表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ABNORMAL WORLD 〜divine use〜  作者: シュララP
1/5

〜Divine use〜

雨が降っている…

ベランダから暗い公園の小さな池を見下ろした、もう一週間は経つだろうか…親が家を出て行ってから。


親と喧嘩をした…僕も悪かったとは思っている。


少し時は遡るが…




今年の春、憧れの名門校である高橋港高校への入学が決まり…喜びの反面、学費の恐怖もあった。


僕はこう言った

「やったよお母さん!僕学校頑張るよ!もう働ける歳だしバイトもやって少しでも暮らしが楽になるように努力するよ!」


母は

「それは楽しみだわ、約束よ?」


しかし今はバイトは愚か、応募すら出していなかった。


そのせいで母は膨れ上がる借金に追われ、僕と喧嘩をし、挙句の果てに小遣いも没収され、そのまま家を出ていった。


原因は僕が約束を破った結果だ。


全部僕のせいだ。




雨は慰めも慈悲もなく降り続けている。

僕は怒りと悔しさに押しつぶされそうになり、歯を食いしばった。


「もうどうにでもなってしまえ!」


ベランダに吊るされた小学生の頃作った思い出の布製のてるてる坊主を引きちぎり、遠くへ投げ捨てた。


「なんで俺は報われないんだよ!!」


雨によって音はかき消されているとは思うがそもそも今日は記録的な豪雨でどの家もシャッターがしまっている。


心の叫びを吐き出し切り、疲れたので僕は勢いよく窓を閉め、布団に飛び込んだ。






気がつくと窓の外は雨は上がり、快晴の空が広がっていた。


洗面台の前でスマホをいじりながら歯を磨き、天然パーマの頭をセットすると、微量にも残っている米をたいらげ、流水のごとくスピーディーに学校の準備をした。


玄関の前で目ヤニを気にしながらドアを開け、いざ外に出てマンションのエレベーターに乗る。


軽くジャンプして遊んでいるとクロックスを履いていることに気づく。


やってしまったと言わんばかりに頭を抱えながら階段を駆け登り、家に入るとすぐに履き替えた。


あぁ、なんで僕はこんなにドジ臭いんだろう…



高橋港高校、僕は電車で通学している。

偏差値は70くらい…と言っても僕には偏差値が何を表しているのかはさっぱり…


でもかなり賢いってくらいには理解ができている。


学校に着くと間もなく中学からの友人に出会った。


「コウタ、おはよう」

僕いつもの挨拶をした。

が、何か異変を感じた。


いつもなら「おはよう」と返してくれるのに今日だけは愛想笑いだけをしてすぐにどこかに行ってしまった。


腑に落ちないままホームルームが始まる。


話の内容は、遅刻についてだった。


僕はなんと一度だけ定期券を家に忘れて、遅刻したことがある。


そんな僕は真面目の中の真面目だとよくクラスの人のみならず他のクラス、学年でも隔たりなく名が知られていた。


主な原因は僕が天パだからだろうと僕は勝手に思っている…


なのになんだか今日は様子が変だ。


明らかに…視線が…



妙な雰囲気のまま学校が終わった。


一体何が起きているんだろう…

でもいじめとは違うような気もする…


なんというか、なにか気を使っているような目に見えたんだ。

僕の直感なんてあてにならないけどね…



放課後には直接日給制のバイトに向かい、働いている。

だから帰りは遅く、いつも十時を過ぎる。


そのかわり収入は良く十分に暮らしていけるようになった。





夜、電車の中である一通のメールが届いた。


送信主は匿名で分からないが、少なくとも学校の生徒だろう


だって本文に書いてあるし…


『やぁ真面目くん、親の財布からお金を盗んだって話ほんとかよ、その金余ってんなら俺に奢れよ』


続いて二件ほぼ同時に通知が鳴る


『見損なったぞ、お前は真面目で優しいやつだと思っていたのに』

『借金を背負った人から金を盗む気分はどうだ?』


それに続きどんどん着信通知が来る。


全て僕に対する批判の声だ。



「僕が母親のお金を盗む!?

ふざけるな!誰がそんなデマを流した!」


涙が溢れてきた。


根も葉もない噂であっても、親から金を奪ったという事実は否定出来なかったからだ。


そうだ…僕の学費のせいで親の借金を重くしたんだ!


