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幾つもの夜を超えて  作者: 七草せり
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夕馬。行ったり来たり。

コーヒーは様々な種類がある。 豆の産地や

コーヒー需要が多い国。

一口にコーヒーと言っても、語り尽くせぬ物ばかり。


それなりに、コーヒーの知識を持っていると思うが、まだまだまだまだ。


己のコーヒー知識、視野、広めたい。



コーヒー需要国の一つ。イタリアのナポリ。

色々なカフェがあると聞くし、日本人の常識など、通らないだろう。


豆の産地からして拘り、用途に合わせた飲み方をする。

好みも様々だろう。 客の希望に合わせたものを出す。


カフェ・エスプレッソ。 マキアート。 エスプレッソに少しミルクを入れる。

カプチーノ。 泡だてたミルクを入れる。エスプレッソより、水が多い。 カフェラテはミルク入りエスプレッソ。 風生の好きなやつ。


豆も炒り方も、焙煎、挽き方。 それぞれ違うし、非常に手間だ。


風生は簡単に、あれがいい。これがいい。等言うが、面倒な作業を知らない。 いや。知っていてわざと注文する。


オレは好みの物を出す。 それがもてなし。喜びでもある。

本当は風生と一緒に色々な国を周りたい。


でも、風生の人生設計もあるし、生半可な自分ではダメだ。


イタリア行きを決めかけてもいた。仕事をして、資金を貯めて……。 本気で勉強したいと

思い、試行錯誤の最中。 風生の体調不良。


ハッキリ言ってオレのせいだ。

風生は、貧血だと思っている。診断もされた……。

しかし……。 実際は、ちょっと思わしくはない。 貧血にも様々あり、風生の場合は少しだけ悪いと。


今後、どうなるか分からないが、無理しなければ大丈夫だと。 医師がそう言った。

完治するとかでなく、悪くならない様にすると。


風生には仕事を辞め、無理せず過ごして欲しい。 オレの側で。

そんな事、風生は嫌がるだろうし、イタリアへ行けと言うだろうな。


しかし、置いては行けない。でも、風生が行かない事を怪しむ。

なら一緒に? 体調不良の風生に海外生活はさせられない。

話は堂々巡り……。 風生に全て話す?できない。だが、イタリアへ行かない事を。


どうする、オレ。


風生の夢は何だろうか。 隣人に聞いた。

実に面倒臭そうにオレを見て、ため息つき、

「知らないわよ。 そんな事」

バッサリ切った……。

しかし、その後 「結婚じゃない? あの子、 孤独なのよ。 だから、 憧れるの。 家庭とかに。 今時いないわよね。 そんなの。 だから私はあんたが嫌い。 あっさり風生を捨てて、

イタリアだかに行こうとか、 あり得ないし」


なんでも承知の隣人。 謎だ。




結婚……。オレも寂しい思いしたから、できるなら結婚したい。 夢と現実。

安定の中、風生と生きていく。

それでは、自分を失くすが、安全圏だな。


オレの側でと望むのも本音だし。しかし、当の風生は?望むものは何?


取り敢えず暫くは一緒に暮らす。慌てるな。

人生まだまだ。




一度だけ。 風生に嫌気がさした。事務のあの子と食事したり、話したり。

オレの行動に対してヤキモチやいて。


「好きな子できた」


思わず言った一言。 風生は泣かなかった。

物わかり良く、別れを選んだ。


後悔が押し寄せ、やるせない気持ちになり、

直ぐに謝った。


二人で話をし、言いたいことをぶつけ合い、

やはりお互い必要だと感じた。

しかし、不安だったんだ。いつもいつも。

我慢させた。

風生のいない人生など、ある訳ない。

風生の病気。イタリア。夢。現実……。


考える事は山とある。

風生の気持ちを聞いて、二人で考えるか。


少しずつ、ゆっくり。夜を二人で過ごして。

繰り返す。人生まだまだ。

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