ゲーム版ひろしとひろことおばけの物語 〜クアンガの冒涜〜
ここは、おばけの世界。ゲームを始めるために、おばけ全員が城に集められ、儀式が行われていた。
「我々は、人間界を終わらせるためにこのゲームを始めるのだ。そこで、あの人間界にいるひろしとひろこをゲームに参加させる。そして、見事勝利すれば、おばけの世界を統治できる権能を与えるとしよう。そして、おばけの世界を発展してもらい、人間界と共に生きていくこととしようじゃないか。その肝心なゲームの話なんだが、かつて、イエスキリストがやっていた戦争をイメージして作られた。剣を手に、人間同士で戦う。だが、その人間はおばけが代わって役割を演じるということになる。実際に戦わせるわけにはいかないからな。その戦争を通じて、これから、人間界とおばけの世界の共存には、何が必要か考えてもらうことにしよう。」
しかし、このようにならないのが、世の常であった。
そして、ゲームが始まった。
しかし、開始直後、思わぬ邪魔が入った。
クアンガが現れたのだ。
「私は、イエスキリストに仕える精霊だ。私が、このゲームの主催者だ。私に勝つまでは、生きては帰れないよ。絶対にやめられない戦いがそこにはある。」
まず、プレイヤーには、馬が用意されていた。
「すごいね。実際に、馬に乗れるなんて。まるで、夢のようだわ。」
能天気なひろこは、言った。
「これは、ゲームじゃない。本当におばけの世界にいるんだ。」
ひろしは、忠告した。
まず、水をくれるおじいちゃんがいた。
「君たち、この水をお飲み。きっと君たちの体が活性化するよ。」
必死に、自分の役割を演じようとしていたが、少し怖い顔をしていた。
この様子を見ていた、ピヒチキの家来は言った。
「ところで、ピピチキ様、敵がえらい感情的ではないですか。」
そして、ある男が現れた。その男は、自らを偽教師であるという。その男は、強制的にイエスキリストに会えると言って騙して、荒野のある方向へと導いた。しかし、そこには、軍の基地があり、彼らと戦うように策略されていたのであった。
次に、ゾンビのように気を半分失っている集団が現れた。その者達は口々にこう言う。
「私たちは、神の霊だ。私たちの仲間にならないと、お前達を殺すぞ。」
この者達は、完全にクアンガに支配され、このような心的状況に陥っていたのであった。
さらに、クアンガはひろしに取り憑くようになった。ひろしを誘惑するのだ。
結果、ひろしは、こう言う。
「イエスキリストのところへと向かう。」
一方、水以外何もない砂漠のど真ん中に位置する水の都で待つ、このゲームのボス、イエスキリストは。
「私はここで待っているよ、ひろしくん。」
そして、ひろしとひろこは、イエスキリストの待つ水の都にたどり着いた。
「お前がイエスキリストか。何が人を裁くだ。反キリストとして、お前みたいな奴に俺は負けない。」
イエスキリストとひろしとひろこは戦い、無事勝利を収めた。
最後に、クアンガは、イエスキリストが死んだことを踏まえて、言った。
「この時を待っていた。神から孤立して、自分だけが最後の生き残り。でも、ちょっとチュッティ。」
ひろしは、最後の言葉を待たずに、クアンガの腹を切った。
「この臆病者め。」
ひろしは、言った。
そして、ひろしとひろこは人間界に戻った。
「ほら、見て、あれが僕たちが将来住むことになる王宮さ。」
ひろしは、ひろこにそう言い、二人は抱き合った。