「僕が学校なんて行かずに就職すれば、親は借金で苦しむことは無かった!」


僕は俯いたまま電車をおり、改札を抜けマンションのエレベーターに乗った。


僕の部屋は9階の左端から二番目だ。


僕は靴を脱がずに家の中に入りカーペットを踏み座布団を踏み、延長コードを踏み潰し、ベランダへ直行した。


迷いはなかった。


この後に苦痛がなければそれでいいと思っていた。


ベランダの柵に足をかけ、僕は空を飛ぶ。




「こんなクソッタレな世界で生きるのは御免だ!

神よ!いるのならばこの僕を素晴らしい世界へ転生させてくれ!」




最期の言葉だった。





「その願い…聞き届けよう」


「は?」



気がつくとそこは、真っ白な空間がどこまでも無限に続いてる。目の前には、僕と同い年に近い見た目の純白の服を着た短髪の青年だった。


僕は思わず

「あなたが神ですか?」


神のような青年は呆けた顔をして

「違うよ、神なんて人が勝手に作りだしたただの夢物語だよ

俺が神だとしたら今まで死んで来た人達みんな神だから…でもその呼ばれ方、嫌じゃないよ?できるならずっとそう呼んで」


「僕、死んだんですね…」


神のような青年は渋い顔をして腕を組み、口を開く…

「そう…そしてここは死んだ人がさまよう死後の世界…何も無い真っ白な空間がどこまでもどこまでも続いている…でもなんにも出来ないわけじゃないぜ?好きな時に好きなように転生できるし…もちろん俺らが元いた現世に直接手を出すことは不可能だが…」


「やっぱり…じゃあ君はいつどうして死んだの?」


ギクリとした表情を一瞬見せ、

「い、いや〜…実は俺もつい最近死んだばっかりでさ、記憶が曖昧っつーかなんつーか」


「では、そこには触れないでおきます…」


ガッツポーズを決めながら

「助かるぜ(ドヤァ」


(なぜドヤ顔を…)


「でさ、なんかここから見たところキミって死にそうだったからここで待ち伏せしてたんだ。そしたら案の定…」


「なにか僕にして欲しいことでもあるの?」


アホっぽい顔が少し険しくなった

「それなんだが、最近平和になりすぎて日本人の若者がここにくる事が全然なくてさ…あ、ほらまた老人が来た…迷惑なんだよな、ろくに会話も出来ねぇしすぐにどっかいっちまうし」


「へぇ…仏教の輪廻転生説は本当だったんだ」


「まぁあながち間違ってはいないよな…仏教がどんなのかは知ったことじゃねぇけどこちらとしては老衰が一番困るんだよな〜扱いづらい」


「そんなことより、僕にして欲しいことがあるって言ってたよね?」


「お、そうだったな、実は俺、魔法やスキルがある世界作ったんだよ!」


僕は一瞬理解が追いつかなかった。え?何?世界を作る?

