表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の日常どこへ行く  作者: はしこ
2/6

グッドモーニング、魔王様

「ね、姉ちゃん・・・追い返した・・・」

「グッジョブ」

息を切らせながら弟は私に報告し、私はねぎらった。

「あいつら・・・朝からこんな目に・・・くそっ」

弟である小坂井ナツは忌々しげに言う。

ここで弟の紹介をさせてもらおう。

弟である小坂井ナツは中学一年生でかなりのイケメンだ。周りからは似てないにもほどがあるだろう、とももっぱらの評判だ。

・・・私、そんなに、顔悪いのかな・・・多分私の顔は普通でナツがイケメン過ぎるだけだ・・・きっと・・・!

そんなイケメンナツの特徴、いや残念な部分は

「あいつら・・・金持ってなかったら、相手にしてないぜ・・・」

金の亡者であることだ。経済の歴史や金を扱っているものにはかなり詳しい。

あれはナツが小学一年生の頃、

「お姉ちゃん、今から神武景気が来ないかなー」

と習ってないはずなのに言っていた。私は

「ん?んーきっと来るよー」

と知っているふりをしてその場をなんとか過ごした。・・・今でも思う、神武景気って何だろ?


まあそれはいいとして、とりあえず学校の準備をしなければ。アレ(幼馴染)のせいで朝が台無しだ。とりあえず私たちは着替えて一階に降りた。

リビングに着くと、魔王(母)が机に君臨していた。

「あんたら、遅い。早く、飯」

「グッモーニン」

「ここは米国じゃない。さっさと作れ」

「はい、魔王さま」

「小遣い、減らそうか?」

それはかなり私たち中学生にはかなりキツイ。だが

「そもそも小遣いもらってないよ・・・」

「うるさい蠅だねぇ」

理不尽すぎるぜ魔王様!しかも自分の子供を蠅扱いとはさすがだ!

この通り、母はかなり俺様というか独裁者様だ。父に言わせると

「昔はかわいかったんだ、昔は・・・昔に戻りたい・・・」

・・・まあ、人生いろいろってやつだよね!女も色々ってやつだよね!

涙が出そうだぜ・・・袖で目を拭うと

「俺、目玉焼きとウインナー焼くから姉ちゃんご飯よそってサラダ作って。」

ナツが仕切り始めた。こいつ、こういうところ偉いよな・・・とりあえず朝ごはんを作ることにしよう。


朝食に目玉焼き、味噌汁、サラダ、納豆と並べる。魔王はすごい勢いで食べ、ナツは上品に少しずつ食べる。・・・こいつら、本当に親子か・・・?

そんな疑念をよそに、10分かけ朝食を終える。歯磨きをして、鏡の前でにっと笑って

(今日こそ良い一日になりますように!)

と心の中で唱える。ナツがカバンを持って

「早く行こうぜ」

と私に言う。さあ、今日こそは!

扉を開けると


「「お早う」」


変態が目の前で笑っていた。

うん・・・今日もろくでもないな。


ちなみに朝食を作った後の魔王の感想は

「あんたら、もっと料理の勉強しなさい・・・げっぷ。夜はキムチチゲ希望・・・げふ」

私たちにおふくろの味というやつは体験できないようだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