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私の日常どこへ行く  作者: はしこ
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ちびと執事とお嬢様へ、昼休みは休むための時間です

「はー・・・昼休みっていいよね」

伸びをしながら私は言う。無駄に制服がゴージャスな黒髪ロングの美少女はクスクス笑う。

「そうですわね、この時間に予習、復習できますし」

「そのための時間じゃないよ・・・休みだから休もうよ・・・」

このちょっととぼけた女の子は神楽咲カグラサキ 月歌ゲッカ。つっきーと呼ばれている。世界に名をはせるカグラサキカンパニーのお嬢様だ。最初こそ人見知りだし、色々噂もされて辛い状況だったけど、ある小さい男の子がそれを変えてくれた。そして今はもうクラスに溶け込んで最近は特に楽しそうだ。それも

「あーつっかれたー!なあなあ、一緒に暴れん坊黄門様ごっこしようぜ!」

「やらねーよ、てか何そのごっこ。てか何そのチョイス」

この中学生にしてはとても小柄な少年、大地 太陽君のおかげである。大地君はとても明るい性格でいかにも子供らしい奔放な子だ。・・・下手したら、小学1年生でもいけるな。その大地君につっきーは

「だ、大地君・・・あの、私、それ・・・」

と真っ赤な顔でしどろもどろになっている。まあいわゆる首ったけですよね!そんなつっきーの様子に何にも勘付いてないようでニコニコしながら

「お、つっきーやる?やるならつっきー黄門様だな!俺はノブ!」

「の、ノブ?」

誰だそれ?そう聞くと大地君は驚いて

「え、知らないの!?織田信長だよ!」

「親しげに呼び過ぎだ。友達かあんた」

そもそも、織田信長って黄門様と関わってたっけ・・・とかツッコみいれたかったけど、歴史苦手だから何とも言えない・・・。この通り、この大地君は相当バカで影響されやすい子です。そんなアホの子に

「は、はい!私、黄門様やります!」

・・・なんでだろうね。この子、学校で一番頭良くて、美少女なのに・・。そこに大きな影がにゅっと出てきた。

「おい、太陽、お嬢様をあまり振り回すなよ。」

「お、タツもやりたいの?」

「何でそんなアホっぽい遊びをしなければならないんだ・・・」

流石のツッコみ!やばい・・・惚れ直してしまう・・・。・・・はっ、見惚れてしまった。えーこの180くらい背がある鷹を思わせるような目つきの鋭いかっこいい男の子は桜 龍。みんなタツと呼んでいる。つっきーの執事様でいつもつっきーを守っている・・・タツ君かっこいい・・・まあ、あれよ、私はもうタツ君に首ったけよ。はっはっは。

「桜さん、アホとか言わないでください。この遊びも大事なのです。」

「で、ですが・・・もし、お嬢様に何かあれば・・・俺は・・・」

真っ赤な顔でごにょごにょ何かを言う。うーん、かわいい!この子、つっきーにべた惚れだね!

「暴れん坊黄門ごっこやろーよータツー」

「だからそのアホっぽいのやめろ」

「私はやります!」

「お、お嬢様!?・・・だったら、俺もやります!」

「やた!あとは三十人くらいに声かけないと!」

「三十人!?お前、何するつもりだ!?」

「なー!ヒナタちゃんもやろう!」

「うん、私はバカにしながら笑って見とくだけでいいよ」

「バカにしないでよ!」

「おい、俺の役は何になるんだ?」

「西郷どん!」

「お前・・・歴史勉強しているか・・・?」

「知ってるし!あれだ!794、794、ホトトギス!」

・・・あれ、何かこいつ、ヤバくね?

「色々混ざりすぎだ!」

「大地さん・・・勉強、み、みんなでしませんか・・・?」

「・・・流石に、そうしようかと思うくらいひどいね今の・・・」

「え、違うのか?」

「そうだよ!悔しくて 鳴いてしまった ホトトギスだよ!」

「・・・」

「・・・」

「おお!覚えとこう!ありがとな!」

「・・・語呂は合っているんだがな」

タツ君が苦い顔をする。つっきーは慈悲深い笑顔で

「昼休みはやはり勉強する時間ですね」

・・・昼休みなのに勉強する羽目になりそうだ。


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