「死後の世界ってなんでも出来ちゃうのか」


「そうだよ〜知能のある人からすればこの世界は快適だぜ〜近所の死人に会いに行ったり、何も無くて暇な時には現世を見下ろして死人を待つ、それでも暇なら異世界を作る!」


僕は頷く…


「でもそこの世界はなんかいろいろバグってて」


「僕にそのバグを治療するためのメスになれという事ですね」


「お、おぅ…なかなか独特の例えだな…医学部かな?」


「引き受けるよ、だって魔法があるんですよね!最高じゃないですか!」


ニヤリと笑って

「よし!そうと決まれば名前をつけなければな、世界を編集するから…編集…エディット…エディ…あとから増えるかもしれないから…」


数秒後に手の平をグーでぽんと叩くと

「エディ・アルファ!今日からキミはエディ・アルファだ!」


「なんでもいいよ、そのかわり僕にチート能力くださいね」


「当たり前じゃん、そうと決まればあとは種族!なんの種族に転生する?」


「種族か、人だと長生きできないよね?」


「んーまぁ不老スキルなら何とかなるかもな〜」


「不老スキルって…すごいですね…それなら人でお願いします」


「とりあえずステータス上げれるだけ上げておいたぞ、準備が出来たらこの地球儀に触れてみてくれ」


「わかりました」


そっと右手を触れると間もなく、どこかの草原へ転移された。


「ここは…僕は男?女?」


少し小柄の男の様だ


ピコピコーン

「あ〜、もしもし〜繋がってる?」


「うわ!?神さん!?」


「メッセージが繋がったか、良かった良かった!気分はどう?」


そう聞かれて少し辺りを見回す。


虹色に輝く花々、蝶々、白銀のように輝く川

何もかもが美しかった。

あの鳥はなんだ?見た目はドードーだけど、空飛ばないはずだよな…


「魔物はいたか?」


「あの鳥がそうでなければ…」


「じゃあ違う…もっとよく見て、サーチスキルの千里眼は常に発動していると思うが…」


「どこにも魔物らしき生き物はいませんよ、神さん」


「そ、そうか…とすると、今のところはその地域に魔物はいないのかも」


「何より自然が美しいです」


足元に生えていたキイチゴのような実を摘んだ。


「そうかそうか、まぁキミの色彩感覚は普通の人の2倍はあるからね…」


「言っているがよくわからないのですが…」


「あ、ほら学校で勉強しなかったか?色には波長があってだな?普通の人には400〜700nmしか見れないけどキミの場合はなんと!200〜1200まで見れちゃうのだ!」


僕はキョトンとした

「でも、たしかに僕一度色覚検査で引っかかってて、緑と茶色の区別がつかなかったんです…だからこんなに綺麗に見えるんですね」


〜【色彩感度Lv.MAX】〜

紫外線、赤外線を見ることで透視が可能


「見たところパッシブスキルに異常は無いみたいだな」


「ゲームのような世界を作ったんですよね?

だったらステータスバーは表示できないんですか?」


「うーん、それが何度か試したんだが草木のステータスまでも表示されるようになっちまって人だけってのはどうも無理みたいなんだよな」


「そうですか…」


少し考える


「ではアイテムを使用するのはどうですか?」


「アイテムにステータス表示機能を付けるのは容易だが、この世界の製法が無い…それも試した。高く値がついてしまってとても手に入りやしな」


「製法を作ればいいじゃないですか?」


「え?」


「例えば大木に触れるとその人専用のステータスバーが表示されるアイテムを出してくれる…強いて言うなら製造機を作ればいいんです」


「キミ天才か、その発想はなかったぞ!今すぐ試す!キミ、集落は見えるか?」


「千里眼にはうつらないですね…」


「ではそこに大樹を作る!」


地面が揺れた。


地面が崩れ、下からタケノコのようなものが生えてくる


伸びたタケノコは枝を伸ばし


空を緑で覆い尽くす


まさに世界樹のようだった。


「す…すごい…」


「まぁこの世界を作ったのは俺だ!こんなことぐらい御茶の子さいさいってヤツだよ」


「肝心の製造部分はどこにする?」


「一応分かりやすいようにくぼみを作っておいた…そのくぼみに手を伸ばせばセンサーが反応し、その人のマジックアイテムが出される訳だ!」


「センサーって言われたら…急にファンタジー感薄れてきたんですが…」


「だっはっはごめんごめん!だって俺、センサーぐらいしか感知できるの知らねーし」


「じゃあ魔物はどうやって作ったの?」


「そりゃあ魔素っていう元素を作ったんだよ…て言ってもほぼ酸素の複製だけどな…構造自体は似たようなものなんだけどよ魔素の方が粒子が大きいんだぜ」


「なるほど…」


「じゃこのステータス表示するアイテムも」

そのマジックアイテムは腕に装着できるようになっていた


その見た目は誰もが見た事のある


スマホそのものだった。


ステータスバーには自分の名前、年齢、筋力と魔力と持久力と魔抗力と敏捷性のグラフが数値と共に表示されている、左にフリックすると、パッシブスキルの表示がズラっと並んでいる。


