表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編

ばんばんと鳴く犬

「うちの犬は鳴き声が変わっているんだ。聴きに来てみないか」といわれ、友人の家に行くと、部屋の隅に繋がれて四歳ぐらいの男の子がうずくまっていた。私たちが入ってきたのを見ると、ピストルの弾を放つような声で鳴く。


「ほんとうだ。変わった鳴き声だ。『ばんばん』って鳴くんだな」


 私がいうと、友人は笑いながら首を横に振った。そして、いう。


「違うよ。これは『あんぱん』って鳴いてるんだ。コイツ、犬のくせにあんぱんマンが好きでね」


 友人がそういうと、犬が怒った表情をして首を横に振った。そして、いう。


「ばんばん!」


「ほら、『ばんばん』じゃないか」


 私がいうと、友人の妻が現れて、悲しそうに首を横に振った。そして、いう。


「違うわ。この子は『bowwow』っていってるのよ。どうして日本人にはそう聞こえないのかしら」


 彼の妻はアメリカ人だ。


 その間にも男の子は威嚇するように喚き続けた。


「ばんばん! ばんばん!」


 とりあえずこの子に銃を持たせちゃいけないな──そんなことを思いながら、私は友人に面白いものを見せてもらった礼をいい、彼の家を出るとすぐに警察に電話をしようとして、やめた。


 警察は、事件が起きてからでないと、動かないからだ。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
これは撃ち殺してやりたいという意思表示なんだろうか? この少年は友人の子どもか、それとも全くの他人か? 後者なら、もう誘拐事件は起こっているんだが…………? まあ、前者でも普通に虐待だけど。
最後の一行が皮肉であり、すごく重い言葉のような気がしました。
2024/10/26 10:48 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