動き出す異変
バトル有りです。ではどうぞ。
日が暮れて、神社に霊夢と魔理沙が戻ってきた。
「ただいまー・・・って、あら?」
「およ?何だかいい匂いがするんだぜ」
台所の方から、空腹を刺激するいい匂いがしてくる。中へ入ると、
「あ、お帰りなさい。霊夢に魔理沙」
ガラシャが出迎えてくれた。アリスは、食卓について食べる用意をしている。
「ああガラシャ、これって・・・あなたが作ったの?」
霊夢が尋ねる。
卓袱台の上には、本格的な和食のセットがちょうど四人分、並んでいた。
「え、ええ・・・アリスにも手伝ってもらいましたけど」
「私は調理器具の用意ぐらいしかしてないわよ?・・・ああ美味しそう」
アリスの目が、料理に釘付けになっている。とにかく、霊夢と魔理沙も食卓について、夕食をいただくことにした。
「「「「いただきます」」」」
まず霊夢が、味噌汁を一口すすった。すると、
「美味しい・・・!」
表情が一瞬で変わった。
「よかった・・・初めてだから、ちょっと自信が無かったんです」
横で照れながら、ガラシャが言う。
「初めてだとは思えないわ・・・あなた、すごいわね」
「そ、そうですか?霊夢の料理の方が、ずっと美味しいですよ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
ガラシャを褒める霊夢に対して、魔理沙とアリスの二人は、無言で食べ続けている。
「あの・・・二人とも、あまり急いで食べるとのどに詰まらせますよ?」
「おかわりだぜ!」
「こっちもよ」
そして二人揃って、お椀をこちらへ差し出した。
「はいはい。やはりおかわりしてもらえると、作った甲斐がありますね・・・」
おかわりをよそって返すと、二人ともまた無言で食べ始めた。
「もの凄いわね、あの二人」
「ええ、嬉しい限りです」
横で、霊夢はあきれ、ガラシャは微笑んでいた。
夕食が終わって、後かたづけも済んだところで、霊夢と魔理沙はまた出かける用意を始めた。さっきの調査では有力な情報が得られなかったので、再調査である。
「また行ってしまうのですか?」
「ええ、ごめんねガラシャ」
「できるだけ早めに戻るから、アリスと留守番を頼むぜ」
寂しそうに言うガラシャの頭に、ぽんと手を置くと、二人は神社の外へ出た。
「ガラシャの料理、美味しかったわね」
「ああ、また食べたいぜ」
陽気にそんな会話をしたあと、二人は急に真剣な顔つきになった。
「しかしここまで情報が入らないと、異変かどうか怪しいところね」
「まあ、取り越し苦労だったなら、それはそれでいいさ。手遅れになるより、よっぽどマシだぜ」
「それもそうね」
二人でそう言いながら、上空へ飛び立とうとすると、
「そこの二人、出かける必要はないよ」
背後から声がした。二人が咄嗟に声のした方を向くと、
「こんにちは、僕はホワイト」
少し離れたところに、白装束に身を包んだ少年が無表情で立っていた。
「お前、何者だ?ここへ何しに来たんだぜ?」
魔理沙が尋ねる。無表情のまま、ホワイトと名乗る少年は答えた。
「ホワイトだと言っただろう。・・・ガラシャに用がある、会わせてくれないか」
「なるほど、あんたが異変の元凶みたいね」
言いながらも、霊夢は身構えた。魔理沙もそれに倣う。
「悪いけど、あなたを会わせるわけにはいかないわ」
「ああ、引き下がるなら今のうちだぜ?」
するとホワイトは、ふうと小さくため息をついて、
「そうか、絶望したよ・・・」
そう言うと虚空からカードを一枚、出現させた。それを手にして、スペルを宣言する。
「白刃“白掌三連撃”」
次の瞬間、彼の姿は消えていた。
「!? あいつはどこへ・・・」
「・・・一撃目」
突如、魔理沙の前にホワイトが現れ、彼女を掌打で吹き飛ばした。
「魔理沙!!」
「・・・二撃目」
「はっ!?」
振り向いたが、もう遅い。掌を打ち込まれ、霊夢も魔理沙と同じように吹き飛んだ。
「君たちは本当に哀れだよ・・・」
二人の吹き飛んだ方向に、いつの間にかホワイトが先回りしていた。
「手も足も出ず・・・絶望することしかできないのだから」
彼の瞳の奥が渦巻き始める。そして両手を広げると、そこに弾幕を収束させ、大きな光球を二つ、作りだした。
タイミングを計って一歩踏み込み、
「三撃目!!」
両手のストレートと共に大玉の光弾を霊夢と魔理沙に打ち込む。受け身を取る間もなく、二人は神社の方へと吹き飛ばされた。
「はあ・・・弱すぎる。失望したよ・・・」
首をコキコキ鳴らすと、ホワイトは二人が飛んでいった方へ向かって歩き始めた。
ちょっとオリキャラを暴れさせすぎたでしょうか・・・これから、もっと暴れますが。