補はいない?」
推薦にしたらいいのに・・・って、それもダメ!あの2人に推薦される!
結局、誰もいない。こりゃあヤバい雰囲気・・・
「では、推薦で・・・」
そう言うと、女子は立ち上がって言う。
「菊川君!」
「藤野君も!」
さっすが2人~・・・この2人でいいのに。
「じゃ、俺は優花がやるって言ったらやろうかな。」
「僕も、れんがやるって言ったらやるよ。」
「「はぁっ!?」」
そんなこと言わないで!
「優花ちゃん!れんちゃん!やりなさい!」
これはいつも真面目な悪魔委員長だった・・・司会は、司会!
「「遠慮しとく」」
私とれんは、二重奏で拒否をした。でも・・・
「ダメよ!2人に拒否権なんてないの!」
委員長、ほんっと悪魔だよね・・・拒否権くらい持たせて・・・
「2人の執事服姿を見たくないの!?」
いや、見たいんですけど・・・
「俺達、優花達のメイド服姿見たいな~」
そんなこと言わない!あんな笑顔で見られたら困るじゃん!
私はれんと見合わせた。れんと私は、一緒にこくんとうなずく。
「「やります・・・」」
やる気なさげに答えてしまった・・・
でも、これで英城達の執事服姿が見れるけどさ・・・
「では、この4人で決定!」
悪魔委員長の悪魔発言は、まだまだこっからだった・・・
「あのさ、優花ちゃんとれんちゃんと菊川君と藤野君。」
「委員長、どうしたの?」
「1日目午前はメイド姿で、午後は執事服で、2日目はその逆でやりたいんだけど。」
えっ!もしかして、暇な時間はバラバラ!?そんなのいや!
「それで?」
「優花ちゃんとれんちゃん、男装して!菊川君と藤野君は女装!」
「「「「は?」」」」
見事にそろう声。当たり前か・・・
「お願い!」
「私達、出っ放し・・・?」
「いや、暇になったら2人は抜け出してもいいよ。」
男装って、執事服着ろってこと!?
「んー・・・れん達がやるってなったらやろうかな。」
またそういうことを言って・・・
「「どうする・・・?」」
「んじゃ、やろう!」
何故か委員長が答える。このっ・・・悪魔委員長めっ・・・呪ってやりたい!
「優花、別に無理しなくても・・・」
「無理してでもやってください!」
悪魔委員長め・・・英城がせっかく気遣ってくれたのに!
「なんでそこまでやるの?」
私が聞くと、悪魔委員長は控えめに答えた。
「もうクラスのみんなに言っちゃったんだ。この4人をウェイトレスにって。」
私はめまいがした。何それ!勝手に決めたってこと?
「なんで私達なの?」
「だってさ、4人とも美形だもん!男装でも女装でも似合いそうだし!」
何それ・・・私達、美形じゃないし・・・
「「私達は美形じゃないの!」」
「2人とも、この学年で1番きれいじゃないの?」
絶対お世辞だ・・・私達を煽て上げようとして・・・
「れん達は確かにきれいだよ。」
「学年1位と言ってもおかしくないけどな。」
英城達に言われて、顔が真っ赤になる。さすがに彼氏に言われたら・・・ね?
「ってことで、4人ともよろしく~」
「「え゛っ!」」
勝手に決められてしまった・・・
委員長、本当に悪魔委員長だ・・・
「ま、一緒にやろうね。」
「執事服、楽しみにしてるね。」
あー・・・悪魔委員長のせいだ・・・
「んじゃ、試着してきて」
「「「「え?」」」」
「よろしくー!あ、最初にメイド服ね!」
委員長は、それだけ言い残して帰って行った。
今、私達は女子更衣室で着替えていた。
「なんでメイド服と執事服があんの?」
「委員長の家ってデザイナーだよ?」
「あ、そうか。」
れん、何度も言うけど忘れっぽいよね。
「男装用にウィッグまである・・・」
「本格的だね。」
私達は、ひとまずメイド服に着替えた。
「「めっちゃピッタリ!」」
私達は、この服で教室に帰ることにした。でも・・・
「この格好で校内歩くの・・・恥ずかしくない?」
「確かに恥ずかしい・・・」
だって、ノースリーブだし、スカートはミニだし、ふりふりしてるし・・・
でも、行くしかないんだ・・・
私達は、教室に帰ることにした。
ガチャ
ドアを開け、体育館に出る。すると・・・
「「似合ってるね」」
男子更衣室の前にはメイド姿の英城と藤野君がいた・・・
「「あっ!見ないでっ!」」
「なんで?似合ってるのに。」
「可愛いよ」
でも・・・恥ずかしいよっ・・・
それより・・・英城達、私達より女子力あるかも。可愛い・・・
「「そっちこそ似合ってる!」」
「そう?ありがとう。」
「ウィッグなんて本格的だね~」
英城は茶髪でくるくるパーマのロング。
藤野君は黒髪でさらさらストレートのロング。
私達は真剣に聞いた。
「「・・・女の子なんじゃないの?」」
「男だよ。男だかられんと会えたし嬉しいけど。」
「俺も優花と会えたから男でよかった!」
藤野君と英城が言う。なんでこんなことをサラッと言えるの・・・?
