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ABNORMAL WORLD 〜divine use〜  作者: シュララP
3/5

Episode3 《A true feeling》

「みんな良い顔をしていますよ!」


エルは笑い

「まったく…本当に救えんヤツらだ…」

とつぶやくと皆は笑った。


「さて、レストランですが…クランクさん、どこか行きたい店はありますか?」


「肉料理ですとあちらにビーストという名のレストランがありますがそこならどうでしょう?」


アーロンやハルザックも同意した様で

「賛成!肉食うぞー!」と騒ぎ出した


「異議なし」とエルが言う


「私も問題は無い…」とテイカさんも言ってくれた


「ラーメンじゃねぇのか?」とワルディ…


「俺は基本…野菜しか食べないので肉は遠慮しておきます…」

とヨーノルド


意外と近いところにあった。

焦げた肉のいい香りがする…


(新しく新調したばっかりの服で焼肉屋はさすがにまずいかな)


「ごめんください」


「へいらっしゃい!何名様ですかい?」

奥の方から聞こえてきた。


八人から二人抜けてひとり僕が加わったから…

「七人で〜す!」


「七名様ご案内!四番と五番のテーブルどうぞ!」


客は沢山いるが、ちらほら席が空いている所もある


椅子に腰をかけ、僕はメニュー表を手に取り、机のど真ん中に展開する。


「みなさん、今日は僕の奢りです。値段など気にせずたらふく食べて言ってください!」


「やったぜえぇぇ!」「エディさん太っ腹!」

アーロンさんとハルザックさんが騒ぎ始めた


「先に僕が決めますね…お?山盛りキノコと三種のチーズの緑竜バーグ定食!これにします!すごく美味しそう!」


「次はこの暴食の王クランク様が決めて存じよう…」


「いいですよ?」

どうぞどうぞとメニュー表を渡す。


「エットバッフォのコロコロステーキオニオンソース漬け、

ガッツリガーリックバター炒めドラゴン肉、

アサリたっぷり海龍のシーフードミートパスタ…

どれも美味そうだ!」


「おぉ!グラタンもあるぜ!?」


「お!チャーシューたっぷりコテコテ豚骨ラーメンあるじゃねぇか!」


「私はエディさんと同じで…」


「じゃあ俺もそれで………」




皆が酒を飲み始めたのは十分後だった。


みんなの会話や食事などの楽しい時間は二時間にも渡り、


外は完全に真っ暗だった。


会計を済ました後、酔いつぶれたアーロン、ハルザックをエルとヨーノルドに担がせた。


「よし、宿屋探すか!」




ヨーノルドさんのおかげで迷うこと無く宿屋に到達できた。


他の家と比べるととてもオシャレな家だった。


「すいません…今から六人用の部屋ありますか?」


座っていた老人は立ち上がり、急いでメガネをかけた。

「あんた旅人かえ?済まないがうちの部屋は狭くての、一部屋二人が限界なんじゃ…二人一組に別れてくれれば問題は無いのぅ」


「構いません、部屋四つ借りますね」


「どうぞどうぞ、冷蔵庫に入っている飲み物は有料じゃが、部屋にあるも自由に使ってっけろ、これが三から七番までの部屋の鍵じゃ」


「ありがとう、おじさん。サインはどこに書きますか?」


「要らんよ、長年の経験でわかるわい、アンタは信頼出来る面の人じゃからのぉ」


「(こんなに盗賊連れてるのに見抜けないとはすごい鈍感だな…)ではお言葉に甘えさせていただきます」


「部屋は地下階段を降りて左側のドアに一番二番と並んでおる…日が登ってから三時間後には部屋は空っぽにしといてくれんか?…」


「(待てい、誰が一日だけと言ったんだ…いや、少し待て…あの防具屋の人に頼んだ制服は明日完成する…さらにはこの世界に吉川さんが来ている、明日迎えに行く為にこの村を出ないといけないとなるとこの宿に長居する必要もないか…)