「確かにステータスは表示されますがこの見た目は…」


「そそそ…そんなことよりさ、集落行ってみようぜ?あ、ほら、いつまでもその服でいるのも嫌だろ?な?なぁに、金は出してやるからさ」


空間が歪み、がま口財布が出てきた


「それ、現実世界で言われたいですね…」


「ハハハ、もちろん言った事ねーけどな…村は太陽の方から見て右だ。丘をこえると見えてくるはずだ」


「わかりました」


そう言ってゆっくりと丘へと向かった。


歩きながらさっき貰った財布の中身を見ると、黒い硬貨がたくさん入っていた。


「神さん、お金の単位なんですが…」


「ん?あぁ、五しゅ…六種類だっけか?結構分けられていて」


「それに、なんだかすごい重量ですね」


「あぁ、重さで判断した方がいいかもな、銅が一、銀が十、金が百、白金が千、純白で虹色っぽく見えるのが一万、藍色っぽいのが十万、そして最後に黒っぽいのが百万」


「ミスリル、オリハルコン、アダマンタイトってのはだいたい理解出来たよ…でも百万って村には高すぎるんじゃないかな…たぶんお釣り出ませんよ…」


「土地と家買えばいいんだよそんな金パーっと使っちゃってさ」


「村まるごと買えそうです…」


「シャレにならねーな」


いつの間にか丘を越えていた…


「見えてきましたよ」


「コッチからは見えてたけどな」


なんと言うか…意外と広い村だった。


外はしっかりと白い石レンガで囲まれていて、村と言うには少し大きい気がする。


「本当に村ですかね…ここ」


「あぁ、村だ」


ご立派な門の前に、見張りの武装兵士が二人いる


いい装備を着ている、貧しくはないみたいだ。

とりあえず話すしか道はないか…


「すみませ〜ん!旅のものですけど〜」


座っていた兵士が立ち上がる

「誰だ!名を名乗れ!」


すぐに名乗った

「エディ・アルファと申します!この町に止めてもらえる場所はありますか?」


「もちろんあるが、入るためには身分を証明できるものが必要だ!」


「だってさ、神さん」


「今書いた、隣町の身分証だ…送るぜ」


空間が歪みプラスチックのような板が出てきた


それを目にした兵士二人は驚愕した


僕はその兵士のひとりにプレートを渡した

「これ確認しといて」


受け渡された兵士はすぐさま門の右側にある隠しドアに入っていった。


もうひとりの兵士は震えながら

「あんた、空間魔法を使えるのか!?」


「え(僕が出したんじゃないけど)使えたらダメなんですか」


兵士は慌てて

「いや、そういう意味じゃない…ただこの村で凄腕の冒険者のパーティが高額な値段で空間魔法を使えるものを募集していたのを聞いてな…」


「この町の人は仲間を金で作るのが普通なんですか?

(冒険者!すごくいい響き!僕異世界来ちゃったんだな!やっほーい!)」


「いえそのような行為をするのは王都の貴族しかおりません」


「そのパーティに入ればお金貰えますかね?

(お金には全然困ってないんだけどね…)」


「そりゃもうミスリル硬貨五枚、いや…オリハルコン硬貨一枚は貰えるでしょうな」


「それはすごい!(まぁ僕アダマンタイト硬貨百枚ぐらい持ってるんですけどね)」


僕は小さな声で

(ねぇ神さん!空間魔法ってどう使うの?)


「もうその体には全ての最上位魔法、上位スキルが入っているはずだから“この魔法使いたい!”と強く念じれば使えると思うぜ」


(詠唱はいらないのかな?)


「パッシブスキルにあったはずだぞ?無詠唱って」


〜【無詠唱Lv.MAX】〜

STをMP消費量の一割減らす代わりに無詠唱が出来る


「凄いですね…」


思わず声が漏れた


「ん?何か言ったか」


「いえ、この外壁凄いですね〜と…ハハ(無理やりすぎたが?)」


「この壁か、まぁ一から人の手で作ると数十年はかかるでしょうな、この壁…実は魔法でできているのだ」


(ところで神さん、魔素の原子なんですけど)


「うん!気になる!確かに気になるよな!でもこれ以上踏み込まないで!言っても分からないから!これだけ言っておく!魔素の電子は普通の電子と全く違う!あとは推測してくれ!」


すると、ひとりの兵士が戻ってきた。


「確認が終わりました、どうぞお入りください」


身分証も返却され、小さなドアから案内されて村の中に入ることが出来た。


村の道はオレンジ色の石タイルが詰められ

溝には色ガラスで赤青黄に彩られていた


家は白色に統一され、屋根は三角ではなく

例えるならば、豆腐だった。


何より道が無駄に広い。


ここにはあまり人がいないみたいだが、


「お待たせしました、わたくしエット村のガイドを担当させていただきますビルニア・ルーン・ケニストと申します。ビルとお呼びください」

話しかけてきたのは白髪のちょび髭おじさんだった。


「あ、はい!僕はエディ・アルファ。エディでいいですよ」

二人は握手を交わした。


「エディさんですね、旅の者と聞かれましたのでまずは銀行で換金なされては?」


「隣町で扱われているお金とこの村のお金って違うのですか?」


「いえ、変わりはないかと」


僕は手を振りながら

「ならいいです!あ、でも両替はしたいです…」


少し表情を変えたビルさん

「両替?失礼ですがいくらお持ちで?」


(一個だけなら大丈夫だよね?)


