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幾つもの夜を超えて  作者: 七草せり
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人を想う事とは

「人を想う」とは何だろう……。

一人部屋で呟いた。


色々と気持ちの整理がつかない。

意地とか、プライドとか、強がりとか。

そんな物が邪魔をする。


好きなら好きでいいじゃないか。

そのままでいいじゃないか。


変に捻くれて、自分を偽って……。


意地っ張りなだけだ。


夕焼け空、部屋の中が紅く染まる。

ぼんやり一人、考えた。


嫉妬してるだけだ。 許せないのは私自身。

自分の人生を手探りながら、迷いながらも探し、歩もうとしている人に。


情けないなぁ。 本当……。

手放すのが怖いのは、一人が寂しいから。

独りよがりな感情だ。


あかね空、星が一つ。

これから光りだす。


「私は大丈夫」


ベッドから起き上がり、カバンを持ち部屋を

出た。


少し外を歩きたかった。ゆっくり歩きたかった。

沢山の事が一気にあったから、心穏やかになりたい。


私は近くの公園へ向かった。


「ブランコか……」


夕暮れ時、誰もいない公園。

遊具はブランコと鉄棒、ジャングルジム。


子供には十分な設備だ。


私はブランコに乗り、思い切りこいだ。

久しぶりに乗るブランコ。

空まで届く訳でもないが、行ったり来たりの

ブランコをこぐ。


穏やかな気持ちになるのかな。

その内に、心晴れる時がくるのかな。


空に向かいこぐブランコ。 ゆらゆらと揺れる私の気持ちと同じだ。



公園を後にし、また歩き始めた。あてもなく

ただ歩く。

夜の空になり、月が明るさをました。


「何やってるんだ、 私は……」


行ったり来たり、ゆらゆら揺れる。


「バカバカしい。 帰ろ」


月明かりの静かな道。 自宅へ帰った。


モヤモヤは、やっぱり消えない。

でも。 好きな人のゆく道を邪魔したくない。


少しだけ、理解ある人になる。


「でもなぁ。 理解ある人になるのって、時間かかるかもな」


そう言いながら、マンションの部屋の鍵を

開けようとした……。


突然、目眩がして、その場にしゃがみこんでしまった。


「やだ。 何? 」


調子が悪いのは、気持ちのせいだと思っていたけれど……。


明日、病院行こう。


仕事に支障をきたしたくない。 早めの対処が必要だろう。


夕馬には……。 話さなくていいか。

余計な事は知られたくない。


意地っ張り? 違う。 邪魔したくないだけ。


その夜は、早めに寝る事にした。


ケータイの電源。 まあ、いいか。




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