…分かりました」


「エディさぁん、二人一組ってどう決めますか?」


僕は少し考えた。


ひとりひと部屋の人が出るのか…

クジでバラバラにするより馴染み深い人と組む方がいいかな…

「とりあえず組める人は組んでください」


「ザック組もうぜ!」

「おうよ!」


アーロンさんとハルザックさんはすぐに決まった様だ。


「エル、俺とどうだね?」

「構わない…」


ヨーノルドさんとエルさんも決まったみたいだ。


ワルディさんとは一度目があった気がしたがすぐに目を逸らした…


テイカさんは

「私はこいつと組むのはごめんだ」


ごもっとも…僕も同意見。


「ワルディさんは1人で大丈夫ですか?」


「問題ねぇぜ?俺寝相悪ぃからよ」


良かった、なんとも思ってないようだ…それはそうと

残るはテイカさんか…


テイカさんは女性のような顔つきで、わからない所がたくさんある…一晩同じ部屋で過ごすと何か分かるかもしれない…


「よろしく、テイカさん」


「……わがままを言うようで悪いのだが…

私は今、とてもシャワーを浴びたい…」


「(そういえばこの宿に風呂ってあるのかな?)ちょっと聞いてみる…」


確かにこの村に来てから煙突は無かった…もしかして存在しないのかもしれない…


「おじさん、ここの宿にシャワールームはありますか?」


「無いわそんな贅沢なモン」


おかしいな…

てっきり魔法を使用した風呂場があると思ったのに


「でも濡らしてもいい流し室ならあるぞい、じゃがそこは肝心な水が通っておらんから水魔法を使える人が必要じゃ…」


(僕は一応全ての魔法が使えるみたいだが全てレベルMAXなんだよな…しかも使ったことないから使えるか分からないし…

まぁ練習も踏まえて利用してみるか)


「ではそこを使わせもらいますね、僕水魔法使えるので」


その場にいたみんなはその言葉を聞いて硬直した。


「水魔法って…あの最弱魔法か!?なんでそんなモンを!」

アーロンが食い気味に突っかかる


「落ち着いてアーロン、水は非常事態にあると必ず役立つから…攻撃用には一切使わないよ…」


驚いた…この世界の水魔法は最弱扱いなのか、

その辺ちゃんと教えてくださいよ神さん…


するとテイカさんは嬉しそうに聞く

「流してくれるのか?」


僕はにっこり笑って

「だって入りたいんでしょ?」


「感謝する!」


「いいよいいよ!これから仲良くする仲間なんですから

みなさんも僕の名前を呼ぶ時、“さん”抜きでいいですよ」


「そうっすか?じゃあ遠慮なく呼ばせてもらうぜエディ!」


「お、おぉ…」

僕としてはもう少し抵抗して欲しかったな…


「そんなことどうでもいいから…エディ、行くよ」


「あ、はい」




テイカさんの後について行き、流し室に入った。


するとテイカさんは流し室の鍵を閉めた

「さて、二人っきりになったね………実はエディさんに話があるんだ」


「はなし…とは?」


テイカさんは急に服を脱いだ


「ちょっま!脱ぐなら………え…」


僕は急な動作に驚いた…


彼の胴体には包帯が巻かれていた。


「この事はまだ仲間には誰にも伝えていない…

実は私………女なの」


そう言って包帯を外す。


「!?」(うん!あえて反応するけどうっすら気づいてた!!

どっちかと言うと裸の方にビビってる!)


「それに、単に男装をして盗賊になったのにも理由がある」


僕は極力胸に目を向けずに反応する

「…はぁ」


「私は帝国のお姫様だったのよ…」


何このテンプレ展開!?


「名はステファニー=ティック=アーシイ…

帝国にいる親父は人間のクズだった!自分はろくに働かず他人の仕事に文句を言い、しまいには家来を殺す!

あんなやつ…思い出すだけでヘドが出る!」


しばらく沈黙が続いた。


「ごめんなさい…愚痴がすぎたわね………

さ、これで私は誰にも言っていない秘密をあなたに話した…

もう話してもいいんじゃないかしら?

あなた………一体何者なの?」


これは…ごまかすには可愛そうだ…でもバラすわけにはいかない…ごめん……

「僕も話すよ…本当の事…実は僕………異世界転生者なんだ」


結構迷ったけどこれしか出てこなかった!


「異世界転生とは…つまりこの世界の人では無いということ?確かにあなたからは魔力が一切感じない…

でもニュクスの攻撃をかわした時の動きは確実にスキルのようなものだったわ…私にも【瞬速回避】はあるけどもあなたのレベルには到底およばないわ…強さの秘密は、異世界からの転生という部分にあるのかしら…」


仕方ない…

ステータスバーを見せて納得させようかな

ぶっちゃけ…見せたらやばいのはわかってるけど、見せてみたいという好奇心の方が強い。

「これ以上黙っている意味がないようなので…あなただけに特別で見せてあげます」


そう言ってステータスバーを開いて見せた。


※episode5あたりに番外編として、個人のステータスを公開します、お楽しみに。


「うそ…これはステータスバー!?どこでそれを?そもそもステータスバーを見たのは15歳の頃だし…そんなことよりなんなの!?このデタラメなパラメーターの表示…Infinity(可変)!?そんなの見た事ない!【魔力隠蔽】スキル!?このせいであなたから魔力を感じなかったのね…」


