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闇バイトでダンジョンコアを壊したらダンジョンマスターになりました ~ここはダンマスが狩られる世界です~  作者: 水城みつは
第一章『璃瑠神迷宮』

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第9話 璃瑠神迷宮2

「そーれっと。罠が多いだけでモンスターはオーソドックなのばかりだし相変わらずの初心者向けのFランクダンジョンかなぁ。あ、上層から罠があるからやっぱりEの方が良いかなぁ」


 三階層以降は麻桜まおうさんが先頭に立って進んでいる。二人パーティである真神まがみ達は交互に先頭を変えて探索するスタイルらしい。


「私は〚守護者ガードナー〛だからしろくんの前で守るっていうのに、白くんは【狩人ハンター】で斥候系だから前を歩くって言うんだよ」

 とは麻桜さんの弁だ。結局どちらも譲らず階層毎で変える方式になったらしい。

 ちなみに、麻桜さんも罠は避けずに踏んでいくスタイルだった……。


 そんなわけで三階層、四階層は麻桜さんが先頭に立ち、出てくるモンスターを鎧袖一触とばかりに殴り飛ばしている。


『【守護者ガードナー麻桜まおう 彩花さいか。『ダンマスゲーム』のヒロインで幼馴染の【狩人ハンター真神まがみしろとともにダンマス狩りを行う狩人。しかし、巨大な盾を使用するとマスターの知識にあるのですが……何も持たずに殴ってますね』

「俺にもそう見える。【守護者ガードナー】って超近接攻撃職だったんだな……」


「んーんんー、いま秋都あきとくんになんだか呆れられた気がしたぞぉ」


 長い黒髪がふんわりと舞うようにして【守護者ガードナー】がくるりと振り返った。


「あー、いや、守護者ガードナーって言うから盾を使うもんだと思っていたからびっくりしただけで……」

 しどろもどろになりながらちょっと目をそらしつつ答える。声には出してなかったはずだがなぜわかった?


「なるほどね、単にこのダンジョンが迷宮タイプで盾や剣を使いづらいから出してないだけだよ。それに、まだモンスターも全然弱いしね」

 そう言った麻桜さんが手を持ち上げたかと思うと顔の半ばで達するサイズの大盾が現れてその姿を隠した。


「はぁっ?!」「うぉっ!」

 マジックバッグに手を掛ける仕草もなしに突如現れた大盾に俺だけでなく西戸さいども声を上げた。


「ふふっ、びっくりした? 〚守護者ガードナー〛の能力で、一瞬にして装備を換装できるんだよねぇ。これがまた便利でさ、例えばお出かけする時とかにどの洋服を――あ痛っ!」


「お前ら、遊んでる場合か、階段だぞ。次で五階層目、通常であれば階層ボスも居ると思う。みんな準備は良いか?」

 真神がドヤ顔で語りだした麻桜さんの後頭部に軽く手刀を入れていた。


『今でこそ環境依存の侵食型の迷宮ダンジョンが多いですが、初期の頃はいわゆるゲームっぽい迷宮ラビリンス型ダンジョンが多く見られました。この璃瑠神りるがみ迷宮ダンジョンもその一つと考えられます。このような迷宮では何階層毎かに階層ボスと呼ばれる番人となるモンスターが――』

 脳内に響くメルリンの解説を軽く聞き流しながら五階層への階段を降りる。

 この階段の長さ分だけ地面というか天井があるのか、それとも、単に異空間の狭間となっているのか……。


「やっぱり五階層目は以前と変わらずボスがいそうだ」

 先に降りた真神が広い一本道を前に振り返った。


「これは、ボス部屋一直線コースかな?」

 西戸、麻桜さんと降りてきて皆が揃う。


「いや、先の方に何匹かのモンスターの気配がする」

 真神の言葉が終わらぬ内に前方にウルフ系のモンスターの姿が見えた。


「おお、ワンちゃんだ。白くんたちはゆっくりで良いよ」

 言うなり麻桜さんは走り出していた。


「ちょっ、彩花待て、この階、罠が多いぞ!」

 慌てて追いかけようとする真神の足元で小さく音がする。


―― カチッ


「ちっ!」

「白くん!」

『マスター!』

 真神の足元から魔法陣が広がる……


 赤く光る魔法陣はあっという間に通路いっぱいに広がり、立ち止まった麻桜さんをもその範囲に含んでいる。

 そして、振り向く麻桜さんの姿を見つつ俺たちは転移した。



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