第13話 ルビー、新たな事件に巻き込まれる
馬車にのって1日が経過し、とうとう王都【スペード】に到着した。
正門前にて入場許可をもらい、馬車から荷物をおろしていく。
ユリーさんから貰ったお弁当も食べて馬車の中でも有意義な時間を過ごせた私とシャーリーちゃんは
王都の正門前の建物の大きさに圧巻していた。
「ゲームと一緒とは思ってたけど、、、改めてみると本当に立派な建築物ね」
「師匠は王都に来た事があるのー?」
「ええ、何度も訪れた事があるの」
まあ、それは【ドラグーンハンター】の中での話だけど・・・。
果たしてこの世界が100%一致しているかといわれるとまだわからないことだらけ。
「じゃあな、嬢ちゃん、それにシャーリーちゃんも頑張れよー!」
「ありがとうございましたー」
「バイバーイ!」
馬車のおじさんにお礼を言って早々と去っていく。
まずはこの王都での寝床の確保かしら。
この王都はかなり広いから、とりあえず宿で必要以外の荷物は置いてきて、それから王都を探索する方が絶対にいいだろうし。
あと、気になることがあると言えばあるし・・・。
「師匠、まずはどうするのー?」
「最初は宿を探しましょ。それからは王都を探検してみましょ」
「うん!」
手を繋いで、シャーリーちゃんと宿を探すことにした。
ゲームで大体の道は頭に入ってるけど、少し道が変わっている部分がある。
若干違うお店や見たこともない建物がある部分もあるし。
「きゃああああああああ!」
とそこで、大きな悲鳴が聞こえたのだ。
「おい!?しっかりしろっ!!!」
声が聞こえた方へ向かってみると、人だかりが出来ていて一人の男性が倒れていた。
そしてその近くにいた女性が悲鳴を上げていて、近くにいた中年男性が倒れている男性に声を掛けていたのだ。
「どうしたんですか?」
私も心配になって声を掛けてみた。
「わからない。ただ急に心臓を抑え始めて倒れちまったんだ。おいっ!生きてるか!?おいっ!!」
呼びかけに反応していない。
心臓の音を確認しようとすると謎の悪寒を感じた。
更にシャーリーちゃんが私の服の裾を引っ張って話しかけてきた。
「師匠、何か嫌な感じがする・・・」
「え?どういう事?」
「言葉にできないけど、変な気配を感じるっていうか、そのー・・・うーん」
シャーリーちゃんの手が凄い震えていた。
何を感じ取ったのかわからないけど、私自身も変な感覚を感じてはいた。
もしかして・・・。
「みんな!その人から離れて!!!!」
「お、おう?」
すぐに私の呼びかけに反応した人達が下がったその瞬間だった。
男性の体が膨れ上がり、爆発が発生したのだ。
「うわああああっ!」
「きゃあああ!」
「し、師匠!!」
「大丈夫!!そこまで大きな爆発じゃないはずよ」
案の定、避難させておいたお陰でけが人も出なかった。
これは当時プレイヤーキルが流行っていた時に使われていた魔法の【対象爆破】だ。
おそらく何等かの条件で体内に爆破する何かを仕込まれて起動すると同時に意識レベルが低下して内部から爆発するという魔法。
「なんの騒ぎだ!!」
青い鎧を身にまとった騎士の部隊が爆発音を聞きつけて馬に乗ってこちらへ駆けつけてきた。
鎧の肩にはスペードの模様が刻まれていた。
あれは確か、スペード騎士団ね。
スペード騎士団———
それは王都【スペード】を守護する護衛騎士団のはずだ。
NPCキャラで構成された大部隊で、その総数は1000人を超えるとかって確かゲームの説明文でも記載されていたっけ・・・。
「市民が爆発したんです」
状況を私が説明すると、一人だけ兜が違う騎士がこちらを見てきた。
「やはりそうか。ここ最近、人間が突然苦しみだし、爆発する事件がこの王都【スペード】で多発しているんだ。今日だけでもこれで4件目だ」
「そうなんですか!?」
「ああ、申し訳ないが王城までご同行できないか?実際に今回の目撃者の意見も聞きたい」
「え・・・?まあ、構いませんけど」
王都【スペード】について早速事件に巻き込まれちゃうなんて、ちょっとびっくりしちゃったけど、放っておく訳にもいかないし―——
「師匠、王城って何~?」
「この王都の王様が住んでいる場所だよ。私も何回か入った記憶はあるけど」
「へえー、じゃあ大きいお城なのかなー」
わくわくしているシャーリーちゃんだが、王城へ普通入るには冒険者としてランクがAランクを超えると入れるとかいう条件だったはず・・・。
そこらへんは考慮されてないのかな?
「では、こちらです」
こうして私達は王城へ向かうことになったのでした。