〜【魔力隠蔽Lv.MAX】〜

体内にある魔力量を一切探知されなくなる


「これで転生者ってこと…信じてくれましたか?」


「未だ…信じられません…」


だよねー急に見せられても困惑するよねー


「そんなことより!シャワー浴びたいんだったね!今水魔法試してみるからちょっとまってて…」


風呂のシャワーを想像して念じてみた…すると

大きな魔法陣が展開された。


!?


〜【水砲(アクアバレット)Lv.MAX】〜

初級水魔法、水滴を作り、弾丸のごとく放つ


まずい!と思い咄嗟に魔法を自分に向ける…


ドバドバッ!!

という大きな音と共に自分の体が後ろに吹き飛んだ


水しぶきが部屋中に飛び散る。


………自分が来ている服は何故か濡れなかったが、

彼女はすごく濡れていた。


「すごいわね…これじゃ生活用に使うのは無理かしら?」


「いいや、魔法の威力を下げる魔法を使えば何とかなるかも」


自分の胸に手を当てて弱体効果をイメージしてみた。


〜【魔術退化(ドロップマジック)Lv.MAX】〜

対象の魔術の威力を九割落とす。


おぉ!これだ!

それと発動時間を延長できないかな?


〜【魔術持続延長(エクステンションマジック)Lv.MAX】〜

対象の魔術発動後の持続時間を延長する。


完璧だ!


「いきますよ!アーシイさ…今はテイカさんと呼ぶ方がいいですか?」


「できればそう呼んでちょうだい」


「分かりました…いきます!アクアバレット!」


バッシャー


淡いシャワーの音が部屋に響く。


「おめでとう…しばらく続けてくれる?」


僕は頷くと、テイカさんは髪を洗い出し、脱ぎ捨てたマフラーをタオルがわりに体を洗った。


「風魔法かなにかで乾かせるかしら?」


「乾くかわからないけど…やってみます」


風の初級魔法…風の初級魔法…


〜【竜巻(トルネード)Lv.MAX】〜

風の初級魔法、竜巻を作り対象を吹き飛ばす。


待って魔法の名前が明らかに強すぎるんだけど!?

でもさっきの退化魔法の効果が効いているのか魔法陣が小さい…


強風がテイカさんを取り巻く。


「なかなか…良いわよ、でも…ちょっと強いかも…」


「すみません!すぐに止めます…」


風が止んだ。

「さすがエディ…よく乾いたわ」


近い。

「それは良かった…そんなことより早く服を」


動揺する僕に追い打ちをかけるように攻めてきた。

「あらエディ君…焼きもち?」


「どうだっていいです!早く服を!」


「でもそこに置いていた服がびしょ濡れよ?あんなの着たら風邪ひくわよ…」


「分かりました乾かします!」

そこで一気に距離をとった。


テイカさんが脱ぎ捨てた服には鼻を突く汗くさい匂いがする…


「テイカさん…ずっとコレ着てたんですか?」


「そうよ?オトナの香りがする?」

テイカさんが僕の背中に寄り添う。


「洗濯スキルとか無いのかな…」


〜【洗浄Lv.MAX】〜

擦るだけで汚れ、匂いを完全に落とす。


ふぁっ!?なんでこんな都合のいいスキルが!


〜【香付与Lv.MAX】〜

様々な香りを洗浄後の対象に付けることができる。


にゃに!?…えっと……個人的にラベンダー好きだからラベンダーで!


〜【乾燥Lv.MAX】〜

対象の水分を抜き取る洗濯スキル。


いや、風魔法いらんかったやないか〜い!


って何言ってんだ僕…

「はい、服洗っておきました…早く着てください…」


「あら、いい匂いじゃない?何をしたの?」


「洗って香り付けて乾かしました…以上です、ほら早く着て」


テイカさんは包帯を体に強く巻き付け、服を着た。


その間に僕は自分の体を洗浄する…

何故か濡れないので乾燥は要らなかった。


流し室を出ると、ふたりはすぐに部屋に入った。

皆は寝ただろうか…


「どうせろくに睡眠も取ってないんでしょう…今日は遅いしよく寝てくださいよ…電気消しますね」

さりげなく【洗浄】で歯を磨く。


テイカさんはベッドに座り

「でもエディくん…ベッドひとつしかないわよ?」


「ふぁっ!?」

思わず変な声が出た。


彼女は横になり呟く。

「これは同じベッドで寝ることになるわね…」


無理!絶対無理!女の人と寝るだなんていつぶりだ!

