Part11:ヴァイオリン
フリーイラスト その11【ヴァイオリン】
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彩色例
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シチュエーション例・ショートショート
「ねぇ、どう? 少しは上手になったかな」
悪戯っぽい表情を浮かべて、期待するように耳をピコピコと動かして。褒めて欲しいと全身でアピールしてくるのは、いつの間にか屋敷に居候し始めた「自称神様」。自分では「神獣なんだ!」と言い張っているけれど、私の誉め言葉を待っている様子は、さながら従順な子犬のようで。……とても、神様には見えない。
「う〜ん……あまり上手とは言えないかも……」
「えっ? そ、そう……」
しかも……ちょっと意地悪してみれば、この通り。神様だなんて信じられないくらいに、すぐにしょげるんだから。
「そもそも、ヴァイオリンが上手く弾けなくてもいいと思うけど……」
「そうはいかないの! 僕は君と、えぇと……一緒に……」
「要するに、デュエットしたいのね?」
「そう、それ! デュエットしたい!」
理屈も理由も分からないけれど、この犬神様は私が弾いていたヴァイオリンに興味津々みたい。
令嬢教育の一環で渋々続けていただけの、ヴァイオリンだったけど。今ではちょっと、楽しくなってきた。
(一生懸命になれるって、いいわね。……私も、もう少し一生懸命になってみようかな)
自称神様のおかげで、退屈だった楽器の練習にも真剣になれそう。ウゥン、ヴァイオリンだけじゃない。もっともっと、いろんなことに必死になれる気がする。
「こ、こうかな……? あっ、ちょっといい音が出たかも!」
「そうね、その調子」
パァッと顔を綻ばせてニコニコっと笑うと同時に、尻尾をワサワサと振り回す、この姿といったら。見ているだけで、幸せな気分になる。……ふふ。今まで退屈だった世界が、あなたのおかげで楽しくなりそうよ。




