二人、始まり
彼とのこれから。
彼の夢……。
私の位置は、どこにあるの?
夕馬との未来、私の覚悟、二人の本気。
少しずつ、夕馬へ気持ちが傾き始めたのに、
彼の夢に心が揺れる。
「……風生? 何だか変だけど、 大丈夫?」
カフェを出た後も、私の心は落ち着かない。
繋いだ手に力が入る。
「大丈夫……。 何でもないよ」
明らかな作り笑い。
夕馬は見抜いている……。
「オレの夢の事? 不安な顔の原因」
私の肩を、ぐっと寄せた。
コーヒーの匂いが、微かにする。
夕馬の匂い。
嫌いじゃない。むしろ好き……。
でも、今は……。
あまり好きになれない。
「オレの夢なんて、 簡単に叶う物じゃない
って。 確かに……。 マスターの淹れる様なコーヒーを出せる店、 持ちたい。 けど、 現実は厳しいよ。 それに! 風生とのこれからを大事にしたい。 始まったばっかだしね」
そう言って笑った。
色んな不安とか、胸につかえている。
でも……。
離したくないと思ってしまったこの腕を、
この人を、失いたくない。
「貴方とのこれから、 信じていいの?」
夕馬の腕を強く抱きしめた。
「オレは、 風生との未来が大事だから。
信じて欲しい」
空は高く、青い。
太陽の日差しの中。
触れると直ぐに壊れてしまいそうな、そんな
二人の関係が始まった。
あやふやな、不安定な私達。
お互いのこれからを、確かめる様に歩き出した。