幼稚園の時お母さんと一緒に寝た時以来だよ!

「じゃあ僕は床でおやす」

喋っている途中でいきなり手を引っ張られベッドに引きずり込まれた。


「何言ってるの、これだけ貴方にして貰ったのだから…少しはお返ししないと…ね?」


テイカさんの柔らかい肌に抱きしめられる。


〜【不滅自我Lv.MAX】〜

あらゆる状況でも自我を失わない。


ナイススキル!


「ありがとうテイカさん…でも僕はこんな事望んでいない、

一緒に寝てもいいけど手は出さないで下さい」


「そう…分かったわ、貴方…本当にいい子ね、おやすみ」


「おやすみなさい…」


「…」


「…」


「…」


「………!!」


(寝れねぇぇぇえええええ!!!!!!)


〜【疲労無効Lv.MAX】〜

睡眠、食事を一切不要。


(何だこのクソスキル!!!頼む!寝させてくれ!!)


ピロピロ

「あー、アルファ聞こえるか?なんだその羨ましい状況は…」


(神さん…ホントいろいろ大変でしたよ…)


「いきなり盗賊に襲われたもんな〜、でちょっと事件が起きちゃってさ…今から村の門まで移動できる?」


(どうして?)


「アシs…じゃなくて亜弥さんの事でさ、俺はアシス=ベータと命名したんだが…」


(亜弥さんがどうかしたのですか?)


「ベータが“ケモ耳のロリっ子に転生させてください!”って言うからしてあげたら門前の審査で引っかかてしまって…」


(待って…亜弥さん人じゃないの!?)


「亜人種に分類されるが生殖は可能だぞ?」


(そそそ、そんなことを聞いているんじゃなくて!)


「冗談だって、とにかく…来てやってくれ」


(分かった…とにかくテイカさんを起こさないように…何かいいスキル無いかな…)


〜【潜伏Lv.MAX】〜

気配を完全に抹消する、Lv.9以下の探知能力を無効化


〜【消音Lv.MAX】〜

自身の音を完全に遮断する、Lv.9以下の探知能力を無効化。


「ひとまずこれで安心して抜け出せるかな?【空間扉(ワープドア)Lv.MAX】!」


布団にドアを開き、音を立てずに移動した。




そこにいたのは猫のような耳と尻尾のはえた小さな小娘と重装備を着た兵士だった。


何か揉めているようだ。


僕は兵士に問いかけた。

「夜分遅くに失礼します…何があったのですか?」


「いや、彼女がですね…あれ?もしや貴方は昼頃にお越しになられたエディ様では?」


「そうですけど、何を揉めているのですか?」


するとケモ耳っ娘が

「もしかして(そう)君?」


兵士は不思議そうに

「知り合いなのか?亜人なんかと?」


「宋という人物が誰かは分かりませんが彼は僕のパートナーなので…

(【伝言】この世界ではエディ=アルファと呼んで、ベータ…本名は御法度だ…いいか?)」


門番の方には僕が説得して中に入れてもらった。



「ごめんね…えっと…エディって呼べばいいのかな?」


僕は深く頷き

「本名以外ならなんでもいいけど、なんでここに来たんだ?」


「それはこっちが聞きたいよ…どうして自殺なんてしちゃったの…本当に……もう会えないかと思った」


表情がとてつもなく可愛らしい…


「ねぇってば」


「あぁ…あまり思い出したくないんだけど実は…」


僕は家庭内事情、人間関係、ネットリンチの事を話した。


「本当に辛かったんだね…ごめんね…気づいてあげられなくて」


ベータが泣き崩れる


「で、ベータはどうして死んだの?」


「………わたしの、本当の気持ち…伝えるね」


「?」

一瞬困惑した。


「わたし…ずっと前から、宗くんの事が好きだったの!」


「そうだったのか………?ちょっと待て、ずっと前から?俺と出会ったのって今年の春だろ?」


「やっぱり覚えてないのね…そうだよね、去年の話だもんね…」


去年?身に覚えが無いな…


「あの…お祭りの日にさ」


「アッー!」


思い出した、あの…漆黒に染まりし完全なる黒歴史を…



<hr>


時は遡る一年前の夏…


近所の神社でお祭りが開かれていた。


僕は毎年コウタと一緒に祭りに行くのだった、


僕とコウタは射的の天才で屋台の人に目をつけられていた。


毎年のように射的の屋台へと向かう二人組…


そこに居たのは暗い顔の女性…


彼女は銃を構え、標的を狙うが…


パァン!