「実は…コレ」

アダマンタイト硬貨一枚を取り出した


「なっ!?それほどの大金をどうやって!?」


(神さん助けて…どう説明しよう…)


「父の遺品だとでも言ってやれ」


「父の遺品です」


「直球かよ!」


ビルさんは心配そうな顔で

「しかし…よろしいのですか?」


僕はキメ顔でそれっぽいムードで嘘をついた。

「父の遺書に書いてたんだ…全財産を僕の息子、エディに譲る…お前はここを離れ、どこか遠いところに行くのだ…そしてこのお金で暮らしてゆけ…と」


神さんの笑い声が聞こえる…


「いい話ですね」

とビルは言う


笑いをこらえながら歩く


「着きましたよ」


意外と近かった


銀行は地下に作られていた

「セキュリティ高そうですね…」


「それもそうなのですが、そもそもこの村にそのようなことをする人はおりませんよ」


「へぇ〜(なにか嫌な予感がするな)」


「危機察知スキルかもよ」

神さんの声だ


〜【危機察知Lv.MAX】〜

対象から来る殺意を感知すると鳥肌が立つ


「鳥肌たってんじゃん…警戒しといた方がいいぜ」


階段を降りると思ったより明るい部屋につながっていた。


窓口らしきところに三人ほど客がいた

ソファーに五人ほど順番待ちをしている人もいる


僕はソファーに座ってる人に聞いた

「すいません…受付ってどこですか?」


「後ろの機械だよ、アンタ旅人か?」


「そうですけど…」


そう言った瞬間全ての窓口のシャッターが閉まった。


入口もだ。


「運が良いな俺たち」


その奥にいた人も次々と立ち上がった


「おいおい、独り占めすんなよ?」

「旅人で、しかも弱そうな体つきで…」

「きっと安全な場所で金持ちに甘やかされて育ったんだろ」


僕は一歩下がった

「彼ら全員グルだったのか!(どうする神さん)」


「バグが発生したみたいだね」


(え?神さんが言ってた直すべきバグってこれのこと?)


「それだけじゃないけどな、気をつけろ…鈍器持ってやがる」


どっからともなく出した鈍器を持った男性が僕に向かって襲いかかってくる。


(どうする!?かわし続けて敵のボスが来るのを待つか!)


「すまないなチビ、俺も生活かかってるんだよオラッツ!!」


鉄パイプが振り下ろされる


〜【瞬速回避Lv.MAX】〜

敵の物理攻撃の命中率を8割減らすLv.8以下の物理攻撃を完全回避する


攻撃をかわしまくった


「なんなんだアイツの動き!」


服についたホコリを払って

「物騒ですね…初対面の人に向かって暴力を振るうだなんて…僕をここに連れてきたビルさんはお前達と何か関わっているのですか?」


歯を食いしばり右手を突き出しこう言い放つ

「知るか!【火球Lv.2】(ファイアボール)


〜【火炎耐性Lv.MAX】〜

火属性ダメージを完全に無効化する


火の玉はエディの胸で拡散して散った


少し怖い声で

「火は効かないようですね…他の魔法は使えないのですか?」

と言うと無意識に


〜【威圧Lv.MAX】〜

圧倒的な力の差を見せるオーラを放つ


が発動した。


「ひぃぃぃぃいぃいぃい!!」

「許してくれ!」「頼む!」

「俺たち!金に目がくらんで!」


「そのお金はボスからの報酬?それとも僕のお金の事?」


「あなた様のお金です!」「すんません!」

「俺たち!共同で金を稼ぐ集団で頭はいません!」


「なるほど…」


神さんはこう囁く

「殺す?」


(バカッなんてこと言うんですか!僕はこいつらを使ってパーティを組む!僕だけだと甘く見られてしまうから強面のメンバーは必ず必要だ)


「なるほど…バグは消すのではなく修正するのか」


(当たり前ですよ………ん!?…まさか神さん今まで…)


「あー分かっているとも!ささささすがに何でもかんでも消すわけないだろ?この俺が」


(一番のバグは神さんかもしれない…)


Event1《God saves nobody》

───────────END───────────



あとがき。


はじめましてシュラと申します。

いかがでしたでしょうか?私が想像する“こんなことが起こったらいいなー”“あんな事があればいいなー”という物を詰め込んだ作品を、作っております!キャラ設定はあまり話に出していませんが、影ではすごい作り込んでます…Twitterで質問箱作っていますので作品に関する質問があればそこからお願いします。皆さんのたくさんの感想お待ちしております!


p.s:ノベルバで最新話が投稿されています!

ぜひ呼んでくださいね!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