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砂の詩集

『アルカディア』

作者: 餡蠱

遠い砂漠の果て――蜃気楼に浮かぶアルカディア

伸ばした手は遙か届かずに砂を掴む

ゆらめくアルカディアの威容に胸打たれつつ、

往く道の儚さに涙も涸れる


嗚呼、アルカディア

真実の理想郷


その姿を見る我は狂うたか

幻を見せる神の児戯に惑うたか


嗚呼、アルカディア

眩惑の理想郷


果てなき砂漠に浮かぶ蜃気楼

何処へ往かば辿り着くのか

何処に往かば巡り逢えるか


もはや己の正気すら疑いを待たず、

血潮を流すもアルカディアはまさにそこに見えたり


己の不明を呪うべきか

神の児戯を詛うべきか


果てなき砂漠に浮かぶアルカディア

虹の橋さえ見つけられると思えるほどに狂おしい


嗚呼、アルカディア

ひとの息吹にさえ宿る虚城


血潮を吸いし砂を噛みしめつつ我呪う

アルカディアの蜃気楼を見いし眼を我詛う


希望を見せしアルカディアを我呪う

絶望を齎せしアルカディアを我詛う


否、蜃気楼に惑わされし己自身をこそ呪詛うべし


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