見事に外した…


そこで僕が登場する。


「ノンノンノン、そこのお嬢さん」


うわぁあああ今思うと超恥ずかしぃぃぃぃ………


「おい、やめろよ宋…」


明らかに引いてるよなぁコウタ…よく付き合ってくれたよ……


「いいじゃないか友よ…少し助言をだな、

おっちゃん、一発ヤラせてくれ(ドヤ顔)」


言い方!言ったの自分だけど誤解をうむその言い方やめろ!


「げ、お前らまた来たのか…一発だけだぞ?いいな?」


「ほら、三百円だ…本来は六発だが僕は一発で十分だ」


この時本当に自分の事をかっこいいと思っていたんだろうな…


僕は銃を構え、彼女に助言を言う…


「銃口にコルクを詰める時だが…

あまり強く詰め込みすぎてはいけないんだ…はめるとき、

ちゃんと幅が均等になるようにコルクに爪跡を付けて…

軽くはめる、これでブレは無くなる…あとは狙って打つ」


イキってるくせに助言が割とキッチリしててうぜぇ!


パスン!


コルクの玉は勢いよく発砲され、ゲーム機の箱の右下辺りにぶち当たり大きく後ろに滑る…がギリギリの所で持ちこたえ、景品GETには至らなかった…


「何故だ!何故ワンショットで倒れない!僕は急所を正確に撃ち抜いたぞ!おっちゃん!もう一度チャンスを!」


おっちゃんは箱を見て冷や汗を垂らしていた。


「ダメに決まってるだろ、行くぞ宋…」


コウタに引きずられる僕…


「離せ!まだ戦いは終わっていない!僕はまだやれる!」


はああぁぁぁぁぁ……恥ずかしい…………


「待って!」


ここで彼女の呼び止めによりコウタの足が止まる。


「あなたの…名前を聞いてもよろしいでしょうか?」


僕は少し黙り…笑顔を見せた。


宇都宮 宋(ウツノミヤソウ、僕の名だ!

来年には私立高橋港学生になるであろう男だ!」


「私立…みなと高校……!」


「無理だろ…お前、仮のテストでD判定だったじゃねーか」


コウタの鋭いツッコミ………そう…楽しかったんだ。


少なくとも去年までの人生は…

<hr>




「ンアーッ!完璧に思い出した!あの時は」


「とってもかっこよかったよ!ありがとうコツを教えてくれて」


「………そう?だったらいいんだけど…その姿は?」


「…変……かな?ほらあの時…」




<hr>

遡ること三ヶ月


放課後…いつも最後に教室に残るのは、

僕とコウタと吉川さんの三人だけだった。


その時の会話だ。


「なぁ宋、お前〇〇〇知ってるか?」


「僕が知らないわけないだろ、あの超名作アニメを」


「あのアニメに出てくる獣耳のロリっ娘だが超可愛くねーか?」


「あの三姉弟の事?わかるよその気持ち!見た目はとても可愛いのに戦いとなるとかなり強いのがギャップ萌えだよね〜」


「けもみみ…ロリっこ……」


彼女はこの事をしっかりと聞いていたのであった!

<hr>




「なるほど…たしかにこんな会話してたな…いつも聞き耳を立てていたんだ…僕の為に」


「だから…どうかな?この姿…変?」


僕はベータを抱き上げた。


「最高に可愛いよ」


Episode3 《A true feeling》END

<hr>

あとがき

ちわッスシュラです(´・Д・)」

やっと主人公のスキル全部書き終えたよ!疲れたー!!

そんなことより先週の話の続きだったか、

どこまで話したっけ?輪廻転生の話だっけ?

自分は前まで、死ぬと時空を超えて生まれ変わる

と考えていたのですが…時空を選べるのであれば

魂は発展した未来へとしか転生しない!

と考えるようになったので、再び考えました!

結果、輪廻転生は存在し、時空は超えることは不可能

だが死ぬ直前まで意識がある状態であれば

前世の記憶が残ったまま次世代へと

転生するのではないかと考えます!

イイネ!コメントたくさんお待ちしております!


次回Episode4《Enemy attack》お楽しみに〜

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