「じゃあ、教室行こうか」
「あ、あの~」
私達が教室に入る。すると・・・
「きゃああ!似合う!!」
大歓声とともに、私達は女子に囲まれて動けなくなる。
「4人とも、『おかえりなさいませ、ご主人様』って言ってみて!」
「菊川君と藤野君、ぜひうさぎのぬいぐるみを抱いてみてください!」
「優花ちゃんとれんちゃん、ネコ耳つけて!」
うわ~何このリクエスト。しかも、何枚も写真撮られてるし・・・
「えっと・・・執事服に着替えてくるねっ!」
4人で体育館に逃げた。
「はぁ~・・・」
「まずは、着替えてこよっと。じゃ、またあとで。」
私達は、女子更衣室に入り、着替えた。
「ウィッグってめんどう・・・」
うん、本当にめんどくさい。
「執事服のサイズもぴったり・・・」
「「委員長、万能すぎるっ!!」
私は黒髪でストレートなウィッグ、れんは茶髪でストレートなウィッグ。
執事服はさっきのメイド服とは違ってかたい感じ。
ガチャ
また、私達は体育館に出た。
「「カッコいい・・・」」
やはり、体育館には英城と藤野君がいた。
思わず言ってしまうほど、様になってる。
「今回は隠さないんだ?」
藤野君のそのセリフで、私達はハッとした。
「「ああああ!!」」
「大丈夫、似合ってるよ。」
「でも、カッコいいよ。男の子なんじゃないの?」
さっきのお返しみたいに言われちゃった・・・
「「正真正銘女です!」」
「かなり様になってるけどね。」
「教室帰りにくい・・・」
「確かに・・・」
あーあ。悪魔委員長があんな発言しなければなぁ。
「「行こうか?」」
逃げろ!と思った瞬間には私の腕は英城に掴まれ、れんの腕は藤野君に掴まれ・・・
つまり、逃げれない状態で私達は引っ張られながら教室に行くハメになった・・・
教室に着くまで、私達は何度抵抗したか。それは誰も知らない。(数えきれない。)
「ただい「きゃあああ!!似合うーーーーーー!!!!」・・・ま・・・」
私が「ただい」だけしか言ってないというのにかなりの叫び声だった。
気付くの早すぎ・・・
私達はまたたく間に囲まれ、動けなくなった・・・
「藤野君と菊川君は正統派執事!カッコいい!!」
「優花ちゃんはS系執事!萌える!!」
「れんちゃんは天然執事!可愛い!!」
何がS系執事なの・・・ 女子のみなさん、萌えなくて結構。
しかも、また写真を撮られてしまった。
「優花ちゃん、伊達メガネかけてみてよ!S系には必須だよ!」
「れんちゃんの天然系執事もアリかも。新しい執事ね!」
「藤野君、にっこりスマイルで『お帰りなさいませ、お嬢様』って言ってください!」
「菊川君、レディファーストでエスコートしてくれませんか!?」
私達4人は、困り果てた・・・
なんで伊達メガネをかけなければいけないの・・・ だから私はS系じゃないって・・・
しかも、英城は私の彼氏なんだから・・・ちょっとムッときた。
だからと言って、怒るわけでもないし。
「4人で執事とか、マジ最高なんだけど!」
メイドはどうした、メイドは!
「うんうん!男装女子って設定がいいよね!」
女装男子はどうした、女装男子は!
「優花ちゃんとれんちゃんに惚れたかも・・・」
いや、女から惚れられてもですね・・・
「女なのに男になれるなんて、神!」
男が女になるほうが神だと思わないのね・・・
とにかく突っ込みどころ満載のクラスメイト(女子のみ)の会話。
これで出るのか・・・ 喫茶店に・・・
英城と一緒って言うのが一番嬉しいんだけどさ。
そう思っていたら、英城から声をかけられた。
「学園祭楽しくしようね、優花!!」
「もち☆頑張りますよ、キミと一緒ならっ!!」
私は今、とびっきりの笑顔だよ―――・・・キミのおかげでね。
最後まで読んでくれてありがとうございました!
次の舞台は学園祭当日!・・・といいたいところですが、夏休みです!
夏休み編は、何回か続くかもしれません。
しかし、夏休みの次は必ず学園祭なので!
これからも、よろしくお願いいたします!