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闇バイトでダンジョンコアを壊したらダンジョンマスターになりました ~ここはダンマスが狩られる世界です~  作者: 水城みつは
第三章『夢ノ宮公会堂』

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第36話 夢ノ宮公会堂5

「照明もう少し落としてー!」

「出演順もう一回確認お願いします」


 昼食後は通しでの全体リハーサルが行われている。

 この段階になると雑用だけの俺の役割はない。


「それでは、リハーサル開始しまーす!」


 一旦照明が落とされる。


「……3、2、1、ナンバーワン地下アイドル決定戦、はっじまるよ~!!」


 スポットライトと共に総勢二十名近い地下アイドルが次々と現れて歌い踊る。


「すっずりーん!」「チ~シャちゃ~ん!」

「ルナさまー!!」


「おいおい、商業科の先輩達ノリノリだな。あ、ペンライト振って踊ってるのは秋高の芸能科の助っ人か」

『マスター、あれはペンライトではなくデバイスの背面ライトです』


「え、マジ?! おお、本当だ。そう言えばこれって着信時にも光ってたな」


 どうやら曲目に合わせて制御されているようで一斉に色が切り替わったりしている。


「すずりーん!」「すっずりん、すっずりん!」


 鈴音の出番時にはドローンが照明を追加していた。

 どうやらドローンによる演出も鈴音の演出スタイルの一つらしい。


 一曲歌い終えて次のアイドルと交代する。人数が多いこともありサクサク入れ替わっていく。


「秋都さん、どうでした?」

 息を切らせた鈴音が声をかけてくる。


「前にデパートの屋上で見た時以上に躍動感があったよ、流石だな」


「えへっ、ありがとう。今日はなんだか体が軽いんだ。あ、ちょっとタオル取りに控室に行ってくるから千紗達が来たらそう伝えて」

 そう言うと鈴音は下へと降りる階段の方へと向かった。


「体が軽い……か。なあメルリン、大分やばくないか? たぶんスキルも発動できるぞ」


「何がやばいんだね?」


「おわっ、紫苑しおん先輩驚かさないでください。戻ってきたんですか?」


「ああ、秋高の人達との打ち合わせが終わったんでこっちを見に来たんだが、で、何かまずいことでもあったかい?」


「いや、リハーサルは順調ですが、恐らくここの魔力濃度があがってます。たぶん、ダンジョン並みに――」


―― バタン


「あ、すみません、今日は貸切で入場できな――うわっ」


 入り口から黒フードの何者かが三人、押し入ってくるなり、制止するスタッフを突き飛ばす。


「黒フード……?」


「まずい、侵入者だ! 止めろ!」

 紫苑先輩が叫ぶ。


「動くな! 近づけば容赦はしないぞ!」

 黒フードがローブの内側から短剣を取り出して構える。


「ちっ、お前達は何者だ! いや、セイクリッドラビリンス教なのは分かっている。何の目的でここに侵入した。ここにはお前達が欲しがる物なぞ何もないぞ」


 黒ローブ達から目を逸らさず紫苑先輩が一歩前へと出る。


「なっ、なぜそれ……いや、何のことだ」

「なぜここに侵入しただと、侵入したのではない。ここが我々の聖地となるのだ。さあ、お前達も新たな歴史の生き証人となれることを喜ぶが良い!!」


 リーダーらしき男が懐から小さな木の実のような物を取り出した。


迷宮種ダンジョンシード!! 止めろ!!」

 先輩が走り出すも止めるには距離がありすぎた。


 男は種を床へと落とし――


―― ズズン、ズズズズ、ズズン


 世界が揺れた。


「うぁぁっ!!」「何だぁっ」

「きゃーーーぁっ」


「神よ!!」


 恍惚とした表情で天を仰ぐ男のローブがはためき、真っ白い裏地が見えたところで黒い地面に飲み込まれた。


「なっ! 離れろ!! 全員、外に避難だ、急げ!! 迷宮ダンジョン発生スポーンだ!!」

 走り出し、揺れに立ち止まった先輩が慌てて引き返す。


―― 迷宮ダンジョン発生スポーン


 この世界において予測できない災害の一つに数えられている。

 その原因については未だ不明と言われているが、原因の一つはダンマスによる迷宮ダンジョン再構築リビルドによる、と最近知った。

 そして、今、別な原因を知ることとなった。

 迷宮ダンジョンシードによる人為的な迷宮ダンジョン発生スポーン


「全員出口から外に出ろ! 緊急通報は……ちっ、デバイスが死んでる。外に出たらギルドに連絡! 倒れたやつは無理矢理引きずって良い!」

 紫苑先輩が出口の方を指差しながら矢継ぎ早に指示を出す。


 迷宮発生における生存率は限りなく低いが、生還者の共通点があり、それは役職ロールの発現である。

 つまり、迷宮発生による急激な魔力濃度の上昇に耐えきれず殆どの人が死亡するのだ。

 そして、幸いな事にここにいるのは役職ロール持ち、および、魔力耐性が高い探索者シーカー候補達だった。


 黒ローブ達が入ってきた外部へのドアを開け放ち避難誘導が行われる。


「秋都!」「秋都君!」

 ステージ側からの避難者の中から呼ぶ声がした。


千紗ちさ千尋ちひろ、体調は大丈夫か? とにかく早く避難しろ」

「すずりんが戻ってきてないにゃ!」


「なっ、あ、もしかしてまだ地下の控室か?! ちっ、お前らは即避難しろ」

「秋都君は?」


「探しに行く。最悪戻れなくても一週間持つだけの食料とかもある」


「わかった。千紗、急いで出るわよ」

 芸能科と言えども探高生、判断は早い。


「何だぁっ!」

「出れなくなった」


 出口の方で声が上がった。


「何が?! 迷宮ダンジョン再構築リビルドでもダンジョンが閉じるまでの余裕はまだあるはずじゃ……」


「まさか……」

 紫苑先輩の顔が強張る。


「……遊佐君、武器の予備はあるか? これは、怪物モンスター発生スポーン、しかも、フロアボスが出る……」


「出します。最悪の場合の避難所も」

 少し横にコンテナを、そして、ゴブリンから回収した棍棒に剣を並べる。


「皆、武器を! 非戦闘員はコンテナに退避できる位置取りを……来るぞ!」


 ホール中央、黒ローブが飲み込まれた辺りに、目に見える濃度の黒い魔力、瘴気が渦巻いた。



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